ギャンブルと伝統の両方を重んじる徳光和夫

 もうすぐお正月。もらう側も渡す側も気になるのがお年玉だ。「相場はいくら?」「もらえるのは何歳まで?」といった普遍的な話題から、「今どき現金なんて古い。電子マネーならどこにいてもやりとりできる」などという、“ひろゆき的”な意見も聞こえている。

「小学生なら3000円前後、中学生なら5000円。高校生なら5000円から1万円くらいでしょうか。大学生になると、『祖父母はくれるけど親はくれなくなる』なんて聞きますね。ただ、現金を使う場所が減ってきているせいか、『アマギフ(アマゾンギフトカード)で欲しい』と言っている子もいました」(東京都内の40代学習塾職員)

徳さんが「競馬で大負け」

 そんな、「お年玉」といえばこの人。「いい大人になっても父親からお年玉をもらっているダメな2世」として世間に認知されている、司会者・徳光和夫さん(82)の次男であるタレントの徳光正行さん(52)に話を振ると、こんな衝撃の事実が!

「実はここ2年ほど、お年玉をもらってないんですよ」

 ダメ2世がついに自立!?

「父が、年末の競馬で大負けしてしまったんですね。しかも2年続けて。昔からバリバリの現金派なので、今でも現金で馬券を買うんです。負けが続いて、お年玉として渡す用に用意しておいた新札の現金も使い込んでしまったと。子どもや孫にお年玉を渡すことより、賭け事のほうが大事な人間なんですよね」

お年玉は“親心”の賜物

 ダメなのは父親だったのか……。正行さんが続ける。

「とはいえ父は昔から、盆暮れの付け届けを忘れなかったり、世話をしてくれた人に必ずチップを渡すなど、“しきたり”を重視する人間。お年玉にしても毎年、ぽち袋と一筆箋を(書画用品の老舗店である)銀座の鳩居堂へ出向いて買う。母に銀行で新札を用意してもらい、それぞれに一筆を添えたものを用意しているんです。それを、正月に集まった際に一人ひとりに手渡しをする、というのが徳光家のしきたりでした。

 でも、最後には自分の欲望のほうが勝ってしまうんですよね……。子どものころ、競馬に行きたいという父に、他の人からもらったお年玉を取られたこともありました」

お正月の風物詩である「お年玉」 ※写真はイメージです

 父のダメさも認めつつ、文化やしきたりを大切にしたい姿勢は尊敬するという。

「クレジットや電子マネーが当たり前になった今、現金をわざわざ袋に入れて渡すというお年玉は確かにかなり前時代的なものでしょう。ただ、お正月に門松を立てて祝ったり初詣に行くのと同じように、伝統やしきたりとして残ってほしい。徳光家のお年玉も、父の“親心”の賜物であって、私は“お年玉をいただく”という文化を継承しているだけなんですけどね(笑)

 正行さんはこうも続ける。

「母の認知症が進行していて、様子をみるため月に何度か実家を訪れるのですが、そのたびに私の好物を作ってくれたりと、むしろ私の世話を焼こうとしてくれるんですよね。父が大切にしているしきたりと同じように、これからは私から母にお年玉を渡してみようかなと」

 何はともあれ、人を喜ばせるアイテムとして「お年玉」は残ってほしいもの!