《FA宣言が持つ、選手の権利として定められた制度という理解を超え、これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました。》
埼玉西武ライオンズ公式HPにて、フリーエージェント(FA)権行使が伝えられた山川穂高選手(32、以下敬称略)が、同サイトで冒頭コメントを掲載したのが11月14日。あれから3週間が経過するも動きはなくーー。
西武・渡辺久信GMが山川について「全然あるよ。宣言残留は」との見解を示した12月5日、同日にはチーム内の選手背番号の変更が行われるも「3」は残したまま。山川の“出戻り”を迎え入れる用意は万全といったところ。
片や、山川とはかねてより相思相愛と目されていた福岡ソフトバンクホークスだが、FA交渉解禁後に早々に動き出すと思いきや、後藤芳光球団社長が調査を明言して以降はまったく音沙汰なしの状態。
しかも同球団の背番号「3」は北海道日本ハムファイターズからFA移籍した近藤健介(33)がすでに背負い、候補とされた「33」も、ファーストも守れる新人・広瀬隆太(22、慶應大)にあてがわれた。山川が入り込む隙はなさそうにも見える。
さらに12月7日には『デイリー新潮』が、【ソフトバンク、“大型補強”に失敗か】との見出しで山川獲得も“不透明”と報じている。やはり不祥事に対するイメージの悪さを懸念していて、在京スポーツ紙記者の話として【獲得を見送る決断を下しても、なんら不思議ではない】と及び腰になっているという。
そんな去就が決まらない、当の山川も不安になっているであろう状況下で、ソフトバンク入りを「確実」と断言したのが業界大手『日刊スポーツ』。12月3日に配信した『【ソフトバンク】リチャード7年目の覚醒へ和田毅自主トレ入門「自分を変えないと」背水の覚悟』記事内でのことだ。
山川はFA宣言し、ホークス入りが確実
2017年に育成ドラフト2位でソフトバンクに入団したリチャード(24)の、7年目の躍進に期待する特集記事なのだが、その中でともに沖縄県でシーズン前の自主トレに励んだ同郷・山川に話が及び、
【ただ、山川は西武からFA宣言し、ホークス入りが確実。「独り立ち」のため、あえて厳しい環境に身を置くことで、さらなる成長につなげたいという思いがある。】
今回は山川とは別に、渡米してトレーニングを重ねるというリチャードの近況が伝えられたのだが、注目すべきはサラリと書かれた【ホークス入りが確実】の箇所。この「確実=間違いない」記事に悔しさを滲ませるのは、別のスポーツ紙・野球担当記者。
「“ホークス入りが確実視されている”ではなく、“ホークス入りが確実”と言い切っていますからね(苦笑)。悔しいことですが日刊スポーツさんのホークス担当記者が、独自の情報網から掴んでいる既成事実ということでしょう。
本当に山川とはすでに話がついていて、にもかかわらず名乗り出ない現状だとしたら、球団は世論を顧みつつ“悩みに悩んだ末に”とギリギリでの獲得に動くのでは? 早々に獲得表明していたら批判されるのは容易に想像できますから」
スポーツ新聞のスクープ記事に一番ヤキモキさせられているのは両チームのファンか。