マンガやアニメなどを原作とした舞台が、2.5次元舞台として話題。中でも、自転車競技部の高校生たちを描いた舞台『弱虫ペダル』(通称ペダステ)は絶大な人気を誇り、チケットは瞬時に完売。当日券を求めて、約1000人が行列を作ったという伝説があります。実力派イケメン俳優がアツイ演技を戦わせる、シリーズ最新作“IRREGULAR~2つの頂上~”の舞台裏に潜入! 今回は、この最新作で主演する北村諒と廣瀬智紀の2人を直撃!

―おふたりは、新作「IRREGULAR~2つの頂上~」の主演ですが、それぞれ役はどんな関係?

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(箱根学園・自転車競技部3年生、東堂尽八役)北村諒(きたむら・りょう)●1991年1月25日生まれ・東京都出身。2014年の舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The Second Orderより東堂役として出演。

廣瀬「僕が演じる巻島はやっぱり東堂と走っているときが一番楽しいんじゃないかなと思います。東堂は別チームの選手ですし、自分のチームのために走ることがレースでは大事ですけど、よきライバルと走れるのも自転車乗りにとって最高のステータスですから」

―そんな東堂は、巻島へ一方的(笑い)に親しみを持ってますね。

北村「絶対的なライバルだし、いつも気になってる。ただよく電話かけて、わりとシカトされる(笑い)」

廣瀬「いや、巻島もきっとうれしいんですよ。やっぱり人に好かれるっていうのは嫌な気はしなくて“もういいっしょ、東堂!”って切っても、また連絡が来るのが巻島もわかってる。ツンデレのデレが超少ないみたいな」

北村「素直になれないのか(笑い)」

廣瀬「そこは何か男女関係に似てて、お客さんにも微笑ましく思ってもらえてるみたいですね(笑い)」

―今回は2人の友情や関係性がさらにしっかり見られますね。

北村「今まではわりとレースシーンが中心だったので、それ以外の日常のシーンもできたら」

廣瀬「2人の出会いが描かれているかも……って期待してます」

―この役を演じてきて、2人の仲よし度は増しましたか?

廣瀬「お互いに“こういう人”っていうのが深く把握できたので、どんな仕事でも、信頼関係を持っていけそうな気がします。一緒に出演したバレンタインのトークイベントでも……」

北村「あれはひどかったね(即答)」

廣瀬「(爆笑)」

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(総北高校・自転車競技部3年生、巻島裕介役)廣瀬智紀(ひろせ・ともき) ●1987年2月14日生まれ・埼玉県出身。2013年の舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The First Resultより巻島役で出演。

北村「この人、基本はしっかりしてるんですよ。だけど時々、わけわかんないこと言い出すんです。たまに宇宙人かなって思う。その“???”な話を拾い集めてまとめるのは、本当にもう大変でした」

廣瀬「きたむー(北村)はね、冷静なんだけど、抜けてるところがある」

北村「ちゃんとも(廣瀬)に言われたくないよ(笑い)。ただ、性質的には似てるかも。酸性かアルカリ性かだったら2人ともノンビリしてて、肌にやさしい弱酸性て感じ」

廣瀬「うん、ヒアルロン酸ね」

北村「ほら急にわかんないでしょ? 弱酸性とヒアルロン酸はさ、また違うじゃん」

廣瀬「知ってる、知ってる。何となく浮かんだから」

北村「これがイベントのときは1時間続きましたからね(笑い)」

―新作では2人座長(主演)ですね。

北村「2人座長ってペダステで初めてだから、それも新しい挑戦です。ただ、ちゃんともと2人っていうのは、すごく心強いですね」

廣瀬「……僕、この間、沖縄行ったんですよ。(周囲に???が飛び始める)そしたらクモがいたんですね。でも色が総北ジャージカラーだったんですよ。黄色で黒と赤が混ざって。今チラシ見て思い出した。巻島がピークスパイダー(と異名をとる手足の長い選手)だから、クモは怖いけど好きになれるよう頑張ります」

北村「……彼なりの決意表明、酌み取ってあげてください(笑い)。でも確かに巻ちゃんってクモにたとえられる気持ち悪がられるキャラなのに、もはやそれさえカッコいいのがすごいよね」

廣瀬「うん、気持ち悪くてもいいっていうのが演じるほうとしてはおもしろかったりして」

北村「そう考えると、巻島と東堂ってやっぱ真反対だよ。東堂はいつもわかりやすくカッコよくいたいヤツだから。走るスタイルも性格も対極なんだな。あまりにも対極すぎて、お互い逆に1周回って出会ったのかも」

廣瀬「回っちゃったんだね“運命の歯車”が」

北村「今の書いてください」

廣瀬「よし、噛み合った!(笑い)」

 


取材・文/後藤直子 撮影/廣瀬靖士(本誌)

*舞台『弱虫ペダル』とは?

 独特の演出法で知られる演出家・西田シャトナー氏の手により、累計発行部数1400万部突破の人気漫画『弱虫ペダル』を舞台化。自転車ロードーレースの様子を身体の動きで表す斬新さと、熱い戦いのパワーが感動を呼び、今や“ぜひ見ておきたい舞台”として注目を浴びている。