横山だいすけ 撮影/佐藤靖彦

「バタバタな1年で、あっという間でした。でも、まだまだ冒険の序章ですよ!」

 昨年、NHK『おかあさんといっしょ』のうたのおにいさんを卒業した横山だいすけ(34)。卒業から早くも1年たつが、ドラマデビューにラジオパーソナリティー、バラエティー番組やCMへの出演など、この1年間はとにかく“初めてづくし”。自身の心境にも変化があったそうで、

これまでは子どもたちの笑顔や元気につながっていく何かを探していたのが、親御さんとかもっともっと範囲が広がって。それは自分にとっての新たな生きがいの発見でした

 たくさんの子どもたちに夢や希望を与えてきた横山だったが、今回、夢を叶えたのはなんと自分自身……!? ディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』の日本語吹き替え版では声優を務め「夢だったんです!」と大喜び。

「ディズニーが大好きで、NHKにいたときから“ディズニーさんと一緒に何かできませんか”ってずっと言っていて。だから今回、声優として関わることができるなんて本当に幸せです。しかも千葉県出身、僕はディズニーランドと同い年なんですよ。子どものころはよく家族に連れていってもらいました」

 そんなこともあり、昔からディズニーの音楽は身近なものだったという。つらいときにはずいぶんと助けられたそうで、

「大学卒業と同時に劇団四季に入ったんですが、踊りの稽古があまりに厳しく階段も上れないくらいになってしまって。そのころは『エレクトリカルパレード』を聴いてはディズニーに行った気分を味わってました(笑)。壁にぶつかったときに聴くと、不思議と元気が出るんです」

“うたのおにいさん”になるまで

 奇跡を呼んだ、忘れられない歌の思い出も。

横山だいすけ 撮影/佐藤靖彦

「去年、おばあちゃんが亡くなったんですが、昨年の今ごろはまだ入院していて、僕もわりと時間があったので毎日のように病院に通っていたんです。寝ている時間も多くなって記憶も薄らいでいくなかで、僕が『ふるさと』を歌ってあげたら、ハッキリとワンフレーズを歌ってくれて。すごくうれしくて、今でも忘れられない思い出ですね」

 劇中では主人公・ミゲルのお父さんの声を演じる横山。ミゲル一家には“音楽禁止”という厳しい掟が掲げられているが、自身の音楽好きに、家族からストップがかかったことは?

反対されたことはないんですが、うたのおにいさんになりたいって言ったときに“本当にそれでいいのか”って何回も聞かれました。僕が11代目になるまで、うたのおにいさんって10人しかいなかったので、当時はファンタジーみたいな存在(笑)。いろんなことを考えて、中学・高校の音楽の教員免許を取ったり、教育の分野での可能性も考えました。でも、最終的には“本当にあなたが好きで決意したものは応援するよ”と言ってくれたんです」

 たくさんの応援のもと、夢を実現させてきたが、なかでも“音楽の力”を実感することが多かったようで、

ステージの上から、お父さんとお母さんが子どもたちと一緒に歌って笑顔になる瞬間をよく見るんです。それってまさに僕の理想の家族のカタチ。家族で笑顔になれる時間を作るのが、昔も今も、僕の役目だと思っています

<出演情報>
映画『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』
3月16日(金)全国ロードショー
先祖代々伝わる掟により固く音楽を禁じられるも、家族には内緒でミュージシャンを夢見る少年・ミゲル。そんな彼が夢と音楽があふれる何ともカラフルな“死者の国”に迷い込んで大冒険を繰り広げる。『トイ・ストーリー3』の監督が家族の絆を描く感動作!