舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第31回は神永圭佑さんが平田裕一郎さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年4月17日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から神永圭佑、平田裕一郎 撮影/森田晃博

出会いがストレートな芝居でよかったと思う

――二人の初の差し飲みは中野の串カツ屋さんだったそうですが、どんな話をしたんですか?

平田 共通の友達のこととか、『テニミュ』(ミュージカル『テニスの王子様』)の話とか。あとは『トンマッコルへようこそ』(二人が共演した、劇団桟敷童子の東憲司さん演出の舞台)の現場が、最初“大丈夫かな”ってう不安もあったので。「お互いに支え合おうぜ」みたいな話をした記憶はありますね。

神永 うん。お互いに頑張ろうねって話しましたね。

平田 でも、稽古(けいこ)中は一緒にいる時間が長かったね。

神永 そうでしたね。

平田 他の人がやってるときも稽古場にいなきゃいけないという、劇団桟敷童子さんのスタイルがあったので。だから、お互いの芝居を見る時間も多かったし。

神永 うん。芝居が上手い人が多かったですよね。

平田 そこで、圭佑の芝居がいいなって思って。『トンマッコル~』は、朝鮮戦争を舞台にした話で、圭佑が演じたのは、北の人民軍のキラキラした若い純粋無垢な兵士で、それがバッチリハマってて。圭佑の、上辺だけでやらない、気持ちの入った芝居が好きで。演出の東憲司さんの、技術でやるんじゃなくて、もう感情と感情をぶつけろ! みたいな演出もすごく面白かった。

神永 うん。印象的なのは、裕一郎くん演じる南の国防軍の兵士が苦しい思いを独白するシーンがあって。その役は、原作の韓国映画を観て、40代くらいの人がやるような役っていうイメージがあったんですけど。裕一郎くんの芝居を稽古場で見ていて、若い役者がやるから、苦労や大変さがより切なく伝わるんだなって。

――芝居の部分で共感できた。

神永 そうですね。

平田 あと、印象深いのは、稽古の前半でみんながまだ探っているくらいのときに、圭佑はもう第1アクションでボロボロ泣いて感情が入ってて。「うお~! 稽古のこの段階からこんなにガチで、マジで熱いな、全力なんだな」って思いました。

神永 いやいや。まあそこは死ぬシーンだったので、そもそもシーンが良くて。北と南は対立しているんですけど、結局最後は、アメリカの空爆でみんな一緒に死んでしまうっていう。

平田 悲劇的な話なんです。でもファンタジーなんですよ。

神永 だからけっこう笑えるところもあったり、本当にいい作品でしたよね。

平田 出会いがこの作品で良かったなと思う。こういうストレートな芝居で。

神永 そうですね。僕自身、本当に葛藤してたから。裕一郎くんもその独白のシーンは、東さんにいろいろ言われていたし。

平田 苦戦したからね。

神永 お互い葛藤してるっていう感じだったので、二人とも課題がそれぞれあって。だから、なんか同じ苦しみを味わって、それを乗り越えた方っていう感じがする。一緒に強くなれた感じがありましたね。終わったあとに。

平田 そうだね。役者としてリスペクトできる存在になれたのは大きかった。

二人の精神年齢はちょうど27歳くらいなのかもしれない(笑)

――重いテーマの作品でしたけど、楽屋はどんな雰囲気でした?

神永 本番前はあんまり話さなかったですね。

平田 そうだね、アップのときは軽く話したけど。

神永 でもマチソワ間(昼公演と夜公演の間)に、裕一郎くんたちがいる楽屋でお弁当を食べたりとか。そのときはみんな髪が短かったんですけど……。サッカー・ブラジル代表のネイマールが新聞に載ってて、その写真を裕一郎くんが持ってきて、「圭佑に似てるな。ケイマールだ」って(笑)。

平田 アハハハハ! ずっと言ってたな(笑)。

神永 うん。それを楽屋の扉に貼られてた記憶がある(笑)。

平田 顔を切り抜いて(笑)。

神永 しばらく、ケイマールって言われてました(笑)。

神永圭佑、平田裕一郎 撮影/森田晃博

――8歳離れていますけど、年の差は感じますか?

平田 あんまり感じないですね。

神永 僕が老成してて、裕一郎くんが少年だから、ちょうど27歳くらいなのかもしれないですね、二人の精神年齢が(笑)。

平田 アハハ、そうだね。でも、最初は若いから話が合うかな? って思いましたけど。圭佑とは何の話をしても楽しいから。この間も楽屋で、福山雅治さんの曲を聞いてて。一番好きだって言うから、若いのに珍しいなと思って。僕は、『桜坂』世代なんで。

神永 福山さん大好きです。あんなにかっこいいのに下ネタも言うし(笑)。

平田 けっこうジェネレーションギャップがないんですよね。圭佑はふざけるけど、性格的にキャピキャピしていないから、居心地はいいのかもしれないです。

神永 フフフフフ。

裕一郎くんはおっぱい派? 僕は、お尻派!

――恋愛観も伺いたいのですが、お互いどういうタイプの女性が合うと思う?

平田 圭佑は年上ですかね。それで、しっかりしてる人じゃないとダメかもしれないです。尊敬できない相手は、ダメな気がします。

神永 合ってるかも。何日か前に、『俺を縛れ!』(劇団「柿喰う客」2018年本公演)でご一緒した宮下雄也さんと飲んでて、「圭佑は、相手への尊敬で自分も強くなれるタイプ」って言われました。

神永圭佑、平田裕一郎(写真奥) 撮影/森田晃博

平田 そうなんだ。

神永 この人と一緒にいて得るものがあるなと思ったら、惹かれますね。

平田 俺も20代前半の頃は、年上の大人な女性に憧れてましたけどね。今は追っかけたいっていうか、ちょっとキャピっているほうがいいかも。

神永 アハハハハ! 裕一郎くんはしっかりした巨乳の人でしょ(笑)。

平田 何? 聞こえてなかった(笑)。

神永 アハハハハハ! おっぱい派ですよね?

平田 そうだな~。

神永 俺、お尻派なんですよ。

平田 なんの話や朝から(笑)。

――恋愛は自分がリードしたい? リードされほうが楽?

神永 何かしらの決定権はもっていたいですけどね。でも常にイーブンな関係がいいかも。どちらかが上に立ってしまうと良くないのかな、というのがあるので。

平田 僕は、駆け引きとかが嫌いだし、できないから(笑)。のめり込んじゃうタイプだから、「居てくれるだけでいい」って言ってくれる人がいいですね。どこかに連れてってとか、何をやりなさいとか要求が多いと、ちょっと疲れる。

神永 アハハハハハ!

平田裕一郎、神永圭佑(写真奥) 撮影/森田晃博

平田 「一緒にあなたが居てくれるだけでうれしいの」って言われたら、もうキュンってきちゃいますね。

神永 それ、おじさんですよ。

平田 なんでなんでなんで?

神永 今の感じがです(笑)。

――最後に、お互いはどんな存在ですか?

平田 圭佑は年下だけど、下からグイグイ上げてくれるから、役者として、そこはすごく刺激をもらえますね。それと、これからも俺が稽古場でイラッとしたときの暴走を止めてくれる、ストッパーとしてそばにいてください(笑)。

神永 ハハハ。裕一郎さんは、もう活躍されていますけど、一緒にもっと上に上がっていきたい先輩ですね。年に1回とかでもいいんですけど、またご一緒したときに、もうワンステップ上の力が必要な現場でお会いしたいです。そこでまた一緒に、悩みながら乗り越えたいです。

スペシャルQ&A【神永圭佑編】

――平田さんに直してほしいところは?

神永 強いていうなら……僕は好きですが、本番前に“楽屋の平田”っていうコーナーがあるんですけど。裕一郎くんが、なにか音楽をかけて、踊ったりふざけたりして、テンションを上げるっていうことをやるんです。ほとんど毎公演前にやってて。それで明るくなって、よっしゃー! ってことにはなるんですけど、それを見てるとメイクが進まないし、あんまり直前までやられると、本番中に思い出して笑っちゃうんで、もうちょっと早く切り上げてほしいかなと(笑)。

神永圭佑 撮影/森田晃博

――お芝居をしていて不安になることはありますか?

神永 不安だらけじゃないですかね。やっぱりどう見えてるのかなとか、これでいいのかなっていうこともありますし。特に2.5次元作品になると、原作キャラクターのファンもいらっしゃるわけで、自分の作り上げたキャラは受け入れてもらえるのかなとか、多少は思ったりはしますね。どんな評価を浴びるとしても最終的に自分を信じてやるしかないんですけど。でもこれで大丈夫かなっていう不安は、千秋楽までずっとあります。

 あとは、自分よりもはるかに芝居が上手な方がいらっしゃったりすると、どうしようかな、どう食らいついていこうかなとか、稽古の段階から思いますし。常にそういう不安との闘いですね。毎作品、何かしら不安なことがありますから。でも逆に、その不安がなくなってしまったら終わりなのかなとも思うんですよね。それがあるから向上していける気がします。

――あなたにとって愛とは何ですか?

神永 難しいですね。でも、絶対になきゃいけないものじゃないですかね。それはたぶん、自分に対しても人に対しても。やっぱり自分のことを好きじゃないといけないなと思いますし。それで、人のことも好きにならないと。人としても役者としても、愛する気持ちを持っていれば持っているほど、強いのかなって思います。

 僕が愛をもらっているなと感じるのは、マネージャーや事務所の方が僕のことをちゃんと見てくれているんだなと思うとき。あとは、怒られたときですかね。怒ってくれるっていうのは、やっぱり良くなってほしいからとか、ごれがダメだってことをちゃんと伝えたいからとか、そういうことがあると思うので。

 ファンの方からの愛ももちろん感じます。チケットを買って、わざわざ劇場に足を運んでくださって、応援してくださる気持ちが伝わったときは、こちらも頑張らなきゃと思いますし、ヘンな言い方ですけど、もっと活躍して、いい夢を見させたいなって思います。

スペシャルQ&A【平田裕一郎編】

――神永さんに直してほしいところは?

平田 強いていうなら、潔癖症なところ。願わくば一緒にサウナとかにも行けたらいいのになって思う(笑)。でも最初、サウナとか銭湯とか温泉がダメなのも知らなくて、髭剃りを貸してもらってたんですよ。たぶんホントは嫌だったんだろうなって、思います。圭輔は「ギリ大丈夫です」って言ってくれましたけど。

平田裕一郎 撮影/森田晃博

――お芝居をしていて不安になることはありますか?

平田 常に不安はありますよ。だんだん稽古中に何も言われなくなってくるんですよね。演出家さんも、怒る人が少なくなってきてるなって思います。僕が20歳前後のときには、稽古場でガンガン怒ってくれる人たちがいたんですけど。だから、怖いなって思うのは、自分ができてると思ったときこそ、できていなかったりもするし。でも、かつて一緒に仕事をした演出家さんに「常に自分を疑え」って言われてきたので、今の芝居は何点かって考えたり、客観視をするようにしていますね。

――あなたにとって愛とは何ですか?

平田 自分のことのように、相手の幸せが自分の幸せと思えること。大切な人の笑顔が見たいとか、そういうことなのかなって思いますね。友達は大事だなって思うのは、その人がいることによって、自分がよく見えていたりもするんですよね。好きすぎてその人のためにやっていることが、自分にとってもよかったり、いい影響があったり。だから、僕は好かれるより、好きでいたい。愛されるより愛したいですね。僕は「いいよ、いいよ」って言われ続けると、横柄に、傲慢(ごうまん)になるタイプの人間だから(笑)。

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<プロフィール>
かみなが・けいすけ◎1994年8月12日、茨城県出身。B型。’11年俳優デビュー。’12年ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで舞台デビュー。今後は、舞台『ダンガンロンパ3 THE STAGE 2018~The End of 希望ヶ峰学園~』(東京公演:7月20日~7月23日@サンシャイン劇場/大阪公演:7月27日~7月29日@森ノ宮ピロティホール/東京凱旋公演:8月3日~8月13日@ヒューリックホール東京)出演。

ひらた・ゆういちろう◎1986年4月27日、長崎県出身。AB型。’07年ミュージカル『テニスの王子様』1stシーズンで俳優デビュー。以降、舞台、ドラマなどで活躍。主な出演作品は、舞台『私のホストちゃん』『錆色のアーマ』『遠い夏のゴッホ』『トンマッコルへようこそ』など。今後はミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~(上海公演:4月7日~4月15日/北京公演:4月20日~4月22日)出演。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/白石真弓)