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撮影/佐藤靖彦

 

「普段から料理をしないので、最初のうちは慣れなくて指を切ったりしました」

 明治、大正、昭和の激動の時代に、日本一のシェフを夢見て、天皇の料理番にまでのぼりつめた男の半生を史実に基づいて描いた、TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場『天皇の料理番』(4月26日スタート、日曜夜9時放送、初回2時間スペシャル)に主演する。

 初めての料理人役では、手元の吹き替えなしでの演技にもこだわり、昨夏から料理教室に通い、包丁の持ち方や切り方など基本から学んだ。

 自宅はもとより、別作品の撮影で滞在した北海道のホテルの部屋では、じゃがいもと玉ねぎを持ち込んで自主トレに励んだ。

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ペティナイフを使ってじゃがいもを薄切り。その速さにビックリ!

「野菜を切っている感覚が気持ちいいです」

 すっかり慣れた様子で、収録現場では見事な包丁さばきを披露。得意なのはキャベツのせん切りだという。演じる秋山篤蔵は、田舎では何事も長続きしなかったが、カツレツとの出会いがきっかけで料理人を目指す。

「夢に向かって高い熱量で一途に突き進んだキャラクターが魅力。素直に一生懸命生きている篤蔵と、真摯に向き合っていきたいと思います」

 役作りに妥協しない姿は、役者の熱量に通じる。

「男に生まれたからには、これだけは誰にも負けないと胸を張っていえる仕事をしたい。そのためには自分がやるべきことをしっかりやる。その姿勢や行動を示すことが大切だと思います」

中学生以来の丸刈り

 役作りのために中学生以来という丸刈りに。「慣れて、いまでは普通です。逆に髪が長かったときが想像つかない」と健。小顔で整った顔立ちが際立ち、妻役で初共演する黒木華も「顔のきれいな人」と印象を語っていた