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 8月20日に放送された『ノンストップ』(フジテレビ系)にVTR出演した際の発言の言葉尻をとらえて、番組の放送後に《引退》のニュースが流れた橋田壽賀子氏。

 その真相を確かめるべく橋田氏に話を聞いてみると、憤懣やるかたない様子で、開口一番こう語った。

「ハメられたみたいなもので、本当に怒っています。もうテレビには絶対出ません」

 番組ではインタビューに答えるかたちで、

「今のテレビは見ていても書きたいと思わなくなりましたね。私の時代じゃないなっていう気はします」

 また“ミステリーと殺人と不倫の脚本は書かない”という姿勢を貫いているため、こう語っていた。

「何でもないホームドラマが生きられない時代になったって思うんですね。だったら、もうやめてもいいなっていう気がします」

 しかし、引退報道が流れてしまったことに本人は困惑している様子。

「引退なんかしませんよ。ビックリしました。本の宣伝をしてくださいということでインタビューを受けたのですが、本の話はなんにもなくて、突然、あんな話を聞かれたんですよ。世間話みたいな感じで話したら、そのまま放送されてしまって……」

 “本”とは、橋田氏が今年4月に出した『旅といっしょに生きてきた─人生を楽しむヒント』(祥伝社)のこと。フジテレビにも確認をしてみると、こんな答えが返ってきた。

「『ノンストップ』では、橋田壽賀子氏が“引退表明”とも“いますぐ脚本家を引退する”とも放送しておりません。また、橋田氏から抗議も来ておりません」(広報部)

 改めて放送の内容を確認してみると、たしかに橋田氏は前述の発言以外に《引退する》とも《絶筆する》とも語ってはいなかった。一応、本の紹介もなされてはいた。

 どうやら『ノンストップ』の放送直後にネットメディアを中心に一報が流れ、それが拡散してしまったようだ。だが、橋田氏の怒りはフジテレビに向いている。それは本人が“騙された”と感じているからだ。

 本の宣伝と聞いて出演したのに、フタを開けてみたらテーマは“終活”。たしかに本の紹介はあったが、放送上では橋田氏はひと言も触れておらず、また、使われないと思って話したことが放送され、その結果、《引退報道》が広まったからだ。

 ともあれ橋田氏の引退がないとわかったところで、改めて現在の心境を聞いてみた。

「お仕事はまったく来ないです。いま、ホームドラマなんかやるところはないですから。私の時代じゃないと思いますよ。でも、引退はしません。また私が書きたいものを書かせてくれるところが出てきたら書かせていただきます。ただ、今はお休みして、充電中です」

 今年90歳を迎えた橋田氏だが、年末には南極旅行を計画しており気力も体力もまだまだ衰えていないようだ。