1964年東京

 韓国・平昌五輪が開幕した。皇室の方々はこれまで、国を代表するアスリートたちをねぎらい、お励ましになってきた。

 とりわけ、皇后美智子さまは天皇陛下とともに、はやくからパラリンピックに注目されるなど、心を寄せられてきた。半世紀以上前の東京五輪から始まっていた、そんな両陛下をはじめ皇族方のオリンピックへの強い「思い」とはーー。

1964年 東京 幼い「ナルちゃん」も感動した日本初!

 アジアでも初めての開催となった東京大会に、当時4歳だった浩宮時代の皇太子さまも大ハシャギ! 美智子さまも30歳になったばかりで若々しく、ゴージャスな毛皮のマフラーを巻きながら、マラソンを観戦された。このときから56年後の2020年、皇太子さまが天皇として開会宣言をされる。

1964年 東京 草創期だった“スポーツ”に「光」を

1964年東京

 陛下と美智子さまは50年以上前から障害者スポーツに関心を寄せ、陛下はパラリンピック東京大会の名誉総裁に。「このような大会を国内でも毎年行ってもらいたい」との声がきっかけで現在の「全国障害者スポーツ大会」が開かれることに。

1972年 札幌(冬季)「本番」前に華麗なる氷上の舞いを!

1972年札幌(冬季)

 翌年に日本で初めての冬季五輪を控えてのプレ大会の会場で、スケートを楽しまれた両陛下。優美なアイスダンスのようだが、陛下が転倒され美智子さまが心配される場面もあった('71年2月)

 札幌大会の開会宣言は東京大会に続いて、昭和天皇がお務めに。皇太子時代の陛下は、美智子さまと各競技会場に足を運び、サングラス姿で観戦されることもあった。

1972年 札幌(冬季)初めての“乗り物”に寒さも吹き飛んだ!?

1972年札幌(冬季)

 小学6年当時、「氷上のF1」とも呼ばれるボブスレーのそりに試乗された皇太子さま。ちなみに、モナコのアルベール2世公は皇太子時代、ボブスレーの選手として長野五輪などに参加経験がある。

1972年 札幌(冬季)皇室“総出”で大会を盛り上げて

1972年札幌(冬季)

 常陸宮ご夫妻も大雪のなか、バイアスロンを観戦するなど多くの皇室の方々が大会へ。2020年の東京では、皇太子家の愛子さまや秋篠宮家の佳子さまなど、若い皇族の活躍も期待される。結婚される眞子さまは一般席からご覧に?

1988年 ソウル  お隣での開催に陛下の「心境」は?

1988年ソウル

 のちに皇室と韓国のゆかりについて言及された陛下。選手団の結団式では「クーベルタンが平和の祭典として考えた理想に近い形がここに実現するのでは」と隣国での五輪に大いに期待を寄せられた。

1992年 バルセロナ

1992年バルセロナ

 1990年に秋篠宮さまと結婚し'91年に眞子さまを出産された紀子さま。'92年には冬夏同年開催だったアルベールビルに続く結団式へ。このときからイベントのスタイルが変化。壮行会では光GENJIが、五輪のイメージソングを披露し大盛り上がり。

1992年 アルベールビル(冬季) 若かりしころのあの選手も!

1992年アルベールビル(冬季)

「トリプル・アクセル」を女子選手で初めて成功させ、銀に輝いたフィギュア・伊藤みどり選手を茶会でねぎらわれた皇太子さま。美智子さまと歓談しているのは、現・日本スケート連盟会長の橋本聖子参議院議員。スピードスケートで銅メダルを獲得した。

1998年 長野(冬季)美智子さまの「精神」を受け継いで……

1998年長野(冬季)

 美智子さまが築かれた公務の形を「継承」されようとしている次期皇后・雅子さま。長野パラリンピックでも、美智子さまにならい世界の選手たちをお励ましに。大会の名誉総裁を務められた皇太子さまをサポートされた。

1998年 長野(冬季)“白ずくめ”でライフワークを

1998年長野(冬季)

 帽子から手袋まで“雪色”で統一して、パラリンピックのクロスカントリーなどを熱心に観戦された美智子さま。皇太子妃時代から障害者スポーツの普及に心を砕かれてきたので、日本勢の活躍にはとりわけ目を細められていた。

1998年 長野(冬季)皇后陛下が“波乗り”にご参加!

1998年長野(冬季)

「子どもたちが、心配そうにこちらを見ておりましたので、どうかしてこれをつなげなければと思い、陛下のお許しをいただいて……」。パラリンピックで観客の「ウエーブ」に加わったときのことを、そう振り返られた美智子さま。盛り上がった会場で起こる“波”をご覧になるのも初めてだった。

2010年 バンクーバー(冬季) メダリストも感激の気遣い!

 惜しくも銀メダルに終わったフィギュア・浅田真央選手らを皇居の茶会にお招きになった両陛下。真央ちゃんが胸に下げたメダルを手にとられて「すごく重いんですね」と美智子さま。陛下も「がんばりましたね」と声をかけて入賞選手の労をねぎらわれた。

2018年 平昌 1月24日撮れたて!秋篠宮ご夫妻!!

2018年平昌

「競技の場に臨んでは、日ごろの練習の成果を存分に発揮し、素晴らしいパフォーマンスを見せていただくことを願っています」と結団式で激励された秋篠宮さま。若いころからスキーに親しみ、現在もご一家で楽しまれることも。次女の佳子さまはフィギュアをたしなまれて、大会で優勝経験もあるほど。

2020年 東京 「2回目の東京」の呼び水となった!

2020年東京

 '20年の開催地を決めるIOC総会(アルゼンチン)で、流暢なフランス語と英語でスピーチをされた高円宮妃久子さま。皇室は招致活動に関与しない原則なので、東京を推すお言葉こそなかったが、会場からは拍手が('13年9月)。

<撮影/『週刊女性』写真班、宮内庁>