横山だいすけ

《あたし おかあさんだから あたし おかあさんだから》

 2月2日にネット動画配信サービス『Hulu』で放送された、『だい!だい!だいすけおにいさん!!』第9話で発表された歌『あたし おかあさんだから』。NHK『おかあさんといっしょ』で「うたのお兄さん」を務めていた、横山だいすけが披露したこの歌が物議を醸している。

「“あたしおかあさんだから”という歌詞が繰り返され、“あたしよりあなたの事ばかり”と育児中心の生活を送りながらも、喜びを覚える母親像を描いているのですが、本物のママたちから批判の声が上がったのです。

 “自己犠牲”や“我慢”が美化され、“ママは好きなことをしてはいけないのか”と。また父親が登場しないことから“ワンオペ育児を推奨するのか”などと、少々うがった意見も見受けられます。SNS時代だけに、歌そのものではなく歌詞だけがひとり歩きしたのも騒動の一因だと思います」(ワイドショースタッフ)

 すると、この歌詞に対して識者たちが是非を問い、教育評論家の尾木直樹氏もブログで《共感するママも沢山いるでしょう!》としながらも、

《おかあさんに大犠牲払わせてる自分に苦しくならないでしょうか? 自己肯定感低くならないでしょうか?》

 親子で楽しむはずの番組で流された歌だけに、口ずさむであろう子どもたちへの影響も危惧した。

 そして批判の矛先が向けられたのが、だいすけお兄さんではなく、詞を手がけた絵本作家のぶみ氏。『ママがおばけになっちゃった!』シリーズが累計60万部を超えるなど、親子向けの絵本を制作してきた人気作家だ。今回の詞は、多くのママたちへの取材から導かれたものだという。

のぶみさんは自身のSNSで《ママおつかれさまの応援歌なんだ》と、詞の説明や釈明しましたが、火に油を注ぐ状態。一方で皮肉るように“あたしおかあさんだけど”と、育児中のママたちが我慢せずに好きなことをする言動をアップするのがトレンドとなっています。

 のぶみさんはというと、その後、謝罪を述べるも《宣伝、発売未定》《チャンスがあれば歌詞をもう一度おかあさんたちに聞いて何がダメだったか聞いて書き直したい!(現在は削除)》と、楽曲化をあきらめていないようでした」(ネットニュース編集者)

 本来ならば、だいすけお兄さんの“新曲”としてリリース予定だったはずの『あたし、おかあさんだから』。所属事務所に発売、騒動について問い合わせてみるも「わかりません」と答えるのみ。

 この数時間後に、だいすけお兄さんは自身のブログを更新して、《今回、理由はどうあっても結果的に応援してくれているみなさんを傷つけてしまったりつらい思いをさせてしまいました》と、謝罪の意を綴ったのだった。

 番組を制作したHuluは、

不快な思いをさせてしまったみなさまのご意見については真摯に受け止め、よりよい番組作りに努めてまいります」と回答。現在も第9話こそ配信されているものの、

「歌唱映像については配信を終了させていただきました」(Hulu広報部)

 どうやら“幻の新曲”となってしまいそうだ。