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 夏休みに海外旅行へ出かけると、慣れ親しんだ土地とは全然違う食文化やサービス、ルールに驚いたり、日本で外国人旅行客のとんでもない振る舞いにイラッとしたりしたことはあるだろう。

 そこで日本人が驚く、世界のびっくり常識を教えてもらった。

【韓国】万人に平等なバレンタインデー

 職場で義理チョコをたくさん用意しなければならない女性と、お返しに嫌な期待をされる男性。日本のバレンタインは大人になるとだんだん面倒になるもの。

「韓国ではホワイトデーに“お返し”という意味合いがなく、単に男性から女性へお菓子を贈る日です」(日本語教師・海野凪子さん)

 ホワイトデーの日、教室に入るなり、お菓子を持って集まってきた韓国人の男子学生たちに「私、バレンタインあげてないから……」と伝え、気まずい思いをしたとか。

「ちなみに4月14日はバレンタインデーにも、ホワイトデーにも無縁だった人が集まってジャージャー麺を食べに行く日(笑い)」(海野さん)

【中国ほか】学校の先生をねぎらう「教師の日」がある国

 身近な相手に感謝を伝える祝日といえば、日本にも『父の日』『母の日』があるけれど、学校の先生を同じようにねぎらう国もある。

「中国は9月10日、韓国は5月15日が『教師の日』です。ある日、お供え物のように教壇の上にジュースやみかんが並べられていたことがあって、忘れ物がまとめて置いてあるのかと思ったら、先生をねぎらう日だと生徒に教えられました。オロナミンCをくれた人もいたので、“もっと頑張れ”というメッセージだと受け取りました(笑い)」(海野さん)

 学校によっては先生、生徒とも半休になることも。苦労の多い日本の先生にもぜひつくってあげたい祝日。

【バリ島】正月は電気の使用も、外出も禁止

「バリ・ヒンドゥーという特殊な宗教観をもつバリ島の人々は、毎年『ニュピ』と呼ばれる元日に外出、労働、電気の使用が禁止されます。静かに身体を浄化させ、祈りを捧げる禁欲の日」(トラベルジャーナリスト・寺田直子さん)

 空港は閉鎖され、観光客も同じように過ごすことに。

「ホテルの外には出られず、同じ場所で朝昼晩の食事をとることになります。普段はにぎやかな子どもたちも屋内で息をひそめ、車の音もしない。新月の夜だから星空がきれいで、自然の光だけを感じるスピリチュアルな1日が過ごせますよ。一方、前日は悪魔を追い出す儀式が行われ、村ごとに『オゴオゴ』という鬼の人形を担いで金属を打ち鳴らしながら練り歩きます」(寺田さん)

 そんな“動と静”が味わえる年末年始は、毎年3月あたりにやってくるとか。

【エクアドル】ハロウィンの日のコスプレ禁止

「エクアドルでは2007年、“アメリカのようにかぼちゃやお化けの格好で祝う方法は国の価値観に反する”と、大統領の声明でハロウィンが禁じられました」(世界の雑学や法律に詳しいライター、のり・たまみさん)

 もともと、秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す宗教的な意味合いから始まった行事。“魔術”“死のカルト”などのイメージが強く、ハロウィンを祝うのに消極的な国は少なくないという。

「ロシアでも、若者が仮装パーティーを開くなど人気が高まり、モスクワ市の教育局が学校やカレッジでのハロウィンを禁止しました」(のりさん)