“AIさん”の声を担当する安田顕 撮影/佐藤靖彦

 早朝の放送時間にもかかわらず、ジワジワと人気を呼んでいる子ども向け番組『じゃじゃじゃじゃ~ン!』をご存じだろうか? あの伝説の『ウゴウゴルーガ』を彷彿させる内容で、“え、それアリなの!?”という驚きのコーナーが満載。子どもたちばかりか、大人たちも魅了している。

 その番組に“AIさん”というキャラクターの声で出演しているのが、安田顕だ。

 安田といえば、朝ドラ『なつぞら』にも出演中で、ドラマや映画で圧倒的な存在感を見せつける演技派。その彼が子ども番組とは……というわけで、本人を直撃!

「待つ」ことを大事にしています

「子ども番組といえば“うたのおにいさん”とか思い浮かべるじゃないですか(笑)。でも、この番組ではこれからを担う放送作家さんやクリエイターの方たちが自由に、いろんな発想でモノを作っていって、面白いことをやっていきたいと。それで声をかけていただいたのですが、すごくうれしくて。“ぜひ参加させてください”と、迷いはなかったです」

 AIさんと、子役の2人が演じる“じゃじゃじゃ”“じゃ~ン”とのやりとりも絶妙だ。

「あの子たちの独特の発想は、われわれ大人にはないものなんですよね。台本以上のものを引き出す力が、彼らにはあって。それが出たときがたまらなく面白い! だからポンポンって切り返すのではなく、彼らが何をしゃべるのか、“待つ”ことを大事にしています」

 子どもと接するのは、得意? と聞いてみると、 

「実は、そうでもないんです(笑)」

 と苦笑い。しかし、うれしそうに次のエピソードを明かしてくれた。

「じゃ〜ンちゃんが学校でトマトを栽培していると言っていたので、“トマトができたらAIさんに持ってきてね”ってずいぶん前に話してたんです。そしたら“AIさんへ、トマトができました。食べてください”って、今日持ってきてくれて。さっき食べたんですが……とてもおいしかったです」

 と、しみじみ。

家族からの応援エピソード

 そんな安田は、プライベートでは1児の父親でもある。

この日は、安田が実写出演する『巨大〇〇あらわる』シリーズの撮影が行われた。じゃじゃじゃくん(大野琉功)とじゃ~ンちゃん(竹野谷咲)も一緒 撮影/佐藤靖彦

 家では、どんなお父さん?

「褒められたお父さんじゃないです。自分が好きな仕事をさせていただいている中で、やっぱりいろいろと支えてもらったり、無理させたりしている部分もありますから。家族よりも優先して仕事をしてしまっている部分もありますし、たぶん、ベスト・ファーザー賞はとれないと思います(笑)」

 応援してくれる家族には、感謝しかないという。

「以前、ある街の駅前に僕の(CMの)写真が大きく貼られていて、それをわざわざ妻と娘が撮りに行って、僕の携帯に送ってくれたんです。ありがたいですね。この番組もいつも録画して見てくれているようです」 

 いつも違う“表情”を見せては視聴者を飽きさせない安田。『じゃじゃじゃじゃ~ン!』でも新たな魅力を発揮しており、今後にも期待!

この番組を支持してもらうためにも、何かしら面白いことができればいいと思っています。面白かったらなんでもやるので! この前は『うんこスクワットたいそう』という曲も歌いましたから(笑)。みなさんの期待にも、応えていきたいと思いますので、ぜひ、リアクションをお願いいたします」

影響を受けたのは……

「最近、娘に影響を受けることがあるんです。娘が今敏(こん・さとし)さんという方のアニメーションを見ていて、『妄想代理人』とか『パプリカ』を“面白いよ!”ってすすめてくれたんです。その作品がとにかく素晴らしくて。すっかりお気に入りになってしまいました」

成長にビックリ!

「番組がスタートして1年たたないですが、じゃじゃじゃくんとじゃ〜ンちゃんは、背が伸びて、服のサイズが合わなくなってきているんです。2人はとてもいいバランス。“月と太陽、どっちが好き?”って聞いたら、真逆の回答が(笑)。それぞれ“得手不得手”なるものがあって、どちらかが得意なものは、どちらかが不得意なんです。それが面白さの秘訣なのかなと思います

大のお酒好き。
欠かせない“居場所”

「なじみの居酒屋ですね。仕事の集まりとは違って、カウンターだとみんな好きで飲みに来ているわけですから、立場も関係ない。公務員の方もいれば、お偉いさんもいて、みんな楽しく飲んでる。でも、平気な顔をしているけど、実は病気を持っていたりして、この人もいろいろあるんだなぁと。お酒を飲みながら、いろんな人の話を聞くのが、僕は好きですね」


『じゃじゃじゃじゃ~ン!』 フジテレビ系 毎週土曜日4:52~5:22

 

安田は左のキャラクター“AIさん”の声として出演中。昨年10月に番組がスタートしてから約半年間は、安田の名前は明かされずしばらく“謎の男”として出演していた。ネットではさまざまな憶測が飛び交ったが、それも“面白い形”にするためにスタッフが考え出したアイデアだったとか