飼育を担当する浜田さん。その横で風太の三男のクウタが、ご立派な立ち姿を! 撮影/山田智絵

 2本足で立ち、すくっと足を伸ばした直立姿勢で話題をさらった、“レッサーパンダの風太くん”を覚えているだろうか? 凛々しい立ち姿と愛らしい顔立ちのギャップが人気を集め、現在のシャンシャンに勝るとも劣らぬフィーバーぶりだった。

風太はもう70歳

 そんな風太も年をとり、今年の7月5日、15歳の誕生日を迎えた。『千葉市動物公園』の飼育員、浜田昌平さんは、

「人間に換算するならば、70歳ぐらいでしょうか。飼育下では20年ぐらい生きる子もいるので、風太には元気で長生きしてほしいです」

 と話す。レッサーパンダには固定ファンが多い。好評の動物の食事時間(リンゴタイム)には、飼育員の浜田さんの軽妙な解説を聞きながら、風太の食事&立ちシーンが観察できる。

 リンゴを目当てに、風太が小屋からのっそりと姿を現す。風太、キミも年をとったなあ……って、あれれ、意外と若いじゃないの!? 少々毛のボリュームがなくなったように見えるが、足腰はしっかりしている。

「昔は落ち着きなく、いつもウロウロしていました。こんな動き回るレッサーパンダは珍しいね、と話していたんですが、最近はよく昼寝していますね」

現在の風太。落ち着いた大人の風格が漂う

 とはいえ、野生のレッサーパンダは8時間ぐらいしか活動しない。起きている時間は笹やタケノコを食べ、そのあたりにいる昆虫やネズミをのんびり捕らえる程度。加齢により活動がスローになったというより、本来のレッサーパンダのまったりライフそのものなのである。

 カリスマ性のある風太は子づくりもうまく多くの子のパパになり、孫もいる。子どもたちは、北は北海道『円山動物園』から、南は鹿児島『平川動物園』まで暮らしていて、現在、千葉市動物公園には、三男・クウタ、孫娘・ゆう、ゆいの3匹が元気に暮らす。

 レッサーパンダが立つ習性についてだが、これは風太が特別すごいのではなく、レッサーパンダならどの個体でもできるそう。足が、かかとを地面につけて歩けるつくりのため、2本足で立つことが可能なのだ。それがぬいぐるみみたいで可愛いんだよね♪