『ちゃんぽん食べたか』(毎週土曜夜10時〜/NHK総合)でNHKの連ドラで初主演中の菅田将暉。

「連ドラの主役って全話、出ずっぱり。体力的には大変ですが、やっぱりおもしろいです。(『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングの)タモリさん的な感覚というか。同じシチュエーションに、僕が違う方を迎えてお芝居をする。人によって引き出されるものが必ずあるので、日々すごくおもしろいです」

 NHKの連ドラで初主演! その目はキラキラと輝いていた。

「プレッシャー? めちゃくちゃあります。何といっても、さだまさしさん役ですから。でも、現場で物作りをするという意味では同じ。だから気負ってはないです」

 原作は、さだまさしの自伝的青春小説。天才バイオリン少年が長崎から単身上京するも、高校生活の中で挫折にまみれる。それでも音楽への憧憬は断ちがたく、友人と、のちに伝説のデュオとなる“グレープ”を結成し、歌い始めるまでの物語だ。

「挫折ですか? このドラマをやるにあたって僕も考えたんですが……挫折をするほど何かをやったことってないと思うんです」

 意外な答えと思いきや、さだから“物心つく前にバイオリンを始め、10代の思い出はバイオリン以外はほとんどない”と聞いた言葉を重く受け止めていた。

「自分も“これだけは自信がある”というものを見つけたいですね。それに挫折をするという物語なので、すごく高次元ですよね」

 昨年は映画『そこのみにて光輝く』などで、助演男優賞を多数受賞。若手俳優の中では演技派として、一歩抜きん出た存在に。

「僕なんかにそう言ってもらえるのはありがたいですし、うれしいんですが……演技の仕事をしているのに“演技派”という言葉があること自体がおもしろいなとも思うんです。サッカー選手に“サッカー派”なんていませんよね? 表面的なものはすぐに打ち破られる時代になると思うので、そこに負けずに続けられたらいいですね」

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物語の舞台は昭和40年代ということで、7:3のこの髪型に。「マッシュ、大好きです。リスペクトの意味も込めて。髪型ってやった者勝ち。似合うかじゃなく、やりたいからやるだけ。最近音楽が大好きなんですが、僕らが今聴いているミュージシャンが憧れたのが、この時代のもの。こうしてシャツを着て、ネクタイをすると、すごくUKなロックな匂いになる。だから、ファッションを含め、すごくタイプで大好きですね」(撮影/伊藤和幸)