由美子2
 昨年2月に肺胞出血のため急逝した山本文郎アナウンサー。’08年に31歳下の妻と入籍して話題にもなったが、その幸せは長くは続かなかった。

 愛する夫との結婚生活はわずか5年7か月だったが、妻・由美子さんは今はまったく後悔していないという。

「基本的に24時間一緒にいましたし、彼のすべてを把握できていました。だから、6年弱しかいられなかったけど数十年分の結婚生活を味わったんじゃないかなと。だって、どんな仕事をしていて、どんな人と食事をしているかって普通はわからないじゃないですか? でも彼は、私を常に同行させてくれた。だから仕事の関係者ともたくさん知り合えたし、いまだにその方たちが助けてくれますから」

 仕事場でも、同級生との飲みの場でも、由美子さんを連れて行ったという文さんだが、1度だけ彼女が断るという出来事が。しかし、

「帰ってくるなり“お前がいなかったからつまらなかった”って言ったんですよ。そんなこと言われたらキュンってきちゃうでしょ。だから本当に愛されていると思いましたし、私も大好きでした」

 私生活でも常にラブラブだったようだ。31歳という年の差が、逆に心地よかったとも。

「携帯電話もお互い持っていましたが、着信があった場合は近くにいたほうが出るという感じでした。でも、本来はそれで問題ないはずでしょ。変にロックをかけるから問題が大きくなっちゃう。いま思うと、山本との結婚生活はいっさい面倒くさいことがなくて楽でした。だから周りには“年の差婚”をすすめてるんです。例えば彼が浮気したとしても、年齢がある程度離れているとアッパレだと思えちゃう。“70歳過ぎて私以外の人とデキちゃうなんてスゴいね”って。“年の差婚”で本当によかったと思っています」

 2月中旬に一周忌ならぬ“一年祭”を行い、新たなスタートを切った由美子さん。今後はどのような人生を歩んでいきたいのだろうか。

「いろいろな所に連れて行ってくれたおかげで、今の人脈があり仕事につながっている。だから“山本文郎”という人間はもうこの世にはいませんが、私が彼のことを語り継いでいかなくてはと思っています。57年間にわたるアナウンサー人生の話だったり、戦中や戦後の話を毎日のように聞いていたので、私にも伝えられることがあるかなって」