KinkiKids

《6月に突発性難聴を患いましたが先日、お医者様とも相談をし、音楽活動を再開させて頂くことに至りました。音楽の生活と離れている間、ファンの皆様からの励ましの言葉をはじめ、改めて、多くの方々に支えて頂き今の自分があることにたくさんの感謝を学びました。(中略)ステージに立たせて頂ける幸せと、歌唱披露ができる喜びを全身で感じたいと思います》

 KinKi Kidsが帰ってきた。10月29日の『テレビ朝日 ドリームフェスティバル2017』最終日に、2人で出演することが決まると、病気療養中だった堂本剛がメッセージを発表。

 パートナーの堂本光一も、こんな思いを語った。

《剛くんも、大好きな音楽と距離を置き我慢をし耳の体調を良くすることに専念をしました。僕自身も自分にとってKinKiとはどのような存在だったのか、これまでとそしてこれからを考える大切な時間となりました》

 もちろん、ファンも大喜びだ。9月30日の早朝に、このニュースが公にされた途端、

《すやすや寝てるKinKiファンのみんなー、起きたらとびきり嬉しいニュースが待ってるよー(о´∀`о) 》

《夜中まで(仕事だけど)起きてて良かったあー。ああー。うれしい。神様、剛さんと音楽を離さないでくれてありがとうございました》

 といった声が、ネット上に続々とあふれた─。

「本当にKinKiを待っていたファンの本心だと思いましたね」(スポーツ紙記者)

 CDデビューの3年前に、日本武道館でファーストコンサートを成功させた伝説を持つ2人。歌にダンスにトークにと、そのライブパフォーマンスは圧巻だ。剛の復帰で、ファンはさまざまな思い出をよみがえらせていることだろう。

 しかし、その舞台ウラにもドラマが存在する。いや、むしろ「事件」と呼びたいような出来事も。

 それは'01年8月、サプライズ的に敢行された“ソロツアー”で起きた。

KinkiKids

「アルバムを買った人だけが応募できる入場無料のフィルムコンサートが、全国で行われたんです。そこにどちらか1人が登場する、という趣向で。

 変則的なソロツアーですよね。大阪の厚生年金会館での公演は光一クンだったのですが、彼がシャワーを浴びていると、知り合いだという女性がやってきたんですよ

 とは元事務所スタッフ。

 最初に応対した警備員が言うには、「光一のフィアンセ」とのこと。入社して間もない若手スタッフが「そんな人いたかな」と思いながら楽屋口に行って会い、ちょっと年配のその女性に違和感は覚えたのだが……。

内緒で結婚する予定なのかもとか、失礼な対応をしてあとで怒られてはまずいといった気持ちから、楽屋の中に入れてしまったそうです。そこにシャワールームからバスタオルを1枚巻いただけの光一クンが出てきて」(前出・元スタッフ)

 ソファに座る女性を見るなり、

「誰、これ?」

 光一の明らかに不審そうな様子に、致命的な判断ミスを直感した若手スタッフは、凍りついたかのような空気のなかで、あわてて説明を始めたものの、

「バカ野郎! 俺がこんなオバちゃんと結婚するわけないだろ!!」

 光一はいきなり激高。さらに、

「普通に考えればわかるだろ。とっとと追い出せ、まったく!」

 と、珍しくわれを忘れたようにキレまくった。

 いったい全体、どういうことなのかというと─。

熱狂的なファンが婚約者になりすまして、接近しようとしたんですね。先輩スタッフが打ち合わせで楽屋を離れていなければ、正体を見抜けたんでしょうけど。ただ、怒りがおさまると、光一クンはそのスタッフに、ジャニーズとファンの関係について優しくレクチャーしたそうです」(元スタッフ)

 それはズバリ「いろんな人がいるから、女の子の言うことを簡単に信じるな」「普通の価値観で対応するとモメるよ」ということ。彼はその理由を、こう説明した。

「例えば、大人になってもディズニーランドで、ミッキーの帽子を本気でかぶっているような女性っているでしょ。俺たちのファンって、そんな一直線な人たちが多いから、こっちもしっかりしてないと……」

 実は、このエピソード、先ごろ出版された『SMAPがいた。僕らがいた』の中で初めて明かされたもの。

 解散したSMAPや、彼らのあとに続いた人気グループのメンバーたちの素顔が、元スタッフたちによって生き生きと描かれている。

 このエピソードの女性のようなファンが出てくるのも、ジャニーズアイドルの魅力ゆえだろう。それを端的に表す場面に出くわしてしまった若手スタッフ。同書には、こんな一節もある。

《「もし、シャワーから出てきたとき、フルチンだったらもっと怒られてましたね。タオル巻いてくれていてよかったです。それにしても、あの女の人にとっては光一さんのそういう姿を見ることができて、死んでもいいくらい幸せだったでしょうね」

 その証拠に、光一がキレまくっている横で、彼女は満面の笑みを浮かべていたという》

 それでも光一は変わることなく、ファンからの熱い支持を誇りにし、王子様であり続けてきたわけだ。

一般人からの「興味ないわ」に落ち込む

 大阪公演では、ほかにもへこまされる出来事が。それは「フィアンセなりすまし事件」とはある意味、真逆の経験だった……。

 会場近くのお好み焼き店でスタッフ数名と夕食を食べていたときのことだ。

「隣の部屋ってジャニーズじゃない?」という声が聞こえてきた。OLとおぼしき女性たちが何か気づいたようだ。ただ、まったく気づかれないのも寂しいから、光一はまんざらでもない表情。

 しかし、続いて「堂本光一みたい」「KinKiでしょ。別に興味ないわ」という会話が。これには、すっかり落ち込んで、

「俺もまだまだやな。今日は飲もう!」

 ビールを追加し、自分で自分を盛り上げるしかなかった。

 バラエティーで仕切り役を務めるなどしっかり者で、メンタルの強さには定評のある光一も、当時はまだ22歳。新人スタッフに芸能界の厳しさを教える一方で、一般人からそれを思い知らされるという苦い経験もしていたのだ。

 同書には、剛がソロ活動をするときのマイペースな様子やそれが許される理由なども綴られている。また、せっかちな光一との性格の違いから2人が不仲になった時期のことも。そんな葛藤を乗り越え、KinKi Kidsはデビュー20周年を迎えたわけだ。

このエピソードのほか、元側近らの証言をもとに構成された『SMAPがいた。僕らがいた』(主婦と生活社 税込み1300円)*クリックするとamazonの購入ページに飛びます

 剛は現在、2年ぶりの独演会『小喜利の私』(11月2日まで東京・浅草公会堂)を開催中。

「日替わりで芸人さんが天の声(進行役)を務めていて、キングコングの西野亮廣さんや桂三度さんなどが参加しています」(芸能プロ関係者)

 2時間近くひとりでしゃべり倒すとあって、突発性難聴の再発なども懸念されるが、

「漢方薬を1日3回飲んでいると、公演で話していましたね。体調には気をつけているようです」(ファンの女性)

 一方の光一は、ライフワークというべきミュージカル『Endless SHOCK』に出演中だ。

「9月は大阪、10月は福岡で公演していました。今年の3月に1500回公演を達成して、“日本一チケットの取れない舞台”とも言われています」(前出・芸能プロ関係者)

 かつての「硝子の少年」も、30代後半の男盛りに。これからは大人のキラキラ感で魅せてくれるに違いない。