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 時代劇『子連れ信兵衛』(NHK BSプレミアム、毎週金曜日夜8時~)で主演の松村信兵衛を演じる高橋克典。

「タイトルに“子連れ”という言葉が入っていると、どうしても“狼”が浮かびますよね」

 と苦笑いする。

「でも、あの作品が作られた時代と比べたら子育ての環境も、父と子の関係も、今は変わってきているじゃないですか」

 作中、ひょんなことから子どもを預かって育てることになる信兵衛だけど、その奮闘ぶりは確かに今風の“イクメン”。'09年に1児のパパになった高橋も、自らの子育てに育休をとって臨んだ経験もある。

「今回の子役は9か月の子なんですけど、自分の子どもを抱いていたころを思い出しますね。比べるのも何だけど、うちの子のほうが大変だったかな(笑い)」

 自身の子育ての経験が今回の役にもつながっている。演技だけではなく、生活も変わったと話す。

「すべてのことが子ども中心になるんですよ。それまでは格好つけていたのが、なりふり構わずになるというか。夜、2時間に1回ずつ夜泣きで起こされてミルクを飲ませたり、乗っている車がスポーツタイプからワゴンになったり(笑い)。でもね、新しい命のために自分を傾けるということは、全然格好悪いことじゃないんですよね」

 そんな子煩悩な姿を想像することができる、ドラマの見どころは?

「貧乏だということは置いておいて(笑い)、長屋ものですので、その1部屋に住んでみたいと思わせるようなドラマにしたいと思っています。楽しそう、温かそうという雰囲気を感じてもらいながら“ザ・時代劇”を楽しんでほしいです」

撮影/廣瀬靖士