舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」連載。

 第33回は牧田哲也さんが柳下大さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年5月22日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から柳下大、牧田哲也 撮影/廣瀬靖士

あ・うんの呼吸があるから
キツめのいじりができる

──プライベートで飲みに行ったりするときに、どんな話をしてるんですか?​

柳下 何でもない会話のほうが多いかも。次の仕事なに?とか。次こういうの決まってるんだとか。芝居に関して話すことはあまりないかもしれない。演技論とかしないですね。最近だったら、やっぱりメシの話かな。ここの店がウマいとか。

牧田 大は食べることが好きだからね。魚系好きだよね。

柳下 うん、好き。あと焼き鳥とかね。

──じゃあお店を決めるのはグルメな柳下さん?

柳下 牧田と行くときは、店の候補を出してくれて「どこがいい?」って決めてくれるので、任せる。あとはだいたい(平田)裕一郎が一緒なんで、彼が「どこ行きたい! 何食べたい!」ってなってるから、そこでいいやって。

牧田 裕一郎が、「大を呼ぼうよ」ってなるので。大のこと大好きなんで。

柳下 ハハハ。

──3人で飲むとまた違ってくるんですか?

柳下 俺と裕一郎が仲良くて、マッキーをはぶく(笑)。

牧田 アハハハハ! そうなんですよ。

柳下 でも、そういうのは、同期だし長年ずっと同じ環境にいたからこそかもしれないですけど、“あ・うん”の呼吸みたいなものがあるからできるんで。こうイジったら、こう返してくれるとか。こうボケたら、こうツッコんでくれるとか。

──牧田さんのことは、どうイジると面白くなるんですか?

柳下 とりあえず、さげすむとファンは喜んでくれるから(笑)。

牧田 けなすんですよ(笑)。

柳下 でも、仲イイからけなせるって、ファンもわかってくれてるからね。で、牧田もイジるし、お互いがなんにも嫌な感じはないし。

牧田 時々、嫌な感じはありますけどね、イジりが強すぎて(笑)。

柳下 アハハハハ! それをお互い面白がってるっていう。ホントに気を使わなくて平気な相手なんで。

牧田 そうですね。だから、仕事のこととか真剣な話もしやすいです。共有することができる人っていうか。

柳下 マッキーは真面目なんですよ。お芝居観るのも好きだし、映画観るのも好きだし。僕の舞台もよく観に来てくれるんです。そのときは素直にどう思ったかっていうのを、聞きますね。いい面も悪い面もストレートに言ってくれるから。

──柳下さんが牧田さんの舞台を見に行くことは?

牧田 観に来ないです。来てほしいんですけど。

柳下 アハハハハ!

──なぜ行かないんですか?

柳下 想像できるんですよ(笑)。

牧田 大の知らないところで、俺もそこそこいい芝居してきてるんですよ。でも観てくれないんですよ(笑)。

柳下 アハハハハハ! そもそも、舞台をあんまり観に行かないんですよね。

牧田 野球とかでも、観るのが好きな人とやるのが好きな人と、両方好きな人といると思いますけど、ほんとにやることが好きなんでしょうね。

柳下 う~ん、そうですね。観るのは超苦手なんです。

柳下大(手前) 撮影/廣瀬靖士
牧田哲也(手前) 撮影/廣瀬靖士

最近、好きって感情が
よくわからなくなっている

──恋愛観も伺いたいのですが、お互いどういう女性が好きか知ってますか?

牧田 俺、なんとなくわかる。品がないとたぶんダメだと思います。

柳下 うん。マナーがないとかね。清潔感がある人が好き。別に服装にお金かけてなくてもいいけど、ちゃんとしてる人じゃないと嫌かな。マッキーはたぶん、グイグイくる系が好きなんだと思う。押しに弱い。

牧田 そうかな~。小心者なので、この人は高嶺の花すぎるって思うと、あんまり行けないかもしれないです。大はたぶんガッて取りに行くと思いますけど。

柳下 いや、行かない、行かない(笑)。

──好きになったら、自分から積極的に行くタイプ?

柳下 好きにならないですね、もう。

牧田 そうらしいですよ、最近。

柳下 最近、好きって感情がよくわかんないですね。

牧田 こじらせてますよ、僕と同じで(笑)。

柳下 ハハハ。前は、かわいいから好きとか、スタイルがいいから好きとか、あったけど、そういうのが今はまったくないですね。“かわいいな~”って思っても好きにならない。“かわいいな~”で終わり。無いよね、好きって感情?

牧田 う~ん、俺も無いですね、最近。昔は、キレイとかかわいいで、すぐ好きになってたけど、その人の性格を見るようになってからは、何が合うのか、いいのかかがわからなくなってきて、それでたぶん恋愛をこじらせる(笑)。

──じゃあ、恋愛は自分がリードしたい? 相手にリードされたほうが楽?

柳下 僕は完全にリードしたいタイプですね。一歩引いてくれる人がいいです。

牧田 九州男児みたいな。

柳下 うん。だから、九州の女性いいなって思う。さりげなく旦那さんを立てるとか、もうそれが当たり前で育ってるみたいな感じで。男の人が、料理してるとか台所に入るとか、信じられないみたいな。そのスタイルが当たり前に根付いてる女性がいいなって。そういう女性だと、男が家事をやることも、ダンナがやって当たり前じゃないっていうか。お互い気持ちがわかって、お互い手伝っていけるなって思うから。俺も女性がやるのが当たり前だとは思いたくはないし。

──牧田さんは?

柳下 リードされてるでしょ?(笑)

牧田 ハハハ。僕は基本、お互い様みたいなイーブンな関係がいいですけど。けっこうボケっとしてるんで、まあ引っ張っられつつ、俺も引っ張りつつみたいな。いま大が言ってたのと一緒で、やってくれるからこそ、やってあげたいというか。

柳下 客観的に見ると、女の子は全部わかってて基本は全部引っ張ってるけど、“引っ張りたいんだね、じゃあ引っ張られてあげる”って、感じだと思う(笑)。

牧田 俺、末っ子長男なんでヘラヘラしてるから。引っ張れる男になりたいという理想はあるけど、お尻を叩いてくれる人のほうがいいのかもしれないです。

左から柳下大、牧田哲也 撮影/廣瀬靖士

──改めて、お互いはどんな存在ですか?

柳下 ずっと意識し続ける存在じゃないですかね。ある意味の基準というか、ボーダーラインというか。例えば、牧田がすごい作品に出演したら、“あ! 自分もそこに手が届くのかも”って思えたり、牧田がやるんだったら俺も頑張らなきゃと思えたり。例えばこの先、牧田が結婚したら、“あ! 俺もそろそろ考えなきゃ”って思うとか。そういう、いろんな人生のボーダーライン。

牧田 確かにそんな感じですね。無意識にたぶん比べちゃったり見てたりするんだろうなっていう。俺は、大にずっと先を行かれていると思っているので、それを馬のにんじんじゃないですけど目指して、“俺も行かなきゃ”って気にもなりますし。そういう意味でも、他にはいない唯一無二の存在ですね。

スペシャルQ&A【牧田哲也編】

──週刊女性の読者に相手を紹介してください!

牧田 ひとことで言えば兄貴肌ですね。先輩といるよりは後輩を引き連れているイメージ。年下を面倒みるタイプです。柳下自身も3人兄弟で、下に弟がふたりいるんですけど、専門学校の学費を出してあげたり、すごく弟思いですし。男っぽいやつです。俳優としての魅力は熱量じゃないかな。’08年のD-BOYSステージ『ラストゲーム』では、すごく感情的な芝居が、もう断トツで上手かったし、’14年に舞台『熱海殺人事件』で共演したときも圧倒されました。

牧田哲也 撮影/廣瀬靖士

──相手には言ってないけど、感謝していることは?

牧田 ’16年にDステの舞台『お気に召すまま』で久しぶりに共演したんですけど。僕が芝居でけっこう悩んでしまって。悩み出すと稽古場でも家でも、そのことしか考えられなくなるんで、切り替えができないんですよ。悩みを相談したわけじゃないんですけど、なんか大が気を使ってくれて、気分転換に誘ってくれたんです。ちょうど『ポケモンGO』が流行ってた頃で、それに大がハマってて。

 たしか稽古中に「お台場のほうですげぇレアなキャラが見つかるらしいから、ちょっと採りに行こうよ」って。大が運転して車で行って、途中に築地で海鮮丼食べて、お台場で3時間くらいポケモン探して帰ってきたんですけど。あんまり語らずにそういう気遣いをしてくれるヤツなんで、それは感謝してますね。

──相手に直してほしいところは?

牧田 けっこう機嫌の良し悪しで物事言ったりするんで、それはやめてほしいかな。俺って、言われやすいタイプなんで(笑)。柳下はわりと気分のアップダウンがありますね。あまり周りを気にしないぶん、露骨に出ちゃうんだと思う。仕事場ではもちろん出さないですけど、プライベートだと、今日みたいに機嫌がいいと「うぃ~す!」ってハイテンションで来るときもあるし、「おはよう」もなしで「おー」って感じで来る朝もありますし。もうちょっと気配ろうよっていうのはありますね(笑)。あとは、きついイジりはやめてほしい。たまに圧がすごいイジりをしてくるんで(笑)。

──自分のトリセツ、相手のトリセツを教えて?

牧田 僕は、褒められるとすぐに機嫌よくなる(笑)。普段、褒められることがないんで、褒められると嬉しくなりますね。今の「黒子のバスケ」の現場は年下ばっかりだから、兄貴肌なタイプではないですけど、年齢的にも役柄的にも引っ張っていかなきゃいけないので、たまに怒ったり、場を引き締めることを言ったりするんですけど。その後に年下の子が「マッキーさん、マッキーさん」って来てくれるのが、めっちゃかわいいんですよね。なんか褒めてくれたりすると、どうやって返していいかわからないけど、気分はすごく上がるんですよ。僕のことは、とりあえず褒めてくれれば大丈夫です(笑)。

 柳下は、魚がすごく好きですね。だからウマい日本料理屋とかに連れて行ったら、たぶん機嫌がいい気がする。自分で料理もするし食べ物への関心が高いから、美味で評判のご飯屋さんなら、どんな店でも喜ぶと思います。

スペシャルQ&A【柳下大編】

──週刊女性の読者に相手を紹介してください!

柳下 顔からは想像できない人なつっこいキャラっていうか、少年です。意外にいじられキャラでもあるし、その見た目とのギャップが一番の魅力じゃないかな。それで、すごく思いやりのある。人の傷に寄り添ってくれるような優しさがある人です。俳優としては、すごく感情がまっすぐだしウソがつけない人だから、その人間性がそのまま芝居に出る。テクニックに走るのではなくて、気持ちで台詞をしゃべってます、っていうタイプの役者さんだと思います。

柳下大 撮影/廣瀬靖士

──相手には言ってないけど、感謝していることは?

柳下 まったく年上ヅラしないで、この関係性でいてくれていることですかね。もちろん人生とか年齢では上ですけど、いつも同じ目線に立ってくれます。僕は友達が少ないので、その中の大事な友達だから、もう友達でいてくれるってことに、感謝ですね。

──相手に直してほしいところは?

柳下 えっとね~、子供な部分すべて(笑)。かわいいところでもあるけど、本気ですねるときがあるから。あとは、たまに空気読めないから、読んだほうがいいよっていうのはあるかな。もういい大人だからねって。人前でボケるときにも空気読まないでボケをするときがあるから、拾うの大変っていう(笑)。

 すごく純粋な人なんで、年下のこともちゃんと尊敬できるのがすごいと思いますけど、そういう自分の懐の広さにもたぶん気づいてないんじゃないですかね、それが素直な自分っていうだけで。そういう人なんです。

──自分のトリセツ、相手のトリセツを教えて?

柳下 自分は、とにかく美味しいものを与えてくれれば、ご機嫌になりますね。美味しいもの大好きなので。一番好きなのは寿司かな。でもけっこう何でも好きです。パクチーが苦手だったんですけど、最近ちょっと食べられるようになってきたし、甘いもの以外は苦手なものないですね。料理もめっちゃしますよ。この間、チャーシューを初めて作りました。

 稽古場が初めてのところだったりすると、近くの飯屋を調べて、稽古時間よりもちょっと早めに行って、ランチ食べてから行ったりとかもします。舞台の差し入れでテンションが上がるのは、お店は忘れましたけど、出し巻き玉子にからしマヨネーズがついてるのを挟んだ玉子サンド。あれはヤバいですね。それが差し入れであったら、一個とかじゃなくて、こっそり何個か確保する(笑)。

 牧田は何度も言ってるけど、子供なんで、それもいいところだなって思って扱ってください。普通の33歳だと思ってしゃべっちゃダメ(笑)。あとは愛のあるイジりをすると喜ぶ。牧田初心者へのトリセツだとすれば、彼の意見に対して反論しないほうがいいです。全部話を聞いてあげて、うんうんそうだよねって同意してあげたら、機嫌がよくなる(笑)。ちょっと頑固なんです。

 

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<プロフィール>
まきた・てつや◎1984年6月7日、愛知県出身。B型。2007年俳優デビュー。主な出演作品は、TBSドラマ『はぐれ署長の殺人急行3』『リバース』、テレビ東京ドラマスペシャル『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』、舞台『俺を縛れ』『虚仮威』など。劇団「柿喰う客」の劇団員としても活動中。

やなぎした・とも◎1988年6月3日、神奈川県出身。O型。2006年俳優デビュー。舞台などで活動。今後は、二兎社公演42『ザ・空気ver.2』~誰も書いてはならぬ~(6月23日~7月16日@東京芸術劇場シアターイースト)、ONWARD presents新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBS('18年11月初旬開幕予定@IHIステージアラウンド東京)出演。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/白石真弓)