『マリーミー』代表の植草美幸さん

《下手なドラマを見るより面白い》

《婚活、残酷すぎる……》

 2月4日に放送された『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)の内容が波紋を呼んでいる。

生々しい婚活模様が話題

「この日は『結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2024〜前編』が放送。東京の結婚相談所『マリーミー』で、人生のパートナーを探す男女の人間模様が映されましたが、出演者のキャラクターがいずれも濃くて話題になったんです」(スポーツ紙記者、以下同)

 番組では、交際経験ゼロの29歳男性・進藤さん(仮名)や、筋トレや全身脱毛などで自分磨きを続けるバツイチで55歳の男性・内田さんがクローズアップされた。

「進藤さんが34歳の女性・北川さん(仮名)とお見合いをしたのですが、母親と同居している進藤さんに対して女性がダメ出ししてギスギスした空気に。進藤さんも仕事の傍らプログラミングの勉強中と語る北川さんに対して、近年の人工知能の発達を引き合いに出し、“逆に珍しい”と発言。自身の勉強が“時代遅れ”と指摘されたと受け取った北川さんは激怒して、お見合いブースから出ていく様子が放送されました」

 一方の内田さんも、子を持つ女性とお見合い。手応えを感じて意気揚々としていたが、翌日にはお断りの連絡が。

「理由は、お見合い中に旅行の話題が出た際、内田さんが“旅館が満席なら、夫婦はラブホテルに泊まればいい”といったデリカシーに欠ける発言だったことが判明。この一連の流れに、ネットでも《初対面の人にラブホはアウト》など、ツッコミの書き込みが多数あがりました」

 生々しい婚活模様が流された結果、X(旧Twitter)では“結婚相談所”がトレンド入り。

 お見合いをセッティングした『マリーミー』代表の植草美幸さんに放送後の反響などを聞いてみた。

「今回の放送にあたって、取材期間は約8か月。その間にそれぞれの婚活者は思い悩み、乗り越えて来たことが多くありました。今回特に進藤さんと北川さんのやりとりがネットで話題になったそうですが、どの方も婚活に真剣だからこそです。決して悪い方ではないので、ぜひ皆様にも応援していただきたいです」

 お見合いの場で、口論などのトラブルになることは、よくあることなのか。

「弊社では行っていませんが、お見合い写真を別人並みに加工しすぎて、顔合わせの時に“全然写真と違う”と揉めたりするとは、よく聞きます」

後編のサムネイル。進藤さんのその後が描かれるようだ

『マリーミー』が『ザ・ノンフィクション』の密着取材を受けたのは今回で2度目。前回の'22年の放送回では、恋愛経験が少ないものの、男性への要求が多い女性・ミナミさん(仮名・当時31歳)が話題を集めた。

大バズりした“ミナミ”の今

「前回の放送後、弊社にカウンセリングの依頼やセミナー資料を送ってほしいなど、たくさんの問い合わせがありました。ミナミさんは最終的に成婚して退会。その際に個人情報などは破棄していますので、現在連絡は取っていません。健やかにすごされていると願っています」

 植草氏が『マリーミー』を立ち上げたのは'09年のこと。今日まで結婚を求める様々な人を見届けてきた。

「特殊な例ですが、過去には“某女子アナウンサーと結婚したい”と言ってうちに面談に来た男性がいました。その方はアタッシュケースいっぱいに大金を詰めて“これだけあれば結婚できるよね”と話していたことを覚えています。

 女性ですと、長らく男性アイドルの“おっかけ”をしていた方の相談を受けたのですが“腕毛や髭が濃くて気持ち悪い”と、お会いした男性をアイドルと比較してしまい、うまくいかない方もいました」

 どんな顧客が来ても、植草氏はひとりひとり向き合い結婚が成就するよう心がけているという。

「もともと私は、人材派遣会社を経営していました。人材の派遣というのはどこかの会社に採用されて初めて仕事として成立するので、同じように結婚相談所でも、設立当初から結果を出すことにこだわってきました」

 成婚率に力を入れている『マリーミー』の登録希望者は創業以来、右肩上がりだという。

「婚活という市場は日々変化しています。例えば大きな変化でいえば、リーマンショック以前は相談所を利用する方は男性が多かったのですが、それ以後は女性の利用者が増えています。

 最近ですと、コロナ禍でリモートワークが増えたためか、人とコミュニケーションを取るのが苦手な人や、運動不足で太ってしまった方などが増えたような気がします。しかし、いつどんな時代でも結婚を成就させるためには、非現実的な夢ばかりを見るのではなく、自身の婚活市場価値を知って努力することが大切だと思います」

 植草氏にとって結婚は“今より幸せになるための手段”だと語る。

「誰かと支え合い、向き合い、理解し合う。そんないちばん小さな組織が夫婦です。そこでご縁があれば、子どもが生まれて家族が増えます。悲しみはわかちあって半分になりますし、楽しいことや嬉しいことは2倍ではなくて2乗になる。それが結婚だと思います」

 2月11日には後編が放送される。果たして彼らの婚活は成就するのか――。