中村倫也 撮影/廣瀬靖士

「カメレオン俳優でなくても、(KinKi Kidsの“関西坊や”をたとえに)“東京坊や”って呼ばれても別にいいんです(笑)。

 すごく客観的なことを言ってしまうと、中村倫也って宣伝するだけじゃ弱いから、メディアの方たちはカメレオン俳優とか何かひとつ“おかず”をつけたいんだろうなと。

 それがいつ取れるのか、実は楽しみにしているんですよ

 ときに“ゆるふわ男子”、ときにヤクザ役、そしてときには性別を越えてママ(!?)にも扮し、役で見せる豹変(ひょうへん)ぶりは、まさにカメレオンとその実力をとどろかせる俳優・中村倫也(31)。

 中村といえば、朝ドラ『半分、青い。』で演じた、まーくんこと朝井正人役が大反響! 世の女性たちをメロメロにしたが、

その現象は本当に起きたんでしょうか?(笑) 今も外に出るときは普通に出歩いていますが、まったく気づかれません!

 と冗談を言い、笑みを漏らす。

 そんな中村は現在、ドラマ『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』(日本テレビ系 毎週土曜 夜10時~)に出演中。捜査一課出身の元エリート刑事の皇子山隆俊役を演じている。

「警察と泥棒がタッグを組む、新感覚のドラマです。その中で皇子山がどういう存在であれば作品が面白くなるかなと、考えながら演じています。

 何よりもケンティー(主演の中島健人)がカワイイ! デザートのクレープを食べるような気持ちで、土曜の夕食後に、みなさまお楽しみください」

 その皇子山、プロフィールには“プライドの塊!”とあるが、中村自身はどうなのか聞いてみると、「誇りは持ってますが、プライドはありません」との答えが。

中村倫也にとっての誇りとは

中村倫也 撮影/廣瀬靖士

 役者デビューは2005年。ここまで上りつめるには相当な苦労があった。そこで得た“誇り”について語る。

「常に需要がないところから、なんとか頑張ろうとやってきた若手時代だったんです。今も年齢的には若いですけど(笑)。確実に“鼻は折られまくってきた”ので、そういう意味で無駄なものはないはずだと信じています

 やってきたこと、出会ってきたこと、評価して支えてくれた方もそうですし。そういうところで積み上げてきたものが、僕にとっての誇りかもしれません

 今後も“見てくれるお客さんに、楽しんでもらいたい”と役者としての思いを見せた中村。さまざまな役に扮し、いい意味で視聴者を裏切り続ける彼の活躍に、今後も期待……!

気になること聞いてみた!

――日常でも“演じてしまう”ことは?

「ない、ない!(笑) でもシェークスピアは“みんな生まれながら役を演じてる”って言ってますからね。

 ほら、女性だって電話出た瞬間、絶対に声が変わるじゃないですか(笑)。そういう意味では、みんな何かしら外に向けた1枚の皮みたいなものは持ってるんじゃないかなと思います

――いつも落ち着いているように見えるけど……?

「僕だって緊張しますよ! むしろしないことのほうが減ってきてるんじゃないかな。

 緊張もやる気もあまり表に出ないタイプで。昔は“やる気あんのか”って言われたり、そのせいで、たいへん苦労もしました(笑)」

――仕事のモチベーション、どう上げる?

「好きでやってることですから、あまり考えたことがありません。現場に行くと楽しいんです。セリフを覚えるときがいちばんつらいかも……。

 ひとりで家で“つまんないな~”って。でも、セリフが入らないと楽しい芝居ができないので、イヤでもセリフは入れて現場に行きます!

――演じている皇子山は極度の脚フェチ。ズバリ、何フェチ?

う~ん。全部! エロいもの、全部好き(笑)

 女性ってガールズトークの一環で、コミュニケーションツールとしてそういう話題が出てくると思うんですが、男ってそういう話を一切しないのでフェチとか考える機会があまりないんです。好きなマンガの話ならいくらでもできますよ!

ドラマ『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』
出演/中島健人(Sexy Zone)、遠藤憲一、​石橋杏奈、中村倫也、稲森いずみほか