政治、経済、社会、トレンド、ヒット商品の大予測!(安倍首相・金正恩/共同通信社)

「安倍首相が再登板したのは、自分の手で憲法改正するためです。今年は選挙がないので時間的余裕がある。'18年度予算を成立させた4月以降、勝負に出るでしょう」と政治評論家の有馬晴海氏は話す。

 首相は昨年5月の改憲派集会で、'20年までに改正憲法を施行したいとするメッセージを寄せて波紋を広げた。

軍事衝突の可能性は高い

「改憲の時期は口に出さなくなりましたが、心の中にとどめているだけのこと。逆算して考えると、通常国会の会期を9月ごろまで延長して衆参両院の憲法審査会で採決し、改憲の発議をする。国民への周知期間は60~180日なので早ければ年末に国民投票になります」(有馬氏)

 自・公与党は衆参で改憲発議に必要な3分の2の勢力を維持している。9月の自民党総裁選で対抗馬は出ないのか。

「石破茂元幹事長はやる気満々です。しかし、昨年の衆院選を勝った安倍氏の続投が党内の大きな流れ。'20 年の改正憲法施行まで見届け、岸田文雄政調会長に首相の座を譲るとみられています。波乱要素は、4月に開学する加計学園問題の責任の問われ方と、持病の潰瘍性大腸炎ぐらいです」(有馬氏)

 一方、衆院選を引っかき回して自滅した東京都の小池百合子知事はどうなるのか。

「知事職を一生懸命やらないと都知事のイスも危ない。都民ファーストの会の3分の1ぐらいの都議が“一緒にやれない”と思っています。都職員も冷めています。東京を捨てようとしたんですから。豊洲市場移転も五輪準備も停滞し、五輪では京都や大阪のクレーン車を全部東京に持ってこないと工事が間に合わないと言われているほど。前途多難です」(有馬氏)

 物騒なのは北朝鮮と米国のにらみ合いだ。朝鮮半島事情に詳しい『コリア・レポート』の辺真一編集長は米朝開戦について「よくも悪くも結論が出る。残念ながら軍事衝突の可能性のほうが高い」とみる。

「米国が北朝鮮の核保有を認めるとは思えない。金正恩委員長が核を放棄してホールド・アップするとも思えません。ただし、平昌冬季五輪の期間中にミサイルを撃ったり、核実験することはありえない。

 五輪開幕前の1~2月が危ないとみています。1月8日は金正恩氏の誕生日で、2月16日は父親の金正日総書記の誕生日なので、北朝鮮がその前に何らかの挑発行動に出るおそれがあります」(辺編集長)

 国内の経済動向はどうか。

 経済アナリストの森永卓郎氏は「3つのバブルが今年崩壊する」と読む。

「1つはビットコイン(BTC)・バブル。主婦で手を出す人も増えているけれども、昨年初めに1BTC=10万円ぐらいだったのが、12月には一時期220万円を超えた。何の裏づけもない仮想通貨で、中国人を中心とした投機で上がっているだけなので必ずバブルは弾けます」(森永氏)

 2つ目は地価の高騰だ。

「日本一土地が高い東京・銀座『鳩居堂』前は、昨年、1坪1億3300万円でバブル絶頂期の1億2200万円を超えた。これも投機です。住むためや賃貸ビジネスではなく、値上がり目当てで買っているだけ。

 オリンピック・バブルは必ず五輪前に弾けます。土地が値上がりしなくなったら一斉に売りに走り、投機家は赤字を埋めるために手持ちの株を売る。だから株価も下がるでしょう」(森永氏)

 株価と地価の下落を理由として、安倍首相は'19 年10月の消費税増税の凍結を打ち出すかもしれないという。

コンビニは無人レジに!?

 生活スタイルには変化の兆しが……。ネットショッピングの利用者は年々増え、宅配業者にとっても消費者にとっても面倒なのが不在時の再配達だ。受け取り時間を選ばない宅配ボックスに注目が集まっている。世界で初めて宅配ボックスを生み出したという『フルタイムシステム』は、

フルタイムシステムの宅配ボックスは受け取り印などの手間がない

「おかげさまでここ数年、新築マンションなどの集合住宅を中心に受注は増えています。今年は駅の宅配ボックスがもう少し増えそうです」(広報)

 宅配業者が商品をボックスに入庫すると、注文した消費者にメールが飛び、認証番号を入力することなどでボックスのロックが解除される仕組み。公共スペースへの設置が進めばより便利になりそうだ。

 コンビニのスタイルも変わるかも。業界大手のローソンは今春、深夜帯の一部店舗で無人レジの実証実験を行う。

「無人レジでは専用のアプリをダウンロードして決済いただく方式となります。年齢確認が必要なタバコなどのライセンス商品は販売できません」(ローソンの広報担当者)

 実験で得た課題を検証した後、実用化を検討するという。

 人手不足が深刻化する中、ファミリーマートは24時間営業の見直しに着手するなど変革を模索する動きがある。

 さて、車の自動運転技術(レベル0~最高5まで)はどこまで実用化が進むか。

『月刊自家用車』の田中哲也編集長によると、

「外国産車ではアウディの『A8』などハンドル・アクセル・ブレーキをすべて車がコントロールしてくれるレベル3の車種が登場しています。右左折のない高速道路での運転が主体ですが、事実上、手放し運転できるような技術といえますね。国内デビューは国交省の認可待ちになるので、時間はかかると思います

 国産車では、前方を走る車との距離を計測して速度調整するレベル1と、車線を読み取ってはみ出さないようにするレベル2までの開発にとどまっているという。

「レベル2はスバルの『アイサイト』などで導入されています。レベル5の完全運転はまだ先の話。また、グーグルやアップルがソフトウェアで自動運転する研究をしています」(田中編集長)

 国内では、遠隔自動運転の実験も行われているが、手塚治虫の世界はまだ遠いかも。

5年ぶりの昼のパレード

 その点、間違いなく夢を見せてくれそうなのが今年35周年を迎える東京ディズニーランド(TDL)。運営する『オリエンタルランド』は、

『美女と野獣』をテーマにした大型アトラクションの体験イメージイラスト。TDLの新エリアは2020年オープン予定(c)Disney

「特別イベントを4月15日から開催し、限定グッズや特別メニューを販売します。5年ぶりとなる昼のパレード『ドリーミング・アップ!』ではベイマックスが初登場。リニューアルオープンする『イッツ・ア・スモールワールド』と併せてイベントの大きな目玉です」(広報担当者)

 20年開業を目指し、約750億円かけて『美女と野獣エリア(仮称)』の工事も進む。

 レジャー関連では今年3月29日に複合商業施設『東京ミッドタウン日比谷』(地上35階地下4階)がオープンする。京都の老舗料亭『南禅寺瓢亭』の新店舗が入るなど話題を集めており、昨年4月に開業した『ギンザシックス』に続くエリアの起爆剤になりそう。

 IT分野では楽天が携帯キャリアへの参入を発表したが、どう変わるか。ITジャーナリストの三上洋氏は、

「大手3社は、楽天よりも格安スマホのシェア拡大を意識していると思います。現状9・4%といわれる格安スマホのシェアが10%を超えると、雪崩のように移行していく可能性がある」と話す。

 そうなると、iPhone離れも加速するという。

「iPhoneXが昨年末に発売されましたが、最高機種に保証をつけると16万円を超えます。格安スマホに移行した人には高すぎる」と三上氏。

 AI(人工知能)家電については、「呼びかけると検索したり、家電を操作するAIスピーカーは好評。寝る前に“おやすみ”と言うだけで、タイマーをセットしたり空調の温度調節をするなど、実際の利用スタイルを見ると“へぇ~”と思います。今年はよりAIが浸透する」(三上氏)

『ロティサリーグリル&スモーク』では1度に4枚トーストが焼ける

 IT家電以外にも“ヒット候補生”は多い。商品ジャーナリストの北村森氏が注目するのは、昨年11月にパナソニックが発売した『ロティサリーグリル&スモーク』(税抜き5万5000円前後)だ。

「肉の塊を回転しながら焼いてくれるもので、燻製も作れて料理心をくすぐります。ホームパーティーでこれがあったら鼻高々ですよ」(北村氏)

 つらい花粉の季節に向けた商材も話題を集めている。DR・C医薬が開発した『ハイドロ銀チタン』という素材だ。

ヒットのにおいがプンプン

「花粉やハウスダスト、悪臭の原因になる汗やカビに含まれるタンパク質を分解し、水の分子に変えて無害化します」(同社広報)

ハイドロ銀チタンを使用した『花粉を水に変えるマスク』で花粉対策を

 1月中には同素材を使用した『花粉を水に変えるマスク』が店頭に並び、2月には下着などの衣類も発売予定だ。

「においへの意識が男女ともに高まっているほか、花粉に苦しむ人の救いとしてヒットする可能性はある」(北村氏)

 三井化学が今春の発売を予定している遠近両用メガネ『TouchFocus』(価格未定)はフレームに電子回路を組み込み、フレームのタッチセンサーに触れると屈折率が変化する。瞬時に遠近の切り替えができるのが新しい。

「従来の遠近両用メガネで階段を上るときに足元を見るとボヤけて見えるから危ないが、同商品ならぼやけないし安全なのです」(北村氏)

『UNLIMITIV』を通して親子の会話も弾むように

 バンダイは新時代の子ども用運動靴『UNLIMITIV』(税抜き3900円予定)を今春発売する。「子どもの足を速くするには何が必要か。それはトレーニングであるとの結論に至りました」(同社開発担当)。バンダイがただの靴は作らない。

「靴にはセンサーが内蔵されており、歩く、走る、ダッシュという3段階で歩数を記録します。親のスマホにデータが送信されて運動量がわかるほか、走ることでポイントが貯まってスマホ上のゲームを有利に進めることができます」(同)というから知らないうちに足腰が鍛えられそう。

漬物離れを危惧して商品化された『カリッキー』(税抜き500円)

 最後に食品分野から。前出の北村氏が注目するのは、秋田県の名産品を使った『いぶりがっキー』(伊藤漬物本舗、税抜き450円)だ。

「大きくて重く切るのも大変な『いぶりがっこ』を5ミリ×15センチに切り、乾燥機にかけドライスティックにしたものです。ポリッポリで美味しく、それが徐々に口の中で本来のいぶりがっこに戻っていくんです」(北村氏)

 伊藤漬物本舗は「ほかに1月からいぶりがっこの皮を乾燥させた新商品『カリッキー』を発売予定です」と話す。ヒット商品はいくつ出るか。