ジャニー喜多川さん

 NHKが9月27日、『第74回NHK紅白歌合戦』を例年通り12月31日に、東京・渋谷区のNHKホールで開催することを正式発表した。NHKの稲葉延雄会長は同日の定例記者会見で、創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所について、≪(被害者に対する)補償や再発防止策が着実に実施されるのを確認するまでは、所属タレントの新規の出演契約は行わない≫と言及し、現時点で、ジャニーズタレントの『紅白』出演は“ゼロ”という可能性が浮上。

 マスコミ関係者からは、「かつての『紅白』は、NHKとジャニーズの蜜月ぶりが顕著な番組だっただけに、衝撃が大きい」(芸能記者)という声が聞こえている。

白組の3分の1がジャニーズだった

 今年3月、英国公共放送・BBCの番組が、ジャニー氏の性加害疑惑に迫るドキュメント番組『Predator: The Secret Scandal of J-Pop(J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)』を放送以降、元ジャニーズJr.の性被害告発が相次ぎ、国内外でこの問題が大きく取り沙汰されるように。

 事態を重く見たジャニーズ事務所は、5月14日に藤島ジュリー景子社長(当時)が、謝罪動画と「各方面から頂戴したご質問への回答」と題したQ&Aの文書を公開。しかし、騒ぎは収まらず、9月7日には、記者会見を行い、同5日にジュリー氏が代表取締役社長を引責辞任、東山紀之が新社長に就任したことを発表した。

「しかし、ジャニー氏の名前を冠した社名は継続、またジュリー氏が100%株主であり続け、さらには代表取締役に留任するという点に、世間からは批判が噴出。会見直後から、ジャニーズタレントを起用するCMのスポンサー企業が、相次いで契約見直しを発表する事態となりました。これを受けジャニーズサイドは、同19日、公式サイト上で取締役会を開いたことを報告。ジュリー氏が保有する株式の取り扱い、社名変更、被害補償の具体的方策などを話し合ったそうです。今後の会社運営の方針に関しては、10月2日に公表するとしています」(前・同)

 そんな中、ジャニーズタレントの新規の番組起用を9月27日から停止したことを明かしたNHK。それが解除されない限り、ジャニーズタレントは今年の『紅白』に出演しないということになる。

「ここ10年ほどの『紅白』には、毎回ジャニーズのグループが5~7組は出場。例えば2020年は、嵐、関ジャニ∞、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、King&Prince、SixTONES、Snow Manの計7組の出場が発表されました。メンバーが新型コロナウイルスに感染したSnow Manは出場を辞退したものの、それがなければ、実に『白組の3分の1がジャニーズ』という状態になっていたんです。さすがに一事務所が白組出場枠の3分の1を占めるのは異常事態。NHKとジャニーズが癒着関係にあるのは明らかでした」(前・同)

 それを最も顕著に示したのが、2009年の『紅白』だったという。同年、ジャニーズからはSMAP、TOKIO、嵐、そしてNYC boysが出場。これは、中山優馬、山田涼介(Hey!Say!HUMP)、知念侑李(同)、当時「B.I.Shadow」として活動していたジャニーズJr.の中島健人(現Sexy Zone)、菊池風磨(同)、松村北斗(現SixTONES)、高地優吾(同)からなる期間限定ユニット。

『女子バレーボール ワールドグランプリ 2009』のスペシャルサポーターを務めるためにCDデビューを果たしたが、「ジャニーズファン以外の視聴者は皆、『NYC boysって誰?』という状態」(ウェブメディア編集者)だった。

紅白は“やりたい放題やれる番組”?

「一般的な知名度はほぼないNYC boysが『紅白』に出場できたのは、ジャニー氏の“オキニ”だったからでしょう。当時ジャニー氏は、中山さんを猛プッシュしており、2008年には、ドラマに出たことのない彼を、いきなりNHK連続ドラマ『バッテリー』の主演に大抜てき。その後も次々とドラマに主演させるようになったんです。

 NYC boysも中山さんを中心としたユニットでしたし、当時ジャニー氏が彼の売り出しに熱心だったことは、ジャニーズファンであれば誰もが知るところ。『紅白』出場に関しても、ファンは『ジャニー氏がねじ込んだ』と受け止めていました。

 ちなみに2009年の『紅白』は、ブレーク中だった嵐が初出場した年でもあります。そのため、ジャニー氏が『嵐を出すなら、NYC boysも』と交渉をしたのではないか……といったうわさもささやかれていましたね。国民的番組の『紅白』さえも、ジャニー氏にとっては“やりたい放題やれる番組”だったといえるかもしれません」(前・同)

 NYC boysは翌年、中山、山田、知念の3人によるユニットNYCとして正式にデビュー。10~12年の『紅白』にも出場を果たした。

タバコを燻らせる中山優馬('14年)

「また、2009年の『紅白』では、『こども紅白歌合戦』という企画が放送されました。加藤清史郎さん、さくらまやさん、大橋のぞみさんのほか、ジャニー氏が当時、熱心に推していた森本慎太郎さん(現SixTONES)を中心としたJr.ユニット『スノープリンス合唱団』も登場。

 スノープリンス合唱団は同年12月に『スノープリンス』でCDデビュー、森本さんは同月公開の映画『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』で、映画初出演にして初主演に抜てきされていましたし、『紅白』への出演もまた、ジャニー氏の強い意向をNHK側が汲んだ結果だったのではないでしょうか」(前・同)

紅白とジャニーズの蜜月ぶりが今年発覚する

 1990年代から2008年まで、『紅白』に出場するジャニーズグループは1~3組だったが、2009~2011年は4組、それ以降は5~7組に。また、司会者に関しても、2006~2019年の14年間、毎年ジャニーズタレントが起用されてきた(2006~2009年は当時SMAPのメンバーだった中居正広、2010~2014年は嵐、2015年は当時V6のメンバーだった井ノ原快彦、2016年は嵐・相葉雅紀、2017年は嵐・二宮和也、2018~2019年は嵐・櫻井翔)。

 さらに2014年にはデビュー20周年を迎えたV6が、2016年にはデビュー20年目に突入したKinKi Kidsが、それぞれ初めて『紅白』に出るなど、「アニバーサリーイヤーのグループが初出場する」という流れも生まれた。

 加えて、ジャニー氏が亡くなった2019年の『紅白』では、翌年1月にデビューを控えたSnow ManとSixTONESを中心に、ジャニーズJr.がスペシャルパフォーマンスを披露するなど、「『紅白』におけるジャニーズの存在感は年を追うごとに増していった印象」(前・同)だという。

「そんな『紅白』だけに、もし今年ジャニーズからの出場がゼロとなると、視聴者も困惑してしまいそうですね。とはいえ、これを機に、NHKとジャニーズの蜜月ぶりをあらためて実感する人は多いのではないでしょうか」(前・同)

 例年は10月以降、マスコミ各社から『紅白』出場者に関する報道が相次ぐが、今年はジャニーズ勢の出場可否に注目が集まりそうだ。

 

 

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