2013年に発表された厚生労働省の大規模調査によると、腰痛に悩む国民の数は約2800万人。実に、日本人の4人に1人が患っている国民病なのだ。

「ところが、ほとんどの腰痛は原因が不明なんです」

 そう話すのは、痛み改善ドクターとしてテレビなどのさまざまなメディアで注目を集める富永喜代先生。愛媛県にある富永ペインクリニックの院長として、年間1万5000人の診察を行う痛みの専門家だ。

「一般的に“腰が痛い”という患者さんが病院を訪れると、医師はMRIなどの画像検査を指示します。これは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、腰痛の原因となる病気がないか確かめるため。しかし、こうした検査で原因が特定できるのは、腰痛全体の15%ほど。つまり、残りの85%であるほとんどの患者さんは、腰に痛みを感じても、これといった原因はわからないままです」(富永先生、以下同)

 加えて、富永ペインクリニックを訪れる患者のなかには、こんなケースも少なくないのだとか。

「当初、痛みの原因は椎間板ヘルニアだと診断され、入院治療を行い、一時は回復。ところが、退院すると痛みが戻り、慢性的なものに変わってしまった。あちこちの病院を受診したけれど、治らない……と。こうした原因不明の腰痛を引き起こし、痛みを長期化させている大きな要因のひとつが、心の動きやストレスなんです」

 というわけで、今週は「腰の痛みを自力で治す」を大特集! 今日から週末にかけて以下6本の記事を短期連載します。

 ◎ 知れば痛みがやわらぐ、腰痛のギモンに金スマ名医が回答!

 ◎ 今すぐできる!日常生活で腰痛を回避する4つの基本動作

 ◎ 金スマ名医考案“100円グッズトレ”でストレス性腰痛が消えた

 ◎ 柔道整復師の腰痛撃退メソッド「朝30秒、正座するだけ」

 ◎ 鍼灸師の腰痛撃退メソッド「温ペットボトルを当てるだけ」

 ◎ 医学部教授の腰痛撃退メソッド「日記に記録するだけ」

腰痛
富永喜代先生 ●麻酔科医学博士。『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)などメディアに出演。著書も『1分間血流アップ体操で超健康になる!』(アスコム刊)、『腰トレ』(文藝春秋刊)など多数。