2年に1度の検診が勧奨されているため、平成24、25年の検診受診者数の合計に基づく受診率。(平成25年国民生活基礎調査/厚生労働省より)
2年に1度の検診が勧奨されているため、平成24、25年の検診受診者数の合計に基づく受診率。(平成25年国民生活基礎調査/厚生労働省より)

 子宮に関係するがんには『子宮体がん』と『子宮頸がん』があり、特に子宮頸がんは若年でも発症。初期には自覚症状があまりないため、検診がとても大切だという。

「子宮がんは年齢を重ねた人がかかる病気だと思っている人が多いと思いますが、そんなことはありません。「子宮頸がん」は、20代、30代でも多く発症しているのです」(順天堂大学医学産婦人科学講座准教授・北出真理先生)

 子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)ということがわかっており、患者さんの90%以上から検出されている。このウイルスは5~10年の年月をかけてゆっくり増殖するといわれており、性行為によって感染する。

「早期発見をすれば比較的治療しやすく、予後のよいがんです。生理中でないときや性行為後に出血などの症状があるなど、何か症状があれば、一度クリニック等を受診してみてください。早めの受診と定期検診が早期発見につながります」(北出真理先生)

 症状があるまま放置しておくと、がんのステージが進んで手遅れになることも。

「若い人はがんを身近に感じにくいかもしれませんが、20~30代であっても子宮頸がん検診を受けることをおすすめします」(北出真理先生)

 子宮体がんは子宮内膜から発生するもので、子宮内膜がんとも呼ばれている。

「子宮体がんも増加率が上昇しており、1年間に罹患する人が20年前に比べると3倍近くにまで増えています。子宮頸がんに比べて検診が普及していないため、初期症状を見逃さないことがなにより大切になります」(北出真理先生)

 子宮頸がんに比べ、市区町村の検診でもオプションとして行う程度であまり重要視されていない。

「月経以外の不正出血を見逃さず、症状が継続したりくり返すようなら、すぐに医療機関を受診してください。50歳以上の方は子宮体がんの定期検診をオススメします」(北出真理先生)

〈子宮頸がんデータ〉

死亡数(2013年):2656人

罹患数(2010年):10737人

5年相対生存率:72.2%

〈子宮体がんデータ〉

死亡数(2013年):2107人

罹患数(2010年):11793人

5年相対生存率:79.8%