沢田研二

「ファンの方には、申し訳なく思っています。責任は僕にあります」

 10月18日、沢田研二が横浜市内の自宅に集まった報道陣の前で、前日にコンサートをドタキャンしたことについて謝罪した。

「7月6日の『日本武道館』でのライブを皮切りに、来年1月21日まで《沢田研二 70YEARS LIVE OLD GUYS ROCK》というツアーを開催しています。10月17日は『さいたまスーパーアリーナ』での公演でしたが、開演1時間前になって突然中止を発表しました」(スポーツ紙記者)

 1時間前の中止というのは異例中の異例だ。

「集客状況が9000人と聞いていたのが、実際は7000人だったそうです。会場は1万2000人が入れるように設営されていたところだったので、およそ6割の入りでした」(同・スポーツ紙記者)

会場選びの“落とし穴”

 沢田が空席に不満を持ってドタキャンするのは、今回が初めてではない。

「'04年に茨城県で行われたコンサートでも同じようなことがありました。会場は1700人ほどが収容可能なのに、約半分の700人ほどしか集まらなかったため、中止になったんですよ」(ワイドショー関係者)

 沢田は'67年2月に、『ザ・タイガース』のボーカルとしてデビュー。今回は、彼が歌手・俳優として50周年を迎えたことを記念して、全国66公演のロングランツアーが行われている。

 なぜこのようなことになってしまったのか。芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は、会場選びに“落とし穴”があったと話す。

入り口には手書きメッセージが掲示されていた

地域的なことを考えていませんよね。7月に東京で、10月6日には『横浜アリーナ』で公演をやっています。それから間を空けずに東京と横浜に近い埼玉でやっても、あまり意味がありません。

 彼のファンは年配の方が多いので、体力的に何度もコンサートに足を運ぶのは難しい。1度行ったら、近い会場には行かないでしょう」

 今後はチケット料金の払い戻しがあるのはもちろん、スタッフの人件費なども支払わなければならない。

「会場の使用料は公式サイトによると1日990万円ですが、最近のコンサート会場の傾向だと、平日は3分の1程度。とはいえ、当日の警備代やそのほかの人件費なども含めると損害額は少なく見積もっても1500万~2000万円程度にはなるでしょう」(レコード会社関係者)

 巨額な損失に加え、信用も失ったと芸能レポーターの石川敏男氏は指摘する。

「ファンにしてみれば、生の沢田さんが見たくてライブに行っているのです。客が少ないから中止なんて話は通りませんよ。彼の中で、ファンを軽視するところがあったのではないでしょうか

 “勝手にする”のは、歌だけにしてほしいものだ……。