20140909_鈴木史朗
 アナウンサーとしてTBSに入社したにもかかわらず、上司の嫌がらせなどにより約20年にわたり編成局や制作局、報道局に転属された過去を持つ鈴木史朗さん。やりたいことができなかったという思いがあるからこそ、定年後は自分らしさを隠さずに進もうと考えたという。温厚で礼儀正しいTBS時代を彷彿とさせるなかにも、ときたま暴走する姿も絵になってしまう、鈴木さんの現在を聞いてみた。

「おかげさまで、歌手としても活動させていただいています。私の歌う『すみだ川』『明治一代女』『お夏清十郎』など日本歌謡の名曲中の名曲が、私の歌声の情感で踊りやすく、日本舞踊にぴったり合うということで、美柳流の家元から日本舞踊のためにぜひと言われ、踊りのステージで歌ったり、4枚目のCD『日本歌謡名曲集』になったりと、古きよき日本歌謡を歌い継ぐ、という長年の私の願いが叶えられました」

 現在は月1回のペースで、クリエーターを育成する専門学校『東放学園』で特別講義を行っているという。そんな鈴木さんの若さの秘訣とは?

「うーん、好きなことをしてるだけなんですよ。ご長寿からの教えを心がけていると、ストレスもほとんどない。国際情勢も含め、社会や政治の問題に対する憂慮はありますが、それをエネルギーに変えます。そうすると身の回りのミクロなストレスなんて、放っておいて何の問題もないレベルだと気がつく。サラリーマン時代の、嫌な上司もいませんし。仮にいたとしても今ならゲームのゾンビ以下だと割り切れます(笑い)。気楽にいかに死ぬかを考え、迷惑をかけず、少しは役に立つようなご長寿でありたいと思っています」