婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした男女の婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆきます。今回は、『お金の使い方で見えてくる人となり』です。

お金の使い方は、その人の人となりが透けて見えるもの(写真はイメージです)

自分の飲み食い分だけきっちり払う

 お見合いの後に初めてのデートをした真美さん(38歳、仮名)から、「内田さん(41歳、仮名)とは、交際終了でお願いします」という連絡が入りました。内田さんは、年収が1千万円近くある外資系企業で働く男性です。見た目も清潔感があって素敵なのになぜ? 真美さんに“交際終了”の理由を訪ねました。

「昨夜が2回目のデートだったんですけど、前回も今回も割り勘でした。前回はランチだったので、きっちり割り勘。今回は夜のお食事で、6:4くらいの女子割でした。

 内田さんはお酒が好きで、すごくたくさん飲んでいたし、男性だから女性よりも食べますよね。私はお酒がほとんど飲めないから、フルーツ系のお酒を一杯頼んだだけ。それで6:4の計算になったんだと思うんです」

 真美さんは、ため息まじりに続けました。

「というか、私は食事をご馳走する価値がない女なんですかね」

 “おごってもらえない”イコール“おごる価値のない女”“大事にされていない”と考える女性が多いのですが、それは違います。食事をした時に、相手にご馳走するかどうかは、その人のお金に対する考え方だと思うのです。

 内田さんは、41歳男性の平均年収よりもかなり稼いでいらっしゃる方なので、年収が350万円の真知子さんは、“なぜご馳走してくれないのか”と解せなかったのでしょうが、女性の収入がいくらとか、自分がいくら稼いているとは関係ない。“2人で食事をしたのだから、食事をした分を支払う”という考え方なのでしょう。

「僕のあげたプレゼントの方が高いよね」

 さて、こんなケースはどうでしょう。

 由希子さん(35歳、仮名)は、大手企業に勤め、年収800万円の戸山さん(38歳、仮名)とおつきあいしていたのですが、彼女から別れを決めました。その理由が、「彼のお金の使い方がどうも好きになれなかったから」でした。

「外で食事をすると基本割り勘でした。一度二人で食事をして7800円だったんですね。4千円ずつ出して、200円お釣りがきた。そのお釣りも割って100円私にくれました。女子同士だと、これって普通だけど、男性にやられると“セコイ”と思ってしまった」

 また由希子さんはひとり暮らし、戸山さんは実家暮らしで、男女の関係になってからは、由希子さんの家でのデートが多くなったと言います。

「家でデートでは、食事を私が作る。最初はいいところを見せたくて、手のこんだ料理をあれこれ出していたんですけど、材料費が全て私持ちなので、食費がかさむようになった」

 ただそれも言い出しにくかったので、一人の時は外食を減らしたり、残った食材で会社にはお弁当を持って行ったりするように工夫したといいます。

 そんな中、6月にお互いボーナスが出たので、プレゼントを贈り合うことになったそうです。

「彼はあるスポーツメーカーが出しているカジュアルウォッチがいいというので、私が似合いそうな柄を選んだんです。1万円弱でした。私が欲しかったのは、あるブランドのシルバーブレス。それが2万5千円だったんですね。そうしたら、彼が言ったんですよ。『僕の方が出す金額が1万5千円高いよね』って」

 なんだか、その発言にカチンと来たそうです。

 こちらは食費で散財している。なのに、プレゼント代が自分の方が高いと言ってくる。そこで、これまで黙っていた食費のことを言いました。すると戸山さんはこう返してきました。

「僕は僕でその日に飲むお酒を買っていってるから、それで相殺だと思っていたけど」

 その言葉にさらにカチン、カチンときたと言います。由希子さんは、私に言いました。

「彼が買ってくるビールなんて、千円前後。ワインだって、千円くらいの安いテーブルワインですよ。二人分の夕食を作ったら、千円ではすまない。ただそれを戸山さんに“私の方が、毎回数千円多く出してるんですけど”と言う自分もセコく思えて、言葉を飲み込みました。

 一流企業に勤めているし、彼と結婚できたら友達にも自慢できるなって思っていたけど、彼のお金に対する考え方がどうも好きになれなかった」

お金の使い方に人となりが透けて見えてくる

 デートにおける割り勘問題は、常に話題に上るところです。また、結婚を決めたカップルも、結婚式までの話し合いをしていく中で、一番、揉めるのがお金の問題です。そこから感情がいき違い、喧嘩になることも多いのです。

 女性におごらない男性は、友達、後輩、会社の部下と飲みに行っても、自分の食べた分、飲んだ分をきっちりと払って、おごることはないでしょう。これを“金銭感覚が堅実”と捉えるか“ケチ”だと思うかは、考え方次第ではないでしょうか?

 しかし、お金を使わない方は、貯金もしっかりしているでしょう。女性にお金を出させなかったり、同性の友達や部下に大盤振る舞いをしてしまったりする男性は、貯金がないかもしれません。

 そうは言っても、やはり人のためにお金が使える男性の方が魅力的ですよね。また、そうした男性の方が人望もある気がします。

 どうお金を使うかは、その方の人となりが透けて見えてきますね。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/