タモリ

≪ネットで拾った、昭和50年・赤塚不二夫と出会ったころのタモリ。眼帯を顔に描いてあて、右眉毛はたぶん剃っている。……全体から陰気オーラが漂っており、言われないとタモリとはわからない。人間、やはり売れる前と後では顔が変わるねえ。≫

 去る9月1日、平成の人気バラエティ『トリビアの泉~素晴らしきムダ知識~』(フジテレビ系)の監修を務めたことでも知られる、コラムニストの唐沢俊一氏が、自身のX(旧Twitter)に上記の文章とともに、若かりし頃の“タモリ”の写真を投稿。SNSで大拡散されたのち、意外な真実が明らかとなり、唐沢氏が謝罪するに至ったという。

話題の写真は「タモさんではありません」

 唐沢氏がXにアップした写真は、漫画家・赤塚不二夫氏(2008年死去)と女性、そして左目に黒い眼帯をした“タモリ”のスリーショット。

「タモリさんといえばサングラスですが、かつては黒い眼帯をつけていました。写真をよく見ると、この眼帯は直接顔に描かれていることがわかります。唐沢氏はこの“タモリ”さんを≪全体から陰気オーラが漂って≫と表現していましたが、Xユーザーはむしろ、“かっこいい”と大盛り上がり。

≪ちょっと怪しい雰囲気漂わせててかっこいい≫
≪若い頃のタモリさん、星野源みと田中圭みがあってかっこいい…≫
≪強面っぽいがなかなかのイケメンのように見える…≫

 といった声が多数飛び交っていました。唐沢氏に≪どこが陰気?≫≪精悍とは思えても陰気だと思わないですね≫と疑問を呈する人も現れ、一時X上で大きな話題を呼んだんです」(芸能ライター)

 しかし、その後、事態は急展開を見せる。一部Xユーザーから、この人物はタモリではないという指摘が続出する事態となったのだ。

「実はこの写真に映っている女性は、女優で歌手の児島美ゆきさん。彼女は過去に、一般のXユーザーからの質問に答える形で、このスリーショットについてコメントを寄せていたんです。それによると、唐沢氏がタモリさんとしていた人物は、≪タモさんではありません。お名前は忘れましたが、、何度かお目にかかっています。不二夫ちゃんの集まりで≫とのこと……つまり唐沢氏は、タモリさんではない人物の写真をタモリさんだとして投稿するという、とんだ赤っ恥を欠いたわけです。

 実際、当時のタモリさんの写真と見比べると、明らかに別人だとわかるだけに、なぜ唐沢氏がこんなケアレスミスをしてしまったのか、不思議でなりません。結局、唐沢氏は≪間違いのあったtweetを削除しました。確認を怠ってtweetしてしまい、お騒がせいたしました。お詫び申し上げます。≫と謝罪しました」(前・同)

 また唐沢氏は、この投稿をめぐって、さらなる赤っ恥を欠いていたという。

 唐沢氏は、一般のXユーザーから≪売れてるか売れてないかで顔つきの陰陽をとやかく言われるのもな。駆け出しの人間は皆んな自分を悲観してるとでも? そもそもタモさんはこの時売れようと思っても売れなくて苦しんでたんですか?≫と質問され、≪はい、30になっても売れず、九州に帰ることを考えていたときに赤塚氏が彼の芸にハマって自分の出演するテレビに出したことでブレイクしました。……タモリのエピソードとして常識ですが?≫と返答。

 さらに、≪まあ、無知な人とは会話しても益がないのでミュートしますね。悪しからず。≫とこのXユーザーを“話す価値ナシ”とバッサリ斬って捨てたのだが、「唐沢氏のこの情報も間違っていた」(ウェブメディア編集者)ようだ。

≪無知な人とは会話しても益がない≫

「そもそもタモリさんが上京したのは、ジャズ・ピアニストの山下洋輔氏との出会いがきっかけでした。1972年、ジャズミュージシャン・渡辺貞夫氏の福岡コンサートに同行していた山下洋輔トリオが、ホテルで大騒ぎをしていたところ、突如、乱入してきたのがタモリさんだった。

 山下氏らはそこで披露されたタモリさんの即興芸に大爆笑。東京に戻り、行きつけの新宿のバーでその面白さを周囲に言いふらすうちに、タモリさんを上京させようという話が持ち上がり、それが実現して赤塚氏に出会った……というのが実際のところ。別にタモリは売れようと思って自ら上京したわけではないですし、≪30になっても売れず、九州に帰ることを考えていた≫というのは明らかな間違いです」(前・同)

『~笑っていいとも!』でタモリは「生放送バラエティー番組 単独司会最多記録」としてギネス認定された

 このタモリの上京エピソードは、山下氏がこれまでいろんなところで話しているだけに、当然、唐沢氏にはツッコミが殺到。当該ツイートもすでに削除されている。

「タモリさんの間違ったエピソードを発信しただけではなく、それを≪常識≫と言ってしまったとあって、唐沢氏はかなり恥ずかしい思いをしたのでは。一般のXユーザーに対し、≪無知な人とは会話しても益がない≫とも言っていましたが、特大ブーメランとなってしまったようですね」(前・同)

 タモリ本人、そしてタモリに間違われた人物はこの“珍事”を知っているのだろうか――。

 
コラムニストの唐沢俊一氏がSNSに投稿した赤塚不二夫さんと児島美ゆき。唐沢氏がタモリと間違えたのは左の男性

 

 

30歳ごろのタモリ。サングラスを外して眼が見える貴重ショット('77年)

 

ステージでトランペットを吹きながらタモリが歌う貴重ショット('81年)

 

タモリ('82年)