福士蒼汰 撮影/廣瀬靖士

猫派ならぬ“ナナ派”

「猫とこんなに長い時間を過ごしたのは、人生で初めてでした。もし一緒に住んだら、ツンデレでいい距離感なんだろうなと思います。今回で猫派ならぬ“ナナ派”になりました(笑)」

 映画『旅猫リポート』で主演を務める福士蒼汰(25)。主人公・宮脇悟(福士)と野良猫のナナ、1人と1匹が出会い、家族として過ごした日々を追った物語。

「最初は、ナナとの接し方がわからなくて、トレーナーさんの様子を見よう見まねでやってみて。でも、犬みたいにベタベタするとパンチされたり(笑)。

 わからないからこそ、なるべく多く接しようと心がけていました」

 ナナを抱っこするシーンも物語の重要な部分だが、

「室内だと、ナナは自由に動けることをわかっているので“おろして~!”となるんです(笑)。でも、外だとナナも少し不安なのか、ずっと僕にくっついて。

 苦労や大変さはまったくなく、ナナとの時間は楽しさしかありませんでした

絆でつながっている人

 作中では、悟とナナの絆の強さが涙を誘う場面も。福士自身にも、昔から変わらない絆でつながっている人がいるんだとか。

「高校時代からの友人で、3人の小さいグループなんですが、今でもよく一緒に遊んだり、誕生日を祝ったり。

 彼らと一緒にいると、刺激をたくさんもらえるし、自然と素の自分になれるんです。カッコつけなくていい、自分が自分でいられる場所でもあるんです」

 ナナとの出会いが悟の人生に大きな変化をもたらしたように、自分にとってターニングポイントとなった出会いは、

「中学の担任の英語の先生です。自分の英語を“発音がいいね”と褒めてくれたんです。それがうれしくて、英語も好きになって、どんどん勉強するようになって。

 先生が言ってくれた何気ないひと言のおかげで、今の英語への興味を身につけられたんだと思っています」

福士蒼汰 撮影/廣瀬靖士

決断と後悔

 途中、ナナを手放さなくてはいけなくなった悟。福士自身も、手放してしまって後悔したものはある?

「“後悔”というものを今まで感じたことがなくて。

 例えば、ふたつの道があって、Bもよかったかもしれないけど、Aを選んだから今の自分があるんだ、というふうにいつも考えています。

 大きな決断をしなければいけないときも、怖くはありません。選んだ道が、間違っていないということを証明できるように、生きていけばいいと思うんです」

 ちなみに、今までいちばん大きかった“決断”は、

「この仕事に進むことを選んだことです。本当は大学に行きたかったんですが、試験の日にも仕事が入っていたり、物理的に勉強する時間がなくて。

 でも、この仕事を通してたくさんの素晴らしい人たちに出会えたので、後悔はまったくないんです

(協力/ZOO動物プロ)

『旅猫リポート』
全国公開中
ナナのInstagram(@nana_tabineko)も更新中!
(c)2018「旅猫リポート」製作委員会
(c)有川浩/講談社