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 IKKOさんが約1年をかけてまとめ上げたという著書『IKKOのちょっと開運』には、日常の心がけから美容、礼儀、金運まで、さまざまな開運のポイントが取り上げられている。

 IKKOさんが指南する開運術は、「人はどういうところに行きたいと思うか」を考えることがすべての基本。自分の周りに人が集まれば、舞い込んでくるチャンスが増え、事を上手に運ぶアイデアも見つけやすく、運はうまく回っていく。

「例えば、家にお客様を招くとき、どうしたら感動してもらえるかを考えます。家の前の道もきれいにして、玄関の扉を開けた瞬間に感じる香りや音、目に入るものに気を配り、料理やテーブルセッティングには驚きを感じさせる演出を。そんなおもてなしなら、お客様はまた来たいと思うでしょう」

 本には、IKKOさん流のおもてなし料理レシピも紹介されていて、市販の調味料をうまく活用しておいしく手軽に作れる一品が、彩りよく器に盛りつけてあり心が躍る。

 とはいえ、これほど極上のおもてなしを実践するのは難しそう……。

「街や美術館に出かけてよいものをたくさん見て回って、レストランでステキだなと思った演出を取り入れて、センスを磨くといいわね。でも大切なのは、お客様に喜んでもらおうと心の底から願う気持ちです。

 おもてなしに限らず、家でカップラーメンをすすりながら、高級ブランドのコートやハイヒールを身につけて商談に臨む心意気だって開運術。いまの少ない稼ぎを仕事相手の信頼を得るために優先して使って、この先の成功を得ようとしているのだから」

 ただ、時には何もかもが思いどおりにならず、運に見放されたと、へこむ気持ちを立て直せないこともある。

「そんなときは泣いてもいい。心が崖っぷちまで追い詰められたら、笑顔を作れない自分を許してあげましょう。そして、“大丈夫、大丈夫、私は運がいいから”と自分に言い聞かせて、運の悪さを脳に形状記憶させないで」

 ヘアメークをしていた30代、たくさんの弟子を抱えて毎月かなりの高額を稼がないとやっていけなかったというIKKOさん。そんなとき、経理担当者からかけられた「先生は運がいいから大丈夫」という言葉が支えとなって、くずおれそうな心をこらえることができたそう。言葉のパワーは絶大だ。

「あとは映画を見るでも、おいしいご飯を食べるでも、ダメになった心をリセットする自分なりの方法を持っておくといいですね。私は全財産が50万円しかなかったとしても、笑顔でいられるなら、その全額を洋服に費やしてもいいと思って生きてきたわ! そして、壁にぶつかった経験は人生の引き出しが増えると思って乗り越えて」

 また、年齢を重ねるとついいろいろなことが見えてしまい、なかなか新しいことに取り組もうとしないが、それでは運とも縁遠くなりがちだ。

「いくつになっても学ぶべきことはあります。現実を見つめて、この先、どういうふうに人生を送りたいのか考えましょう。気づけば早めに準備ができて、余裕が出ます。若いときと違って遠回りしないで進めるように頭を切り替えておくことも、開運のテクニックです」