小田急海老名駅の開発エリアに登場した『SEGWAY BASE』

 こいつ……動くぞ!

 意のままに動かせるのは『週刊女性』記者が“ニュータイプ”だから、じゃあない。誰でも自然に体現できるロボットだからだった──。

 小田急電鉄による海老名駅『ViNA GARDENS』の開発が進むエリアに、突如姿を現したモビリティロボットテーマパーク『SEGWAY BASE』(以下、SB)。立ち乗り電動二輪車として話題になった、アノ『セグウェイ』に乗ることができる日本初の大規模専用フィールドだ。

 '01年にアメリカで開発・発表されたセグウェイが、公式に日本上陸したのが'06年のこと。小泉純一郎元首相や、バラエティー番組で芸能人が乗ってはしゃぐ姿を見ることがあっても、一般では乗る場所がなく、また高額なことから無縁の乗り物と思われていた。

 そんなセグウェイを気軽に体験できるのがSBだ。

「アメリカやヨーロッパ諸国では公道走行が可能ですが、先進国ではイギリスと日本だけが認められていないのです。なので、セグウェイの先進性、テクノロジーのよさを知っていただく場として、この駅近でみなさまに楽しんでいただきたい」

 そう話すのは、セグウェイジャパン株式会社取締役で、インストラクターを務めた秋元大氏。「10年は乗っている」と豪語するだけに、自由自在に乗りこなしている。

安全のためヘルメットとエルボーガードを着用し、基本操作講習を受けてからコースへ。利用料金は15分2500円~。対象年齢16歳以上

セグウェイに乗ると自然と笑みがこぼれる

 実際にコースに出るには、あらかじめ10分ほどの講習を受けなければならない。“気軽に体験”と軽々しく書いてしまったが、この秋元氏がスパルタだった。

「はい、そこのキミ! 下を向かない。顔を上げて目線はまっすぐ! 違うわよ! 何度言ったらわかるの!」

 時折、おネエ口調になるのが気になるも、熱血指導のたまものか前後移動や回転もスムーズにできるように。講習を終えると「ついてきて!」と先導する秋元氏を追って、オドオドと走行する記者一行。

インストラクターの秋元氏の指導は“ビリーズブートキャンプ”並み?

 スラロームやスロープ、S字カーブなどの各種コースに、ウッドチップや砂利、土のオフロードタイプの路面など、セグウェイで走行しうる障害物の数々。それでも1周回ったころには操縦にも慣れて、難なくクリアできるように。自然と笑みがこぼれる。

「いい大人が数分でニコニコすることを、業界では“セグウェイスマイル”と呼んでいます。テクノロジーを通して、自分の身体が拡張されていくのを感じてもらえたらいいですね。そのための楽しい“基地”なんです」(秋元氏)

 たしかに笑顔になるけども、“基地”やテクノロジー、そもそものテーマが“モビリティロボット”だったり、やっぱり男子の世界?

「(ニヤリと白い歯を見せて)例えば国内で開催されているセグウェイツアーでは、参加するお客様の65%が女性なんです。バイクのような男の子的なアーキテクチャー(構造)ではなく、ニコニコして一緒に動いていくのがセグウェイ。女性のほうがリピーターになっていることが事実として多いのです」(秋元氏)

 これまでにも国営公園や多摩川沿いなどで開催されたツアーのように散歩気分で走れるあたりは、女性のほうが相性がいいのかもしれない。

 なるほど、SBはオトナ女子のニーズに対応する商業施設『TERRACE』に隣接している。食事にショッピング、“次はセグウェイ?”なんて女子会コースも!?

6200平方メートルの敷地に用意されたスラロームやスロープ、2本橋など計1キロのコースを各自のルートで走れる

 ただ、およそ1年間限定の開業なんだとか。

「エリア全体の開発完了が'25年までで、(SBの土地も)1年後には着工を予定しています。その間で、セグウェイさんの先進性や、環境に配慮した未来の乗り物であったり、何よりも話題性というものが開発コンセプトと合致している部分がありまして(1年間限定の)誘致に至りました」(小田急電鉄開発推進部)

 では、セグウェイ起用はあくまで一時的なもの?

「こうしてご縁ができましたので、例えば将来的には開発エリア内で清掃の人間がセグウェイに乗るなどできればいいですが、具体的には何も決まっていません。まずはこちらで1年間ということです」(同・開発推進部)

 今年はセグウェイスマイルしてみる?