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 初の小説『火花』がベストセラーになっているピース・又吉直樹。そんな又吉の素顔について、よしもとのお笑い養成所・NSCで同期である平成ノブシコブシ・吉村崇が明かしてくれた。

「『火花』はさっそく読みましたが、青春時代を一緒に過ごした僕らにとって懐かしい地名がたくさん出てきて、あのころを思い出しましたね。『シアターD』という劇場が出てくるんですけど、ずっとお世話になったところなんです。“負けてられないな”ってこっちも火がつきましたよ」

 吉村は本嫌いだそうだが、実は又吉が関係しているという。

「僕も過去に、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』をすすめられたんですが、まったく意味がわからなくてそこから本嫌いになっちゃった。それ以降は、まったんもすすめてこなくなりましたね。彼がスゴイのは、本を読むことが仕事になってもまだ好きでいられるところ。普通は、趣味が仕事になってしまうと嫌いになるって言いますから。今でもカバンに3~4冊は常に本が入っているんじゃないかな」

 同期から見ても、小説家としての風格が出てきたという又吉。

「最近は、どんどん“文豪”っぽくなっている気がします。前はファストフードのハンバーガーとか食べていたんですが、今は老舗和菓子店の最中とか饅頭とか食べているんですよ。文学の世界の方たちとお付き合いがあると、そういったことに詳しくなるんでしょうか。僕も食事に誘うときは料亭じゃないとダメかなって無言のプレッシャーですよ。あっ、そういえば、体臭までもが“古本”みたいになってきた気もするなぁ」