JYJジュンスが大成功を収めたのをきっかけに、アイドルの起用が続いている韓国のミュージカル界。そんな中、日本での初ドーム公演を控えている、トップグループEXOのメーンボーカル、チェン(23)がブロードウェー作品『イン・ザ・ハイツ』で初ミュージカルに挑戦するということで、期待を胸に観に行ってきました。

写真:ロビーに飾られた『イン・ザ・ハイツ』のキャストボードより
写真:ロビーに飾られた『イン・ザ・ハイツ』のキャストボードより

『イン・ザ・ハイツ』は、ニューヨークの移民街である“ワシントンハイツ”を舞台に、ヒスパニック系移民たちの悲喜こもごもの人生を描いた作品で、第62回トニー賞で最優秀作品賞を含む4部門を受賞した名作として知られています。芸能事務所、SMエンターテイメントの系列会社であるSM C&Cの製作とあり、メーンキャストにはチェンのほか、SHINeeのキー(24)、INFINITEのソンギュ(26)とドンウ(24)、f(x)のルナ(22)、ソロシンガーのJ-Min(27)など、SM系のアイドルが多数、起用されているのが特徴です。

 私が観たのは、チェンの2日目の出演日となる9月15日の16時の公演。この日は、タクシー会社で働くベニー役にチェン、名門大学を退学しワシントンハイツに戻ってきたニーナ役にルナ、雑貨店を営むドミニカ系移民のウスナビ役にミュージカル俳優のチョン・ウォニョン、ウスナビが恋をする美容師のヴァネッサ役にJ-Minというキャスティングでした。ちなみにヴァネッサ役は当日にJ-Minにキャスト変更されたのですが、これが意外な展開を生むことに。その話はまたのちほど…。

 さて、会場となるブルースクエア・サムソンカードホールに到着すると、一目でチェンのファンとわかる若い女性たちで沸き返っていました。グッズ販売のブース前にも長~い行列。平日にも関わらず客席も後ろまでびっしり満員で、チェンの人気パワーを改めて実感しました。

写真:『イン・ザ・ハイツ』の会場となったサムソンカードホールの外観
写真:『イン・ザ・ハイツ』の会場となったサムソンカードホールの外観

 チェンの声による「撮影や録音は絶対禁止です」というアナウンス後に、公演はスタート。オープニングシーンでは、白のタンクトップに長袖シャツという姿で登場したベニーことチェン。覆面をかぶり、歌唱力を競う番組「覆面歌王」に最近、出演し、歌唱力を絶賛されたチェンですが、難しいミュージカルナンバーも堂々とした歌いっぷり。客席からも自然と大きな歓声が沸き起こっていました。慣れないラップナンバーも大健闘。心の中で「ファイティン~」と唱えていたのですが、その思いは他のファンも一緒だったようで、ラップナンバーが終わった後、温かい拍手が送られていました。

 物語は貧困問題や移民問題を背景にしつつ、ベニーとニーナ、ウスナビとヴァネッサの恋を軸に進むのですが、ニーナを演じるルナは事務所の先輩とあり、恋のやり取りのシーンでも、超えてはいけない一線が守られている感があり、その点、ファンは安心して観られるのではと思いました。あると噂されていたキスシーンも、ハグに変更されていました。

 ただし、第二部の幕開けで、一夜を共にしたベニーとニーナが愛を語り合うようにして歌う「Sunrise」のシーンでのチェンは別格でした。ファンの間でまことしやかに流れている“爆モテ”説の根拠とも言える、男の色気がいかんなく発揮されていて、作品的にも、大きな見どころのひとつに。客席からも声にならない悲鳴が上がっていました。ちなみに、このシーンの衣装は上半身タンクトップ1枚で、最近、熱心にしているという筋トレの成果も、たっぷりと確認できました(笑い)。

 ちなみに、ニーナ役はミュージカル女優のキム・ボギョン(33)とダブルキャストなのですが、彼女が出演した初日を観た友人によると、「ラブシーンがめちゃめちゃ濃厚だった」とのこと。チェンより10歳年上のベテラン女優で、最近、ご結婚されたばかりとのことで、勝手な想像ですが、その辺の余裕がラブシーンにも投影されているのかもしれません。

▼稽古現場の公開日に披露されたチェンとキム・ボギョンのデュエットナンバー「Sunrise」
https://youtu.be/NCZ54mO5blI

 冒頭で少しJ-Minのことに触れましたが、持ち前の歌唱力で最近はミュージカル業界で引っ張りだこの彼女。本作品では、美人でモテモテなのに苦労人というヴァネッサ役を熱演し、大きな拍手を受けていました。ただ、観客の絶賛を受けたのは歌と演技だけではありませんでした。とにかくスタイルが抜群で、すらりとした美脚ときれいなバストラインに目が釘付けに! 上演後、日本の女性ファンが「チェンよりJ-Minのおっぱいに目がいっちゃった」と冗談交じりに話していたのを耳にするくらいでした。

『イン・ザ・ハイツ』のセリフや歌は言うまでもなく韓国語ですが、ストーリーはシンプルですし、日本語の字幕が流れる電子掲示板が舞台両端に設置されているので、韓国語がわからなくても十分に楽しめます。ストリートダンスやラテンナンバー、ヒップホップの要素が多く取り入れられていることもあり、全体的にアップテンポで、コメディー要素も豊富。チェンがEXOの「ウルロン」のダンスをアドリブ的に披露し、笑いを誘う一幕もありました。11月22日まで上演されていますので、機会があればぜひ、足を運んでみてください。

※チケットは韓国のプレイガイド、インターパークで発売中(日本からの購入も可能)
http://ticket.interpark.com/Global/index.asp

取材・文/古林由香
『週刊女性』の元編集者。現在は韓流専門記者として取材活動を行っている。2015年4月から韓国・ソウルに留学中。