汚れが目立たなく、手入れがしやすいというのも、黒色の喪服が定番化していった理由のひとつ ※写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!どうして、喪服の色は「黒」なの?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.どうして、喪服の色は「黒」なの?

A.実は日本の喪服は白色が主流でしたが、明治時代に欧米化が進んだ影響で黒色に。(東北福祉大学学長 宝林寺住職 千葉公慈さん)

 最近、韓国で黒色のウエディングドレスがブームに。「あなた以外に染まらない」という意味が込められていて、日本でも「黒色」を選ぶ人が増えているそう。ただ、黒色は喪服を連想するという声も。

 ここでふと疑問が。そもそも喪服はなぜ「黒色」なのか。日本文化に詳しい、東北福祉大学学長で現役の住職でもある千葉公慈さんに聞いた。

実は喪服は黒というのが定着したのは明治以降のことで、日本の長い歴史を見ると喪服は白い色の時代が長かったんです」(千葉さん、以下同)

 1300年以上前に書かれた歴史書『日本書紀』にも、喪服は白色だと書かれているそう。

「日本人にとって白は、自分は魂の汚れていないきれいな存在だと表現するための色でした。なので、お葬式などの神聖な場では、白色の服を着たのです。いまでも、亡くなった方が白装束を身に着けるのは、あの世で神仏に出会い裁きを受ける際に、潔白であると証明するためです」

 白無垢も、神仏に結婚を誓う神聖な場のため白なのだ。

 では、どうして黒の喪服を着るように?

「中国の影響を受けて奈良時代の貴族は黒の喪服を着ましたが、黒の染料が貴重なのもあり定着しなかったそう。

 一般の人に広まったのは、欧米化がどんどん進んだ明治時代。西洋では黒色の喪服が主流で、明治30年の皇室の葬儀の際に日本もそれにならって黒色に統一しました。皇室が黒の喪服を着たことで、やがて一般にも広まったのです」