好きな・嫌いなコメンテーター1位の座は誰に!?

 テレビをつけて情報番組を見ていると、政治経済、社会問題を語っているのが、なぜかタレントたち。最近とくに多い“タレントコメンテーター”だけど、的を射た話をする人もいれば、なんだか鼻につく人もチラホラ。

 今回は、女性300人に好きなコメンテーターと嫌いなコメンテーターを1人挙げてもらい、双方の上位5人をピックアップ。アンケート結果と識者の意見をもとに点数は編集部で採点しました!

梅沢登美男が2冠達成

 好きなコメンテーターで1位となったのは、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)や『ノンストップ!』(フジテレビ系)など、現在引っ張りだこの梅沢富美男

「辛口で周りの人がなかなか言えないことをズバッと斬り込んで発言するので好感が持てる。何を言ってもなぜか憎めない」(47歳/パート)

 ズバッと辛口がいいという意見が多かったが、実は梅沢は嫌いなコメンテーターでも1位に。メディア論に詳しい法政大学の稲増龍夫教授は、

「梅沢さんが特徴的なのは、無難なことを言わないところですね。なにかに対して、“それは大変ですね”などの当たり障りのない発言をするのではなく、意外性のあることを発言されています。

 ただ、彼もプロなので、これ以上言ったらマズいというラインは理解されているはず。ギリギリの範囲で意外性のあることを言うことが魅力であると同時に、煙たがられもするのでしょう」

 また、自らもコメンテーターとして多くの番組に出演する漫画家の倉田真由美さんは、

「梅沢さんの意見って典型的な“年配男性”の意見なんですよね。“よく言った!”っていう人もいれば、“何言ってんの?”という人もいる。意見が分かれるようなことをハッキリ言うので、この順位になるのは納得ですね」

“雰囲気勝ち”の博多華丸

 続いて好きの2位に入ったのは、『ゴゴスマ』(CBCテレビ)にコメンテーターとしてレギュラー出演している博多華丸。そこでの活躍からか、4月からは『あさイチ』(NHK)の2代目キャスターに抜擢された。彼のコメントがいいという意見はほぼなく、

「柔らかな物腰で視聴者をなごませてくれるから」(43歳/パート)

 というように、彼の性格的な部分が高評価に。『TV大人の視聴』などの著書があるライターの吉田潮さんは、

「『ゴゴスマ』では、人気の石井亮次アナウンサーのボケに対して、ボケ返してあげたり、そっと優しく支えるように出演していますよね。女性は、自分の言いたいことをバーッと言う人よりも、そういった優しさに魅力を感じる人も多いですからね。

 けっこう顔は“黒い”と思うんですけど、それも得ですよね。重大な事件とか凶悪な事件のときに神妙な面持ちができる。コメンテーターで面白いことを言っているかっていわれたら、ノーなんですけど(笑)」

好感度アップのヒロミとカンニング竹山

 3位は『ワイドナショー』(フジテレビ系)などに出演しているヒロミ

「昔は嫌いだったけれど、いまは意外とまとも」(45歳/会社員)

 というように、“昔に比べて”“意外に”という評価が多かった。

「言っていることをよく聞くと、すごく厳しいようでいてマイルド。毒のあることを言っているイメージがありますが、毒なんて全然ないんですよ。ルックスやしゃべり方でとんがってる感じがしちゃうだけで」(倉田さん)

「茶化すような言い方はするけど、恫喝とか圧迫して怒るような人ではなく柔らかさがある。自分が頭がいい感じを出すコメンテーターも多いなかでそれがない」(吉田さん)

 4位は、番組での発言がたびたびネットニュースに取り上げられるカンニング竹山

「貴乃花親方のニュースのとき、安藤優子にイラついていたら、竹山が斬り捨ててくれた。気持ちよかった」(40歳/会社員)

 といった意見など、きちんと誰にでも、何に対しても意見するところが高ポイント。

「ガミガミ言っているように見えるんだけど、上から目線じゃない。事務所の大きさや政治力などに影響されるタレントさんも多いなか、自分の意見をきちんと言うイメージが強いですね」(吉田さん)

女性トップは意外なアノ2人

 好きの5位には高木美保

お笑いコンビ『ハイヒール』のリンゴ

「農業をするなど、地に足がついた生活者の発言がいい」(64歳/会社員)

 また同数でハイヒールリンゴがランクイン。

「関西人ならではの視点でコメントしているし、よくも悪くも正直な感想を述べていて、好感が持てる」(25歳/パート)

 女性2人の評価について、前出の倉田さんは、

「ちょっと意外ですね。女性の場合、こざかしい感じがすぎると好かれないことが多いですからね。男性の場合よりも嫌悪感が立っちゃう。例えば勝間和代さんとかは、私は友達で好きですけど、インテリな感じが勝ちすぎてしまって、共感が難しい」

一茂とオリラジ中田にブーイングの嵐

 ここからは“嫌い”で票を集めたワースト5。嫌いでも1位の梅沢に続いたのは、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でキャスターの羽鳥を困らせることも多い長嶋一茂

「ものすごくシビアな話に対しても野球でたとえたり、すべてのコメントに違和感しかない」(40歳/主婦)

「おぼっちゃますぎて、普通の人の感覚とズレがある気がする」(29歳/主婦)

 父譲り(?)の感覚のズレとおぼっちゃま感が低評価に。

「一茂さんは上から発言するというよりも、おバカキャラで通っています。男性はそういうところも笑って見ていますが、女性からは知性に欠けると思われてしまうのかもしれませんね」(稲増教授)

長嶋一茂

「顔や性格などではなく、本当に言っていることへの反発、トンチンカンぶりで票が集まったと思いますね。梅沢さんのコメントには好きも嫌いもあるけど、一茂さんの場合、“はぁ!?”っていうことしか目立たない。いいこと言ってるなって納得することがほとんどないので」(倉田さん)

「タレントコメンテーターのなかで、視聴者が持つイメージと、本人が持つセルフイメージがもっともかけ離れている人かも。

 こっちは天才・長嶋のボンボン、いろいろと中途半端で結果を残していない変な人って感じなのに、彼自身は舌鋒鋭いコメンテーターかなにかを自負してる感じがする。それが鼻につく。

 “オメーのイメージ、そこじゃねーぞ”っていう。ちょっと溜飲が下がる結果ですね(笑)」(吉田さん)

 一茂と同数で並んだのは、オリエンタルラジオの中田敦彦。今年3月で『ビビット』(TBS系)を卒業しているが、多くの票を集めてしまった。

 卒業時に自身で、「今となっては攻撃してしまった人たちに陳謝して回りたい」と話したが、各方面への“口撃”で炎上することも多かった。

「一茂さんと違って中田さんの場合は、意識的に言っちゃっていたところがありましたからね。炎上するようなキツいこと、尖ったことをわざと言うような。“本当に自分でそう思って言ってるの?”って。

 実際のところどれだけ意識されていたかはわかりませんけど。また彼が言っていることは、それほど筋が通っていないことが多かった印象ですね」(倉田さん)

女に嫌われる指原莉乃

 嫌いで続いたのはHKT48の指原莉乃。唯一の20代として不名誉な評価に。

「世間を知らない」(29歳/会社員)

「嫌いというか、さまざまなことを意見するには、まだ若いのかなと思いました」(47歳/パート)

 というように、その年齢がポイントに。

「女性からいちばん嫌われているのが指原さんということになりますが、若い女性やオジサンは彼女のようなぶっちゃけた方は好きかもしれません。対照的に中年の女性からはウケないのかもしれませんね」(稲増教授)

「指原さんが“嫌い”に入ってくる理由は、若さだけだと思う。彼女は年は若いけど、関西のオバサンのような雰囲気もあって、年を重ねたらすごいMCになると思います。若さが反感を生んでいるだけだと思いますね」(倉田さん)

RIKACOは出しゃばりすぎ!?

 続いても女性で、若い指原と違い、情報番組への出演歴も長いRIKACO

「当たり前でバカみたいなことを自慢げに語る」(61歳/年金受給者)

「知ったかぶりすぎ」(43歳/主婦)

「話に入らなくてもいいようなところで、話に割って入ってくるイメージ」(20歳/フリーター)

 年齢は20代から60代まで、立場はフリーターに主婦、年金受給者と、幅広い層の女性から低評価だったベテランコメンテーターは、『ミヤネ屋』などに不定期で出演している。

「“ボスママ”とかにいるキャラクターなんですよね。わりと支配的にものを言うというか。“私はこう思うんだけど、あなたはどう思う?”ではなく、“これが正義じゃん!”みたいな。

 そのわりに女性目線に立っているわけではない。むしろどちらかというと逆の立場だったり」(倉田さん)

“そのまんまひけらかし”も低評価

 ワーストで5位に滑り込んでしまったのは、元・宮崎県知事で、元・お笑い芸人“そのまんま東”の東国原英夫。経歴的にはタレントコメンテーターにうってつけの存在だ。

東国原英夫

「態度が偉そう」(42歳/会社員)

「人の話を聞かない。冷静に話せない」(39歳/会社員)

 この2点について、彼と共演経験もある倉田さんは、

「“嫌い”に入った人は基本的に、人の話を聞きながら、自分のことを話すって感じではない人という印象ですね。東国原さんは、やっぱりよく勉強されている。

 ただ、勉強されているからこそ、知識のひけらかしのように見えてしまう部分があるのかも。知っていることが多いぶん、尺を取って話しますね」

 全体を通した、昨今のタレントコメンテーターの流行について前出の稲増教授は、

「専門家のコメンテーターではなく、芸能人のコメンテーターですから、賛否両論あるのは当然です。専門知識を発言して、それが間違っていて嫌われるのは問題ですが、芸能人のコメンテーターに求められることは素直な気持ちを視聴者に代わって代弁することです。

 それに対して、好みが分かれるのは当然。むしろ、これだけ好きか嫌いかが明白な人が、今の時代に求められているのではないでしょうか」


※アンケート協力/株式会社エコンテ  点数は編集部にて採点