宅配料金の値上がりに、お中元シーズン到来。詳しくなっておきたい宅配便事情を宅配便・郵便・引っ越し料金の比較サイト『送料の虎』の運営を中心に、ものを"送る"サービスを紹介する、送料のスペシャリスト(株)オクルコム、代表・平松匠太郎さんに聞いてみた。今回は意外と知らない、隠れたお得サービスやNG行為をピックアップ。

◆宅配便に手紙を入れてはいけないの?

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 宅配便では私信、請求書、報告書などの「信書」を送ってはいけないという法律がある。

「ヤマト運輸のメール便が廃止されたのも、間違って信書を入れてしまうリスクを避けるため、というアナウンスがありました」。

 しかし荷物の添え状や送り状は同封してもいいことになっており、その線引きはあいまいなのが現状。今後、制度の抜本的な見直しの要となりそうだ。

◆送ってはいけないモノはありますか

 現金、クレジットカード、トラベラーズチェック、宝石などの貴重品は送れない。遺骨・位牌、毒物や劇薬、そして花火も×。また、生きた動物はもちろんのこと、はく製も送れないことが多い。

「ちなみに絵画や彫刻などの繊細なものは、専門の宅配サービスを使ったほうがベターです。そもそも万が一の補償が、基本的に30万円までなのをお忘れなく。高価なものほど、送料の安さだけに惑わされないでくださいね」

◆宅配料金をもっと安くするヒケツはあるの?

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 大手3社は、営業所に品物を持ち込んで送れば、基本的に100円の割引がある。そのほか、ヤマト運輸は「クロネコメンバーズ」という会員になると、「クロネコメンバーズ電子マネーカード」への5000円以上のチャージ・利用を条件に、宅配料が10%オフ。

 「ゆうパック」は、1年以内に送った同一のあて先が記載されているラベルの控えがあると、1個につき50円の割引が。またあて先が同一のものを同時に2個以上送るときは、1個につき「ゆうパック」が50円、ヤマト運輸が100円の割引に。

◆海外に送るときには……

「海外に送る場合は、サイズや重さに加え、早く着くものほど高くなります」。

 例えば60㎝・5kgの品物を日本からアメリカへ送ると、最安値の日本郵便の国際小包(船便)ならば、1~3か月かかるが4000円。次に安いヤマト運輸の国際宅急便ならば最短3~7日で4650円。最速のサービスのひとつANAグループのOCS IEXなら、集荷翌日の配達が可能だが、28350円の費用がかかる。

「補償や現地での輸送手段も含めた検討がベスト」※関税などの費用は別途


取材・文/中尾巴 イラスト/シライカズアキ