hero

 7月18日に公開された木村拓哉出演の映画『HERO』。21日に発表された映画観客動員ランキングで、見事1位に輝いた。

「初日を含めた土日2日間で約54万人を動員し、興行収入も7億円を記録しました。製作を手がけたフジテレビの亀山社長は当初50億円を目指すと発言。そのラインには無事届きそうです」(映画関係者)

 毎年人気を誇る劇場版『ポケットモンスター』が同日公開だったが、強力なライバルをおさえて1位に。それもそのはず。宣伝力には、すさまじいものがあった。

「法務省という異例の場所で完成報告会見を行ったり、JR山手線には『HEROラッピング』電車を運行。ほかにも地下鉄の東京メトロや居酒屋メニュー、カラオケ店、LINEスタンプなど、タイアップがめじろ押しでした」(広告業界関係者)

 さらにダメ押しとなったのは、〝渋谷駅前ジャック〟だ。スクランブル交差点の5つのビジョンと、東急百貨店東横店の壁面、その屋上を『HERO』が制したのだ。特に話題になったのが高さ7.5メートル、横幅10メートルの“拓哉バルーン”。東宝宣伝部に制作意図を聞いてみた。

「よりインパクトを与えたいということから、バルーンの設置に至りました。東急百貨店さんとしても初の試みでしたが“『HERO』だから特別に”ということで協力していただきました。荒天の場合たたむこともありますが、31日まで設置予定です」

 約1か月の制作期間を経て作られたというバルーンは、地上52メートルの高さに鎮座しており存在感バツグン。気になるのは宣伝にかかったお値段。

「形が特殊で使われている色数も多いので、バルーンの制作費だけでも500万円はかかるかと。ちなみにハチ公側の壁面ポスター3面の制作費だけでも720万円。掲出料が1500万円以上かかります。さらにスクランブル交差点のビジョンの放映料や、南館側の壁面ポスター、デザイン料などを含めると、全部で3500万から4000万円は下らないでしょうね」(前出・広告関係者)

 渋谷エリアだけでもこれだけの宣伝費とは驚きだが、それだけ力を入れる理由とは?

「前作の映画第1作目は興行収入81億円。’07年の邦画1位を記録しているんです。近ごろ視聴率が低迷ぎみなフジにとっては、このヒットで元気づけたいところ。本当は前作の数字を目指しているのでしょうね」(スポーツ紙記者)