約3年前、仕事で出会ってから、気のおけない友人として、またよきライバルとして、刺激しあえる関係を築いている崎山つばさ(27)と中尾暢樹(20)。今回は、ハロウィーンイベント開催中の東京ディズニーリゾートでの撮影に、揃って出演してくれた。

『週刊女性』本誌(2017年10月17日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください♪

(左)崎山つばさ、(右)中尾暢樹 撮影/廣瀬靖士

――ともに仕事では初めてという、ディズニーロケの手応えは?

崎山 染まったねー! メイクで仮装したり、期間限定のフードを食べたり、思う存分ハロウィーンを満喫しました。今日は楽しむのが仕事だと思って、プライベートの延長のような感じで過ごしたよね。

中尾 いつもは乗り物メインで走り回っているけど、こうやってじっくりショーを見るのも全然違う楽しみ方で、大満足! 場所取りしてパレードやショーを見たことがなかったんだけれど、そういう人の気持ちがわかりました。

 最前列でダンサーから手を振ってもらったりすると、仕事を忘れて盛り上がったよね、「今、ウィンクされたー!」とか。今日はハロウィーンにちなんで、自分の服のテーマカラーを紫にしたんだけど、つばさも同じように、オレンジをポイント使いしてきていて。打ち合わせもしていないのに偶然だったね。

崎山 通じ合ってるからね(笑)。

(当日は私服で来てもらい、現地に着いてから撮影用に身につけるディズニーグッズをセレクト。ハットやカチューシャ、バッジやリストバンドなど、どちらが何をつけるか積極的に、また楽しそうに選んでくれた)

中尾暢樹 撮影/廣瀬靖士

――プライベートでも、一緒にディズニーに来るそうですが?

中尾 共通の友人と6人くらいで、ワイワイ来ることが多いです。5時起きして朝イチでパークに入り、ファストパスにダッシュして。

崎山 お揃いのサングラスを、みんなで買ってかけたり。張り切りすぎて、途中で体力が切れるよね。

中尾 夕方くらいに、休憩をはさむね(笑)。仲間うちでひとり、ディズニーに詳しい人がいるので、無駄のないスケジュールを組んで、最短ルートや穴場を教えてくれるんです。それまでは、王道のジェットコースターばかりを攻めたりしていたけれど、トゥーンタウンのミッキーの家でミッキーと写真を撮ったりすると、こういうのもいいな〜って。

崎山 いろいろな楽しみ方があるのが、ディズニーのすごいところだよね。まぁなんだかんだ言って僕は、「カリブの海賊」だけ乗れれば満足なんだけれど。

中尾 好きだよね(笑)。

崎山 3回連続とかで乗りたいくらい好き。それに付き合ってくれる人は少ないけどね。

中尾 次は付き合うよ(笑)。

(撮影後半には、急遽ハロウィーンメイクをすることになり、パーク内のベンチで悪魔メイクに変身! 彫りが深く端正な顔立ちだけに、メイクがハマりまくっていたふたりだった)

――ハロウィーンの仮装をしている人がけっこういましたね。

崎山 いましたねー! 完成度が高くて、本物と間違えそうになるくらい。ただ、メイクで紫の唇にしてる人はいなかった(笑)。

中尾 僕たちだけだったね。ふたりで並んでいると、振り返って二度見、三度見されたよね。でも考えてみたら、ハロウィーンの時期にディズニー来るのは初めてかな。つばさはカリブの海賊が好きだから、ジャック・スパロウ(の仮装)をやりたいんじゃない?

崎山 やりたいねー。暢樹は?

中尾 僕はアラジンかな

崎山 暢樹のエキゾチックな雰囲気にぴったりだね。じゃあ次回のディズニー撮影は仮装で!

(左)崎山つばさ、(右)中尾暢樹 撮影/廣瀬靖士

歳の差を感じない関係
ときに年齢が逆転することも

――撮影でも息がぴったりなところを見せてくれたふたり。お互いにとって相手は、どんな存在?

崎山 歳は7歳離れているけれど、上下の関係ではないよね。強いて言えば……地元の友達?

中尾 同じ高校の先輩後輩かな?

崎山つばさ 撮影/廣瀬靖士

崎山 部活のね(笑)。最初に出会ったとき、暢樹はまさに高校生。若いな〜とは思いました(笑)。とはいえ、プロとしての自覚はすでにしっかりあったし、今では一緒に何かを乗り越えてきた仲間。力の抜きどころが似ているんだろうね、だから一緒にいて違和感がない。

中尾 最初の仕事では、長い時間一緒にいたもんね。つばさは年上だけど、リーダー風を吹かせたりはせず、周りの空気が沈んでいるときは、さりげなく盛り上げてくれる人。機転を利かせた言葉でみんなを笑わせ、ムードを変える才能は、舞台の上でも生かされていて、すごいなと思います。

崎山 お互いの家に泊まってゲームしたりするときは、年令が逆転するけどね! 年下といえども容赦しないんで(笑)。

中尾 強いんですよ、絶対勝てない。そこは大人げないです(笑)。

(仕事の顔から時折、プライベートでじゃれあうときの顔をのぞかせるふたり。お互いのリラックスした表情が、普段の仲のよさを物語っている)

――出会いから今まで、相手の変わらないところはどこだと思いますか?

中尾 つばさは基本的に、平和主義。争いがあまり好きではない人だと思う。僕が仕事でいろいろと注意を受けて、みんながピリピリしていたことがあったんですが、そういうときもどちらに加勢するでもなく、「まぁ、大丈夫だよ!」って肩を叩いてくれるような感じ。つばさが不機嫌な顔をしているところは、あまり見たことがないです。

崎山 暢樹はいい意味で、ふわ〜んとしているところかな。躍起になっていないというか……。僕も仕事に対するストイックさは持ちつつ、そういう部分をなくしたくなくて。同世代で向上心の塊みたいな人もいるけれど、そうではない、生き急いでいない空気感が、自分と合うんだなと思います。まぁ、のんきなんだよね(笑)。

中尾 そうですね、(名前の)漢字が暢気だから(笑)。

崎山 暢樹のそういうところは、これからも変わらずに持ち続けてほしいです。

――中尾さんと崎山さんって年齢差がありますが、中尾さんは最初から崎山さんを「つばさ」と呼んでいたんですか?

中尾 一緒に仕事をした作品で、共演者は敬語ナシっていうルールを決めて、敬語使ったらシッペってゲームみたいにして。そこから、敬語を使わなくなりました。

崎山 いっぱいシッペされたなー(笑)。あのゲームがなかったら、今も敬語とか丁寧語だったかもしれません。

――お互いの仕事を見ることはありますか?

中尾 舞台だと、昨年になりますが、『ダンス ウィズ デビルス』を観に行きました。あとはDVDやYou tubeでつばさが出ている舞台を見ることもありますね。

崎山 僕はこの前、暢樹の出ているドラマを見たよ。『あいの結婚相談所』の最終回。暢樹、踊ってたね。

中尾 ハハハ。最終回見たのかー。踊っているところを、つばさに見られるのはちょっと恥ずかしい(笑)。でも、名前を目にするだけでも、ほっこりするよね。自分が載っている雑誌に、つばさの名前も出ているのを見たりすると、嬉しいですね。

崎山 「おっ」て思うよね。自分も頑張らなきゃって。

自分の殻を破って
いい意味で裏切り続けたい

――これからふたりのどんな活躍を目にすることができるのだろうか。偶然にも「和」がキーワードとなる作品で、それぞれの新たな魅力を披露してくれるようだ。

崎山 僕は、今年の夏に出演した舞台『煉獄に笑う』の劇中歌『月花夜』を、CDでリリースします。

中尾 つばさがCDを出すって、ネットのニュースで知ったから驚いたよ。「え〜!」って声に出してしまうくらい、衝撃だったな。

崎山 いまだに自分がCD出すなんて、ドッキリじゃないかと思ってる(笑)。でもやるからには、応援してくれる人をいい意味で裏切って、飽きさせないくらいのものにしたいと思って臨んだんだ。これからも枠にとらわれず、いろんな分野に貪欲に飛び込んで行きたい。映像にも挑戦して、暢樹ともいつか共演できたらと思います。

崎山つばさ 撮影/廣瀬靖士

中尾 それは俳優仲間でもよく話すよね。それぞれ力をつけてから、また集結したい、「ワンピース」みたいにって(笑)。僕もドラマで多才な俳優さんたちと共演して、ジャンルを超えて活躍している人のオーラや存在感の強さを感じたから、自分も積極的に垣根を越えていきたいと思ってる。つばさのデビュー曲は、どんな曲なの?

崎山 リリースは11月だけれど、You tubeに動画がアップされているよ。『千本桜』を作曲した黒うさPさん(初音ミクなどボーカロイドを採用した楽曲で注目を集める音楽プロデューサー)による、和なメロディが美しい曲。自分も、趣味で神社巡りをしていたりと和を感じるものが好きなので、その化学反応を見てもらいたいです。

――どういうときに神社巡りをするんですか?

崎山 僕は仕事でもあまりストレスを感じないほうなのですが、大きな舞台だったり、ここぞという仕事の前にはお参りに行って、気持ちを落ち着かせるんです。具体的なお願い事をするというよりは、挨拶に行って、気持ちをリセットする。そうすることで、仕事への原動力をもらっています。

中尾 そうなんだ、意外だよね。

崎山 ふらっと明治神宮に行ったり、行きたいところを調べて探したり。暢樹にもおすすめの神社、教えるよ。

中尾 じゃあ、一緒に行く?

崎山 いやいや、そういう「焼肉行く?」みたいなノリで行くとこじゃないから(笑)。

中尾暢樹 撮影/廣瀬靖士

中尾 そうか(笑)。一緒に行ったら、いつものノリでふざけちゃうからダメかもね。“和”といえば、僕が次に出演する映画にも共通しているのですが、この秋公開の『一礼して、キス』で僕が演じるのが、弓道部員の高校生。役を作り込めるのが映画の醍醐味ですが、今回は3か月をかけて弓道の稽古をし、細部まで監督と役作りをしました。

崎山 すごいよね。

中尾 いや、本当にありがたい機会だと思う。僕は今20歳で、自分でもまだまだ経験が少ないと思うけれど、コミック原作の映画は、いつか挑戦したいと目標にしていたから。初めての経験ばかりで、大変なことも多かったので、すごく思い入れがある作品になりました。

「戦隊見てたよ」って応援してくれる人もいるけれど、そういうひとはもちろん、まだ僕のことを知らない人にも、この映画で早く知ってもらいたい。いま、公開を前にして、どういうリアクションが返ってくるのか、不安でもあり、楽しみでもあります。

――それぞれのお仕事で、ハードだったのはどんなことですか?

崎山 今も続けていますが、CDを出すにあたってのボイストレーニングは、舞台で身につけたものを一度ゼロにして学び直さなければならなかったので、大変でした。声の出し方や姿勢など、基本はわかっているつもりでしたが、舞台とCDは全く別もの。自分の歌い方のクセがCDでは邪魔になることもあり、一からのスタートでした。

中尾 周りからも、つばさの話は聞いてるよ。つばさが出演している舞台の演出家さんに、僕もレッスンでお世話になっているのですが、つばさが最近、さらに歌がうまくなったって褒めていました。

崎山 本当に? 聞いてないよ。

中尾 本人には絶対言わない人だからね(笑)。僕は、初の主演映画の撮影が、『動物戦隊ジュウオウジャー』のヒーローショーと同時期に行われたので、両立するのが体力的にキツかったです。映画の役作りでは、クランクイン前から弓道の稽古に入ったのですが、弓道は静と動で言えば“静”の競技。真逆の“動”である戦隊アクションとの切り替えをするのにも苦労しました。

(左)崎山つばさ、(右)中尾暢樹 撮影/廣瀬靖士

崎山 暢樹の恋愛映画、楽しみだね。キュンキュンしたい(笑)。

中尾 もちろん、そこは期待していいよ。和服萌えのつばさはぜひ(笑)! 弓道着で弓を引く姿がキラーショットだから。

崎山 自分で言っちゃったね(笑)。期待しているよ。で、キスシーンは?

中尾 それも……ご期待ください! 爽やかではないけど。

崎山 ハハハ。絶対見れないや、暢樹のキスシーンとか。恥ずかしくて(笑)。

(なぜかキスシーンを撮影した中尾さんよりも、崎山さんのほうが異常に照れまくり、居心地が悪そうな様子)

中尾 でも今回は、いわゆる爽やかな少女漫画のヒーローとは違って、心にトラウマを抱えていたり、純粋ゆえに歪んだ行動を取ってしまう、暗い一面を持った役。戦隊のときには見せられなかった、汚さや恥ずかしい部分までさらけ出しているので、甘酸っぱいだけの少女漫画は苦手っていう人にも、ぜひ見てほしい。

 見る人によって答えが変わる作品だと思うので、幅広い世代の人に見てもらえたら嬉しいな。カップルの人は、見終わってからお互いの目を見れば、その答えが通じあうと思います。

崎山 思わせぶりだね〜。

中尾 見ればきっとわかるよ!

<プロフィール>
さきやま・つばさ◎1989年11月3日生まれ・千葉県出身。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで脚光を浴び、舞台を中心に活躍。11月1日、イケメン和楽器ユニットとコラボした崎山つばさ with 桜menとして初のシングルCD『月花夜』をリリース。
■『月花夜』CD 1200円/CD+DVD 1850円(ともに税抜き)は、崎山さんが出演した舞台『煉獄に笑う』の劇中歌としても話題になったデビューシングル。11月1日~発売を記念したミニライブやイベントを開催予定。

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なかお・まさき◎1996年11月26日生まれ・埼玉県出身。『動物戦隊ジュウオウジャー』で主役のジュウオウイーグルを演じて注目を集め、ドラマにも抜擢が続く。11月11日より初の主演映画、『一礼して、キス』が公開。大人気少女コミックの実写化に期待が寄せられる。『ベツコミ』(小学館)で連載された同名の人気漫画(加賀やっこ作)を実写化。後輩男子が先輩女子に恋をする、この秋注目の恋愛映画。 
 

『一礼して、キス』 出演:池田エライザ、中尾暢樹ほか/監督:古澤健/配給:東急レクリエーション(c)2017加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」製作委員会

【取材・文/さとう遊 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/オニツカトヨコ】