'21年11月の渡米から丸2年。NY生活を謳歌する眞子さんは、まだ一度も帰国していない(写真/共同通信社)

 来たる11月30日、58歳をお迎えになる秋篠宮さま。誕生日に際して事前に臨む記者会見では、新聞社やテレビ局が所属する宮内記者会から、全5問の質問が提出される。

来たる11月30日の質問は

年に1度の誕生日会見で全5問の質問に回答される秋篠宮さま(写真は'22年)

「“ご家族の近況”や“1年の振り返り”といった定番の質問に加え、例年、記者からは“耳の痛い質問”も提出されます。例えば'21年は、小室圭さんと結婚、渡米したばかりの長女、眞子さんに関する質問が3問も含まれていました」(皇室担当記者、以下同)

 圭さんと久しぶりに会った感想を問われた秋篠宮さまが「印象に残ることというのは、特に私にはありませんでした」と淡泊に回答されたことも話題となった。

「'22年は皇室の情報発信に関する話が多かった。記者からアドリブで投げかけられた追加質問も、“皇族がSNSを開設する可能性”や“誤った報道に反論する基準作り”についてでした」

 秋篠宮さまは、かねて皇室の情報発信をリードしてこられた存在ともいわれている。

「'99年に宮内庁のホームページが開設された背景には、“皇室の情報を国民に向けて発信すべき”という、当時の秋篠宮さまのご意向がありました。時代の変化に伴い、より積極的に情報を発信する必要があるともお考えです。今年4月に宮内庁に新設された広報室も“殿下が火付け役”といった見方をされています」(宮内庁OB、以下同)

 広報室の発足後、宮内庁のホームページには“最近のご活動等”というコーナーが設けられるようになった。

「皇室の方々のご動向が写真とともに掲載されています。ただ、そもそも宮内庁のホームページへアクセスする国民はどれほどいるのでしょうか……。皇室の方々や宮内庁がSNSを始めるという話は現状上がっていないどころか、結局“やらない”方向に舵が切られつつあります」

 世界の王室事情に詳しい関東学院大学の君塚直隆教授は、冷ややかな見方を示す。

「広報室が発足して半年以上が経過しましたが、具体的な施策と、どんな成果があったのかが、まったくわかりません。設立の意図すら明確になっておらず、国民の無関心は加速する一方です。

 広報とは文字どおり“広く報せること”で、現在のホームページだけで十分とはいえません。SNSを運用しないのであれば、その理由をきちんと説明すべきです」

すべて明るみに出たときのほうが怖い

イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃は'21年にYouTubeチャンネルを開設した

 海外では、SNSアカウントを持つ王室は珍しくない。

「どの王室も、若い世代の関心が薄くなっていることが課題で、さまざまな対策を講じています。例えば、イギリス王室のウィリアム王子とキャサリン妃は公式YouTubeチャンネルを開設。親近感を抱く若者も増えているようです。日本の皇室は、国際親善を通して海外王室との交友関係を築いてきたのですから、SNSやYouTubeを活用するノウハウを聞くこともできると思うのですが……」(君塚教授、以下同)

 スキャンダルに対する姿勢も、海外王室から学ぶ部分が大きいという。

「日本の皇室、宮内庁は、不都合な事実を隠したり、報道を抑えつけたりする傾向がありますが、むしろすべて明るみに出たときのほうが怖いと気づくべきです。世界の王室にもスキャンダルはありますが、その内容を隠すことなく赤裸々に発信しています。国民が必ずしも理解を示すとは限りませんが、そうした誠実な姿勢が国民との距離を縮めているのです」

 秋篠宮さまは、昨年の誕生日会見で眞子さんのことを問われた際、「本人が近況などについて、自分のことについては、話をするのは控えてほしいということを申しているようですので、私もここではお話を控えることにします」と述べられた。

「口止めされていることを理由に言及されないのは、まさしく日本の皇室らしいスタンスといえます」(皇室ジャーナリスト)

 こうした中、今年の誕生日会見には“変化”がもたらされたという。

「宮内記者会からは、すでに全5問の質問が宮内庁サイドに提出されましたが、その中に小室さん夫妻に関する質問はありませんでした。記者たちは“結局お話しにならないのなら、質問に入れる意味がない”と判断したそうです。秋篠宮ご夫妻は、眞子さんと日頃から連絡を取られているわけではありませんからね……」(宮内庁関係者)

 ニューヨーク生活3年目に突入した小室さん夫妻。現在は、マンハッタンのヘルズキッチン地区にあるマンションで暮らしている。

「その部屋が最近、“貸しに出された”と一部メディアが報じました。11月21日から“入居可能”となっており、近々引っ越すだろうと少々騒がれている状況です」(前出・皇室ジャーナリスト)

小室夫妻が暮らす部屋ではない可能性

弁護士として家庭を支える小室圭さん。転居の噂が絶えない

 ただ、週刊女性の取材によれば、該当物件は夫妻が暮らす部屋ではない可能性も……。

「彼らの住むマンションは、北棟と南棟に分かれていて、道路を挟んだはす向かいに位置しています。夫妻が暮らしているのは北棟ですが、11月21日から入居可能になっているのは南棟の部屋。物件の部屋番号こそ同じですが、現段階で“退去する”と断定するのは性急なように思います」(現地の不動産関係者)

 引っ越し先として一部で取り沙汰されているのは、ニューヨーク郊外の“白亜の豪邸”。しかし、『週刊文春』の取材にオーナーが完全否定するなど謎は深まるばかりだ。

「そうした暮らしぶりすらも秋篠宮ご夫妻の耳には届いていないようです。一方で、ご夫妻は“眞子さんの近況をいっさい知らないことを周囲に悟られたくない”とのご心境だといいます」(前出・宮内庁関係者、以下同)

 こうした状況から、皇室関係者の間では、秋篠宮ご夫妻の前で眞子さんの話をしづらい雰囲気ができあがりつつあるそうだ。

「今年9月に公開された紀子さまの誕生日文書は、《眞子の幸せを願っております》という一文で結ばれました。昨年は《二人の幸せ》という表現だったため、あえて“圭さんの存在を消した”とも受け取れました。

 今回の秋篠宮さまの誕生日会見で、小室さん夫妻の話題に触れられないのであれば、いよいよ眞子さんの名前すらも“NGワード”になったといっても過言ではありません

 眞子さんの話を避けられるのは、父としての優しさなのか、それとも─。

君塚直隆 関東学院大学国際文化学部教授。イギリス政治外交史などを専門とし、著書は『立憲君主制の現在─日本人は「象徴天皇」を維持できるか─』ほか多数