左から東啓介、藤田玲 撮影/森田晃博

 舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」連載。

 第35回は東啓介さんが藤田玲さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年6月19日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

ハート型のフォトスポットで
2ショット撮影

――おふたりが共演したミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』の稽古場の行き帰りは、いつも藤田さんの車で一緒だったとか?

藤田 はい。いつも、神戸屋でパンを買ってきてくれて「玲くん、パンだよ~」って渡してくれて。二人でそれ食べながら稽古場に向かうっていうね。

 でも、なかなかないですよね。1公演でここまで仲良くなるのは。

藤田 うん、ないね!

――何がそんなに二人を結びつけたと思いますか?

藤田 なんだろう、育ってきた環境なのかな~。家族仲がいいとか(笑)。

 そうですね。でも話が合うっていうのは、一番大きいかもしれないですね。

藤田 あとは、2.5次元も、グランドミュージカルも、ストレートもいろいろやってるっていう共通点もあるよね。

 ああ~そうですね、マルチで(笑)。あと、『スカピン』公演のマチソワ間(昼公演と夜公演の間)に、台本の読み合わせとかもしましたよね。

藤田 あ! そうそう。お互い次の舞台がすぐ後にあったんで。とんちゃんは僕の舞台『夜曲』の相手をやってくれて、僕はとんちゃんのミュージカル『マタ・ハリ』の相手をやって。お互い覚え合ってました。

 気を使わないから、けっこう厳しめに「もう1回!」って(笑)。

藤田 そうそうそう(笑)。「ここの節が違う」って、お互いダメ出ししあって。

――『スカピン』でいちばん思い出深いことは?

藤田 僕ね、なんだかんだ最後なんだよね。大千秋楽の夜の打ち上げの前に、二人でビール飲みに行って……。

 ああ~、TBS赤坂ACTシアターの前のおしゃれな道がクリスマスの時期で、ハート型のイルミネーションのフォトスポットがあったんですよ。

藤田 そこを通ったときに、なんか自然な流れで「じゃあ撮る?」って(笑)。

 けっこう前にカップルがいたんだけど、それも待って(笑)。

藤田 イェ~イ! って、2ショット撮影して(笑)。その後、赤坂サカスのテラスで、ナチョス食べながらビール飲んでるときも、幸せでしたね~。

 幸せでしたね、最高でした。

藤田 あそこ、すごく印象深いんだよね。

 僕もです。大阪公演でもほとんど一緒でしたよね。ホテルの部屋も偶然隣で。

藤田 大阪でも僕の部屋で「とんちゃん、飲もう~」って(笑)。

 もうね~その部屋が、めちゃキレイなんですよ(笑)。

藤田 いやいやいや、なんか僕、ホテルの部屋にも仲いい人を招き入れたいんで、ちょっとしたケータリングスペースみたいなのを作るんですよ。お気に入りの缶コーヒーとか飲み物をバーッと並べて用意してあるんですよ。

 僕は、それを「いただきま~す」って(笑)。朝も一緒に出掛けようと思って玲くんの部屋に行くと、「清掃入りました?」ってくらいキレイで。

藤田 ハハハ。でも朝起きたら、自分でベッドメイクしますね。

 すごいですよ! 几帳面。

東啓介 撮影/森田晃博

藤田 違うんですよ。なんか早く起きて、その部屋で過ごす時間もあるじゃないですか。そのときに汚いのが嫌なんです。

 それ、やれたらいいですけどなかなかね~。

藤田 いや、とんちゃんの部屋だって、意外とキレイですよ(笑)。

 嘘つけ~!(笑)

藤田 ハハハ! とんちゃんの部屋は、荷物が隅々に寄せられてる感じですね。

 僕、寄せるの得意なんで(笑)。でも、僕、玲くんの部屋を見て、次の現場から、ホテルの部屋にマネしてケータリングスペース作りましたもん(笑)。

藤田 ホントに?(笑)

 誰も来なかったけど(笑)。飲み物とか並べて自己満足してた(笑)。

――藤田さんはご自宅もキレイにされているんでしょうね。

藤田 忙しいとゴチャゴチャになっちゃうし、そうでもないですよ。

 そんなことないですよ。やっぱりきっちりしてる、ゴミの分別とか。

藤田 アハハハ! 分別って(笑)。どこの区に住んでるかによるだけだけどね。

 ビン、缶とかに分けてキレイにしてて。そういうところって見ちゃう(笑)。

藤田玲 撮影/森田晃博

――どんなインテリア?

藤田 ちょっと盛って言ってよ(笑)。

 まず、めちゃくちゃおしゃれなライト。

藤田 蛍光灯は好きじゃないので、うちのライトは基本、間接照明なんですけど。

 あとは、デカいテレビがあって。そこでやるファイナルファンタジーがすごく楽しかった(笑)。

――あまりごちゃごちゃ物が置いていない部屋ですか?

藤田 いや、まず玄関入ったら、もうフィギュアの嵐だから。

 ああ~そうだ! 玄関がいちばん豪華(笑)。

藤田 デカいショーウインドウみたいな棚が2つあるんですけど。1つには全部『魔法少女まどか☆マギカ』ってアニメの女の子のフィギュアがバーッて並べてあって、もう1つには、自分が演じたキャラクターと好きな仏像とかのフィギュアが入ってますね。

とんちゃんの優しさを当然と
思うような人には出会ってほしくない

――おふたりの恋愛観も伺いたいのですが、お互いどういうタイプの女性が合うと思いますか?

藤田 とんちゃんは、すごく一途な人なので、女性に対しても一途で。たぶん、日本人では珍しいくらいジェントルなんで、女性のことを考える人だと思うんですよ。なので、それを当然と思うような人には、出会ってほしくない。同じくらい、とんちゃんのことを考えてくれるような女性がいいです(笑)。

 あの~、母親みたいになってる(笑)。

――じゃあ、藤田さんのおメガネにかなわないとダメですね(笑)。

藤田 そうですね。一言、言いたくなっちゃうでしょうね、たぶん。

 彼女できたら、紹介しないと(笑)。玲くんは、酔うとかわいくなるんで、それをよしよしみたいな感じで、甘やかしてくれる人かな。

藤田 ああ~、よしよしされたいかも。手のひらでコロコロされたいです(笑)。

――結婚願望はありますか?

藤田 ありますね。結婚というか、子供が欲しいですね(笑)。溺愛しそうですけど。

 アハハハハハ! いいっすね~。

藤田 子供は好きですね。なんかずっと見られちゃいますね。

 女の子だったら溺愛しちゃう?

藤田 うん、ホントにヤバいかもしれない。心配でたぶん監禁だね(笑)。

 アハハ! それは、いかん(笑)。彼氏連れてきたときはヤバいですね。

藤田 許さん! 誰だろうが許さん(笑)。でも、とんちゃんみたい誠実な男なら許すかな。知り合いの中で、彼氏にするならNo.1ですから。

 マジですか? うれしい~。僕も普通に結婚願望はありますね。『マタ・ハリ』で『普通の人生』って歌を歌ったんですけど、ホント普通の幸せがいいなって思う。あの歌を歌って、すごく思いました。

――最後に改めて、お互いはどんな存在ですか?

 気軽に何でも話せて、一緒にいたくなる存在かなって思います。一緒にいて、やっぱり楽しいってデカいですね。

藤田 ありがとうございます! もちろん一緒にいて楽しいっていうのもありますし、気を許せるっていうところもありますし。自宅に呼べる数少ない友人なので。

 それは、うれしい。

藤田 とんちゃんの存在は、いい意味で刺激になりますね。同じベクトルを持った人だから、「あ! そういうことをやるんだ。すごいな」って。あと、僕はけっこう怠け者なんで、とんちゃんがストイックに何かに取り組んでるのをすごくいいなって、自分もそういうふうにしなきゃって思わせてくれる人です。

スペシャルQ&A【東啓介編】

――藤田さんには言ってないけど、感謝していることは?

 僕は、玲くんからコミュニケーションの取り方を学びました。話しかける勇気をくれた(笑)。元々けっこう人見知りで、(藤田さんと初めて会った舞台)『ボーイバンド』の頃はマジで人見知りしてたから、相手の役者さんはお芝居もやりづらかったと思うんですよね。稽古場で玲くんを見ていて、お芝居的な意味でも、人との距離感の縮め方を見習いたいと思って。それからは、スタッフさんやいろんな人と話すようになりました。

 例えば、殺陣(たて)も以前はどこか遠慮して、ひとりで練習してましたけど、僕が無駄に遠慮して、殺陣をつけてくれるアンサンブルの方と殺陣の合わせをしなかったら、作品的にもクオリティーが下がるし。自分から声をかけて練習を一緒にやってもらえば、アドバイスももらえるし、本番がぜんぜん違ってくるので、現場でのコミュニケーションは大事だなと思いました。勇気をくれた玲くんに感謝してます。

東啓介 撮影/森田晃博

――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

 最近だと、『真田十勇士』をDVDで拝見して、めちゃくちゃ良かった。真田幸村役の上川隆也さんが主演で、柳下大くんが猿飛佐助役で出演している舞台で、かっこいいなって思いました。十勇士の生き様をものすごく感じて。徳川家康を相手に、人数的には明らかに負け確定な戦いだけど、それでも戦う姿が素晴らしくて、のめり込んで見てしまいました。舞台セットも、八百屋(傾斜がついた舞台)が特殊で、それが戦場や城に見えるし、なんかすべてにすごく引き込まれましたね。大くんの家で、生解説つきで見せてもらったので、すごく贅沢でした(笑)。鳥肌たったくらい面白かった。再演したら、絶対観に行きたいです!

――あなたにとって愛とは何ですか?

 愛っていうのは……すべてを受け入れること。やっぱり僕の父と母を見ててもそう思います。辛いことも、楽しいことも、悲しいことも、自分が嫌だなって思っていることでも、すべて二人で共有して、受け入れてっていうのが、愛なんじゃないかなって思いますね。

 僕が愛を感じること? ファンの皆さんが舞台を見に来てくださること自体が愛だと思ってますし、ツイッターにコメントを返してくださったり、手紙をくださったり、イベントで握手するときに「いつも元気をもらってます」っていう言葉だけで、僕は愛を感じますし、うれしいなって思います。

スペシャルQ&A【藤田玲編】

――東さんには言ってないけど、感謝していることは?

藤田 僕の居場所になってくれていること(笑)。(僕は)車移動してることもそうなんですけど、プライベートゾーンを確保しておきたい人なんですよ。居心地のいいところにいたがるんですよね。だから、電車とかあんまり乗りたくない。ギリギリまでプライベート空間にいたいんです。人が多いところも嫌だし。よほど好きな人じゃないと、誘わないし。だから、数少ないお茶に誘える存在という意味でも、すごく感謝してますね。とんちゃんが、歩く僕のプライベートゾーン(笑)。なんかそこに入ると落ち着くベストエリアというか、やすらぐ場所。そういう人にはなかなか出会えないから、運命だと思いますよ、ホントに。

藤田玲 撮影/森田晃博

――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

藤田 一番最初に衝撃を受けたのは、めっちゃマニアックなんですけど唐十郎さんの紅テントなんですよね。10代のとき、共演していた大鶴義丹さんに「親父が舞台やってるんだけど、観に来ない?」って誘われて観に行って。舞台をほとんど見たことがなかったから、“何なんだこれは”ってなって。作品の名前も覚えていないですけど、唐さんが魚の塩釜焼きみたいなのの中から、カンって割って出てきたのは覚えてる(笑)。わけわかんなかったですけど、なんか役者の熱を感じたのと、こんなテントで観るんだっていうのと。

 でも最後にバーッて後ろが開いて、舞台の背景が外になるときの、あのゾワ~ってした感じは衝撃でしたね。忘れられないです。“これが演劇のたぶん原点なんだろうな”っていう。舞台芝居って大げさなイメージがあって、毛嫌いしてたところがあったんですけど、紅テントの舞台を観たときに、それを凌駕(りょうが)する何かがあった。

――あなたにとって愛とは何ですか?

藤田 なんか、当たり前だけど当たり前じゃないんですね、愛って。いろんな愛があると思うんですけど、もちろん家族との愛もそうですし、恋人もそうですし、事務所のスタッフもそうですし、友達関係の愛もそうですけど。すごく近くにいるから愛があるわけじゃないですか。だから普段から愛されてるなとか、愛してるなとか、愛があるなって、そんなに意識するものじゃないと思うんですよね。でも、たまには意識しないと、亡くなったときに気づくのは悲しすぎるので。だから、当たり前のようにあるけど、当たり前じゃないんだっていうことを感謝していたいなっていうものです。

 

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<プロフィール>
ひがし・けいすけ◎1995年7月14日、東京都出身。’13年、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで、俳優デビュー。以降、舞台を中心に活動。近年は、『マタ・ハリ』などグランドミュージカルにも出演し活躍の場を広げている。今後は、舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(明治座ほか京都、福岡、東京凱旋)に出演。

ふじた・れい◎1988年9月6日、東京都出身。主な出演作品は、ドラマ・映画『牙狼-GARO-』シリーズ、ミュージカル『レ・ミゼラブル』など。ロックバンドDUSTZのボーカルとしても活動。tvk『猫のひたいほどワイド』木曜MCで出演中。今後は、MANKAI STAGE『A3!』~SPRING&SUMMER 2018~(6月28日~7月8日@天王洲 銀河劇場ほか)に出演。

【取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/平山直樹(wani)】