テレビ番組で20代のカラダと絶賛された還暦超えスター・郷ひろみ(62)。血液を瑞々しくする秘訣は、日々の過ごし方にあったッ!

驚くほど健康体のひろみ

 5月16日、『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』や『傷だらけのローラ』などのヒット曲で日本中を魅了した西城秀樹さんが、急性心不全で急逝した。63歳とあまりにも早すぎる死に、ショックを受けた人も多かったはずだ。

「野口五郎、郷ひろみと並んで“新御三家”といわれた西城さんは、43歳と56歳のときに脳梗塞で倒れています。亡くなる直前まで言語障害や右半身麻痺のリハビリに励み、再起を目指していました。

 しかし、一日3箱吸うヘビースモーカーだったことや、好きなサウナに入るときに水分をほとんどとらないといった生活習慣が、脳や心臓の血管を蝕んでしまったようです。血管年齢の老いから発症した急性心不全だったとみられています」(スポーツ紙記者)

 その一方で、60歳を超えながら抜群の健康を誇るのが、前出の郷ひろみだ。

「5月末からスタートする全国ツアーは、6月に8回、7月は17回、8月には13回のステージと超ハードスケジュールです。ところが、郷は体もキレッキレで、本当に62歳なのかと驚くぐらい、元気な姿を見せています」(芸能記者)

若い血管年齢を保つ秘訣は

 同年代で、健康面で明暗を分けた秀樹とひろみ。この2人が中高年になって、体の中で大きな差が出たのは、ズバリ「血管年齢の違い」と言われている。

「郷ひろみは数年前に『たけしの家庭の医学』(朝日放送)に出演した際に、血管年齢を測ったんですが、なんと20代の血管年齢でした。この若すぎる血管年齢は、60歳を過ぎた今も維持しているようです」(前同)

 どうすれば、こんな若々しい血管を保っていられるのか。その秘訣は食生活にあるようだ。

郷は野菜と果物好きで知られ、自宅には野菜専用の冷蔵庫まであるとか。朝食はサラダとフルーツにヨーグルト。これに加えて、野菜の酵素を壊さない低速回転ジューサーでニンジン、リンゴ、ほうれん草などの自家製ジュースを毎日飲んでいるそうです

 また、夜の食事も脂肪や糖質の吸収が抑えられるように、野菜から先に食べる食事法を採用していると聞きます」(女性誌記者)

ステージ前の48時間は禁酒

 さらには、徹底した自己管理も郷の健康法の特徴といえよう。

当記事は「日刊大衆」(運営:双葉社)の提供記事です

「スタッフや友人たちと飲食しても午前0時で切り上げますし、就寝2時間前は食べ物を口にしない。どうしてもお腹が空いたときは、常温の水を飲んで食欲を抑えるそうです。

 コンサートツアーでは、ステージ前の48時間は一滴も酒を飲まないなど、食生活は徹底的にストイックに管理しています」(前同)

 また、日課だという日々のトレーニングも60歳超えの男性としては驚くばかり。

午前中に自己流の腹筋と背筋運動を約30分、その後にトレーナーについて加圧トレーニングを30分やって、ストレッチを30分。時間があれば、この後にランニングもするそうです。ステージで若い頃と変わらず飛び跳ねることができるのも、日頃のトレーニングの賜物なのでしょう」(同)

 医学博士で慶応義塾大学外科学非常勤講師の『横浜血管クリニック』の林忍院長は、「郷ひろみさんの食事や運動は、血管の若々しさを保つ完璧とも言える習慣」と絶賛する。

「野菜を多くとり、カロリー控えめの食生活に加え、運動もしっかりしています。実は、これが血管の若さと、しなやかさを保つ一番大事なポイントなんです」

 全身に血液を送る通り道となる血管は、長寿と健康のカギ。血管を若く保てば、体のすみずみの細胞まで生き生きとするため、肌の血流も良くなり、見た目も若々しくなる。逆に血管が劣化して血流が悪くなると、肩こりや体調悪化はむろん、脳梗塞や脳出血、あるいは心筋梗塞などの突然死にも襲われるという。

動脈硬化を起こすリスク要因を改善

 血管年齢を郷のように若々しく保つには、どうすればいいのか。まずは血管の老化、すなわち動脈硬化がどう進むのかを林院長に解説してもらった。

「動脈硬化は、血管の内皮細胞が傷つくことから始まります」

 その原因は高血圧や高血糖。ホースの役割を果たす血管に高い血圧をかけ、糖質など荒い粒を流せばホースの内壁に傷がつく、ということだ。

 血管の傷ついた部分にはLDLコレステロールが付着していくのだが、ただ付着するならまだしも、この部分が体内で発生する活性酸素によって酸化されていく。活性酸素は自らの細胞でも作られるし、タバコや食品添加物、紫外線などでも発生するという。

「酸化したLDLコレステロールは、マクロファージなどの免疫細胞が異物と見なして攻撃します。その結果、LDLコレステロールとマクロファージが争ってできた残骸が血管壁にへばりついていきます。この残骸がプラークと呼ばれるもので、血管の内径が狭まることで血流も悪くなります」(前同)

 プラークは粥状で軟らかいため破裂しやすく、その部分から出血することもある。すると、出血を止めるために血小板が集まり、血の塊である血栓を作る。

 切り傷で血が固まって、自然に塞がっていくのも血小板の働きだが、この血栓は剥がれて流れ出すと大変なことになる。前述のように、脳血管に詰まって脳梗塞を引き起こしたりするのだ。

「血管を若々しく保つには、動脈硬化を起こすリスク要因を改善することが大切です」(同)

 第一は血圧、血糖、中性脂肪による肥満の改善だ。郷は「寝る前に食べない」「野菜から食べる」など、食生活を徹底している。これに加え、日課にしている背筋や腹筋、ストレッチなどの運動も血糖や中性脂肪を少なくする。実際、郷は血圧、血糖値、中性脂肪値など、すべて正常範囲内の数値だという。

次に、LDLコレステロールの酸化を抑えることが大切になる。新鮮な野菜や果物には活性酸素を除去する抗酸化物質が多い。郷は、これをたっぷり食べることで、活性酸素の害を防いでいるのだ。逆に、活性酸素を発生させるのはタバコ。

「タバコは血管を収縮させるため、血圧も高くします。動脈硬化を防ぐためには禁煙が必要です」(同)

 魚や納豆、野菜、酢の物を

 最近では脈の伝わり方と血圧を測定して、動脈の固さや詰まりなどの血管年齢を測定できる医療機器をそろえている医療機関が増えている。『横浜血管クリニック』にも設置されているというので、記者も計測させてもらった。

 ちなみに、記者は郷より2歳年下の60歳で、やや太り気味。揚げ物や肉類が大好物で、タバコは1日30本。運動もほとんどしていない。

 計測は仰向けに寝て、右と左の二の腕、そして両足首に血圧測定で使う器具を取りつけ、心臓のあたりに小さなボタンを装着して行う。血圧測定と同じ要領で検査時間は4~5分程度。

 医療機関によって若干費用は変わるが、保険も適用され、同クリニックでは、3割負担の場合、初診料込みで1150円でできる。検査結果は「動脈の詰まりこそないが、血管年齢は70歳(動脈硬化の疑いあり)」という判定……。

 実年齢より10歳も高い血管年齢に少し落ち込んだ記者だが、林院長によると、「自分の血管年齢を自覚すると、食事や運動を改善するきっかけにもなる」と言うのだ。食生活や日々の運動を郷ひろみ流にするのは、さすがにハードルが高いという人は、まずは動脈硬化を防ぐ食べ物を多く摂ることから始めてはいかがだろう。

「魚に含まれるEPAやDHAといった脂質にはコレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化を予防する作用があります。また、血液が固まるのを防いで血栓を予防する効果もあります。マグロ、サバ、サンマ、イワシなどの魚を心掛けて食べてください」(前同)

 さらに、納豆に含まれるナットウキナーゼや、酢に含まれるクエン酸には、血液が固まってドロドロになるのを妨ぐ働きがある。納豆や梅干や酢の物を食事の一品に加えたい。

 暑くなるこれからの季節は、水分補給も重要だ。

「血管を詰まらせるドロドロ血液になると、脳梗塞などを起こしやすくなります。水分は早め早めに、そして、こまめに補給をすることが大切です」

 若さと健康は、まず血管から。血管の老化に十分、ご注意を!