'18年9月、豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市を訪れ、車椅子の高齢女性を励まされた

「英王室は苦境を迎えているという認識で間違いないと思います。チャールズ国王もキャサリン妃もがんを患っているこの状況は、歴史を振り返っても珍しく、異様な事態です」

英国王室と日本の皇室は150年以上の歴史

英国に留学されていた雅子さまを各社が取材。平成元(1989)年

 そう話すのは英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さん。

 天皇、皇后両陛下は6月に約1週間、イギリスを公式訪問される予定。国賓として歓迎行事に臨むほか、両陛下が結婚前に留学されたオックスフォード大学への再訪も検討されている。英国王室と日本の皇室との交流は、明治時代にまで遡り、150年以上の歴史がある。そんな皇室と親交の深い英王室を、かつてない危機が襲っている。

「チャールズ国王は今年1月、キャサリン妃は3月にそれぞれ、がんであることを公表されました。おふたりとも早期発見ではないかといわれているので、両陛下が国賓として訪英される際は、お元気になられていると思われます」(多賀さん、以下同)

 キャサリン妃が公表した動画では、かなり痩せた姿に心配の声が上がった。

「ご本人は“心や身体や精神に必要なことに集中し、毎日強くなっています”とおっしゃっていましたが、心配の声も多くありました。ほかにも“プライバシーが必要”と自身の状況に理解を求めようとする発言がありましたので、今はそっとしておいてほしいのだと思います」

SNSの運用法指南の可能性

長い髪をカットされ、ボブヘアになった愛子さまは、若き日の雅子さまを彷彿とさせる(8月21日・那須御用邸)

 一方、日本の皇室ではあることが話題に─。

「4月から宮内庁の公式インスタグラムで皇室の活動に関する情報発信を始めると発表されました。アカウントはすでに開設されていて、3月29日時点で、19件の投稿がされています。まずは両陛下の公務やお誕生日のご様子などが投稿の中心となるでしょう」(皇室ジャーナリスト)

 両陛下の訪英時に、皇室SNSの運用法についても“指南”を受けられる可能性が。

「英王室は以前からSNSを活用しており、今ではインスタグラムのフォロワーは1300万人以上に上ります。両陛下はインスタグラムの活用法などもお聞きになるかもしれません。英国は国民の反応から学んでいくというスタンスを取りましたので、日本の皇室も最初から大成功するということはあまり期待しないで、地道に、しかし着実に進むほうがよいと思います」(前出・多賀さん、以下同)

3月22日、キャサリン妃のがんが公表された動画(公式インスタグラムより)

 今回の訪英について、多賀さんは「もちろんお見舞いの意味も含んでいると思います」と言及しつつ、キャサリン妃と雅子さまの会話内容が注目だと語る。

「キャサリン妃と雅子さまは子育てに関する共通点があると思います。キャサリン妃は3月22日に、がんであることを公表しましたが、その翌日から3人のお子さんが日本でいう春休みに入られました。このタイミングで公表されたのは、お子さんがほかの生徒から不必要な質問を受ける可能性を避けられたのでしょう」

 キャサリン妃の子どもを思いやる姿勢は雅子さまと重なるという。

「雅子さまも愛子さまを守るために一時期、登校に付き添われていました。“過保護ではないか”という声も上がりましたが、それでも愛子さまを守られたのです。お互いに子育てについての話題でも盛り上がることでしょう」

 国境を超え、同じ思いを持った“同志”の会話は、相乗効果を生むに違いない─。

多賀幹子 ジャーナリスト。ニューヨークとロンドンに、合わせて10年以上在住し、教育、女性、英王室などをテーマに取材。『孤独は社会問題』ほか著書多数