事件現場となった東京都新宿区の高層マンション

「1週間ほど前、警察官たちが頻繁にうちのマンションに出入りする姿を見かけたけど、ここでそんな事件が起きていたんですか!」

 容疑者と同じ都心のマンションの住民は驚いた様子でそう答えた−−。

 警視庁新宿署は4日、東京都新宿区に住む風俗店従業員・赤井環(たまき)容疑者(25)を昏睡強盗と窃盗の疑いで逮捕した。今年3月5日の夜、容疑者は自宅マンションで40代女性に「これを飲めば死ねるよ」と、向精神病薬剤50錠を服用させた。女性が昏睡状態になっている間に、財布から現金約1万5000円とキャッシュカードを窃取。同日深夜に近くのコンビニで、17万5000円を引き出して盗んだというもの。

「被害にあった40代女性が赤井容疑者のSNSアカウントに自殺願望を示すメッセージを送ったところ、容疑者は“一緒に死のうよ”と返信して、自宅マンションに招き入れた。さらには薬を飲ませる前に“書いておいたほうが便利”とそそのかして、遺書に金融機関の暗証番号を書かせていた」(全国紙社会部記者、以下同)

 それだけではない。

被害女性の両親にも200万円要求

「事件翌日の未明、被害女性宅に電話して、“娘さんが暴れて、うちの家具が壊れた。弁償しろ”などとして、両親にも約200万円を要求していた。

 数日後に被害女性が意識を取り戻して、預金口座から現金がなくなっていたことなどから、警察に相談して事件が発覚。また赤井容疑者は、この事件以前にも覚醒剤取締法違反などで逮捕・起訴されています」

 赤井容疑者は警察の取り調べに対して、容疑を否認しているという。

人の弱い心に漬け込む悪質極まりない犯罪をした赤井容疑者とは、一体いかなる人物なのか? 自宅は新宿副都心部にある20階越えの高層マンションで、間取りは1LDK、家賃およそ月19万円。容疑者の知人はこう話す。

 「彼女(容疑者)がこのマンションに住み出したのは3年ほど前からで、コンサル企業で働いていると言っていました。入居審査の厳しい高級マンションですからね、高給取りだったと思います。両親もともに名の知れた会社に勤めていて、“いいとこのお嬢さん”ですよ」

 住み始めて1年ほど経つと、容疑者は警察沙汰のトラブルを頻繁に起こすようになっていく。

少なくとも5回の警察沙汰

「少なくとも5回は、警察のお世話になっていたよ。間違って他人の部屋に入ろうとしたり、道路をフラフラ歩いていて補導されたり……。“アル中”なのかなと思っていた。

 あるときは“今から自殺する”と自ら110番通報したみたいよ。駆けつけた警察と救急隊員が部屋から容疑者を担架で運び出したこともあったとか。生活安全課の女性警察官は“パトカーをタクシーだと思っているんだから”などとボヤいていたそうです。今思うと、覚醒剤の影響だったのかもしれない」(近隣住民)

 容疑者がコンサル企業の社員から風俗嬢になったきっかけについては、

「最初はサイドビジネスのつもりでキャバクラや風俗店で働いていたんだと思います。そのうち、薬に手を出すようになって通常の社会生活ができなくなり、風俗嬢が本業になっていっていったのかも」(前出・知人)

 容疑者の両親に話を聞くため、神奈川県にある実家を訪ねるも、5年以上前に転居していて、その後の行方を知ることはできなかった。とある名門私立の中高一貫校を卒業したとされる赤井容疑者。“いいとこのお嬢さん”がなぜ闇に転落したのか。理由はどうあれ、自殺志願者を食いものにした卑劣な悪事は許されるものではない。

 

 

赤井容疑者と思われる人物の顔写真(SNSより)

 

 

事件現場となった東京都新宿区の高層マンション