熟年婚した高橋ひとみ・浅野ゆう子・夏木マリ

 女優の浅野ゆう子が1月11日、同世代の一般男性と昨年末に結婚したことを発表した。公式サイトを通じて「お互いこの年齢で…とも思いましたが、この年齢だからこそ、互いの健康に気遣いつつ、寄り添いながら穏やかに、これからの人生を歩んでいこうと決めました」と心境を綴っている。

 浅野は2014年11月、当時交際中だった俳優・田宮五郎さんをくも膜下出血で亡くした。

「田宮さんは'12年4月にも、くも膜下出血を発症しましたが、懸命にリハビリに励んで復帰をめざしていました。その数年前から一緒に暮らし献身的に看病していた浅野は、田宮さんとの突然の別れにしばらくは食事もできないほど憔悴していました」(スポーツ紙記者)

 それから3年、浅野は57歳で初めて結婚というゴールを迎えた。かつてのトレンディードラマを象徴する人気女優の結婚に、ファンのみならずネット上では「絶対しあわせになってね!」と祝福する声と、「57歳で結婚なんて、元気がもらえました」「自分も頑張ろうと思える」と共感するコメントも多く寄せられた。

 浅野もそうだが、近年は芸能界でも50歳以上の“熟年結婚”が増えている。

 昨年5月にはエッセイストの阿川佐和子さん(64)が元大学教授の男性と、'15年には桃井かおり(66)が音楽プロデューサーと結婚。東日本大震災のあった'11年には、女優の夏木マリや歌手の岩崎良美小林幸子が結婚を発表。家族や夫婦の絆を再確認した “キズナ婚”と呼ばれた。

 '12年の暮れには荻野目慶子、'13年には高橋ひとみも結婚したが、彼女たちはみんな50歳以上で初婚だった。

女優さんで50代まで独身でいれば、人生の酸いも甘いも知ったように思われがちですが、経済的に自立している彼女たちは、これからの自分の時間の過ごし方を深く考えるようです。

 介護や終活なども含めて仕事以外での自分の時間をどう生きるか、その時パートナーの存在が大きくなるようですね」(プロダクション関係者)

 14年ほど前に話題になったラブ・コメディ映画『恋愛適齢期』は熟年男女の恋愛をテーマにしている。ジャック・ニコルソン演じる63歳の独身実業家とダイアン・キートン演じる54歳の脚本家が反発し合いながらも惹かれ合っていく様子を描いている。
 
 そのラストで63歳の彼は彼女にこう告げる。

≪心臓発作なら何とか耐えられるけど、君を失うのは耐えられない。僕はこの歳になって、やっと本当の愛というものを知った……≫

 熟年結婚の一つの形かもしれない。

<取材・文/小窪誠子>