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年金ってそもそも本当にもらえるの? 今回は年金にまつわる数えきれないほどの"ハテナ"を20代の若手社会人がお勉強! 年金のギモンを一気に解決しちゃいましょう。年金問題に詳しい学習院大学の鈴木亘教授にお話を伺いました


年金を払ってソンする世代は? トクする世代は?

 実態を知れば知るほどヤバイ年金だけど、もらい逃げできた世代もいる! ズバリ、何歳までの人たちがトクしてるの?

「’60~’65年生まれがトントンでしょう。それより若い人たちは、みんなソンしてるということに。団塊より上の世代の人は、みんなトクしています」(学習院大学経済学部の鈴木教授)

 ソンとわかっていても、納税は国民の義務。平成28年1月から『マイナンバー』がスタートし、所得などすべてが国に把握される。もう逃げ場はないのです!

どうせソンなら払いたくないんですけど……

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 前の問いで鈴木教授が言ったとおり、団塊世代以降はソンするだけ。つまり年金は敵なの? 味方なの? 自分の生活だって楽じゃないのに払わなきゃいけないなんて、日本はヒドイ国! つい、そうボヤいてしまう20代記者に鈴木教授は、

「実際、払うメリットなんてないですよ。ですが、いきなり年金をなくしますか? となってしまうと、賦課方式の日本では今の高齢者たちが困ってしまう。1人だけ抜けることができない、麻雀と同じだと思ってください」

 とはいえ、家族ならまだしも縁もゆかりもないおじいちゃん、おばあちゃんたちのためにと考えると、抵抗はぬぐえない。

「年金だと思わず、税金だと思いましょう! 生まれながらにして高齢者を支えている、社会貢献をしていると思えば、しょうがないと少し楽になりませんか」

 また年金には『障害年金』という制度があり、保険料を払っている人であれば不慮の事故などで障害を負っても、その程度によって年金が支給される。いざというときの保険と考えれば割に合わないこともない!?

払わない人が増えたらどうなるの?

「現在、若者の国民年金保険料の未納率は4割といわれています。しかし、この数字は低収入などによる免除者を含んでいません。免除者を含めると6割が払っておらず、未納者の割合のほうが多いんですよ」

と、鈴木教授。

 未納者は増え、受給者も増える。そうなると、どんな影響が起こる?

「誰かからお金を出してもらわなきゃいけなくなる。その対象になるのがサラリーマンです」

 未納のしわ寄せは厚生年金に。国民年金は年金制度の一部分にすぎず、金額的には厚生年金や共済年金よりも小さい。そのため、年金全体から考えれば割合はわずかなんだそう。

「未納者は当然、年金世代になっても受け取れません。そうなると国は新たに生活保護の支出が増え、税金は高くなります。問題は増えるばかりでしょう。低収入の人はともかく、確信犯で払わなかった人がもらえないのは当たり前です」

 未納のツケは国民全体に回ってくるということ。


鈴木亘教授:経済学博士、学習院大学経済学部教授。年金をはじめ社会保障分野のエキスパート。『社会保障亡国論』(講談社現代新書)ほか著書多数