【好評連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】自身の2歳になる長男に、何度もたばこを吸わせた動画をフェイスブックに投稿。これによって虐待の事実が明らかとなり、16日父親らが逮捕された。今回の事件では、幸いにもこの父親らの無防備さが逮捕につながった側面を持つ。ウェブサービスの向上に伴い、多くの世代で増えているユーザーたち。昨今のネットやSNSの拡散力においては、ちょっとしたプライバシー管理の設定ミスなどで危険な目にあう可能性があるというのは言うまでもない。あなた自身、自分は大丈夫だと言い切れるのだろうか?

決して他人事じゃありません!

201507 fifi (e)
「”デジタルネイティブ”世代こそ危ない」とフィフィ

 今回の児童虐待の件は、親が面白半分にネットに動画を投稿したことによって、つまり、ネットに無防備であったからこそ発覚したんだよ。ネットの存在があったがゆえ明るみに出て、子どもが保護されたわけだから、ある意味ネットが持つメリットが活かされた事例だと言えるよね。

 多くの人たちが問題となった父親とその交際相手をツイッターとかのSNSを通して非難したり、情報を拡散したことで逮捕に繋がる一因になったとも思う。

 でも、この父親たちを責めている人たちだって、個人情報への意識、ネットへのリテラシーが高いかというとそうでもないんじゃないのかな? ネットには、メリットと同時に多くのデメリットがあるわけなんだけど、果たしてそのデメリットに対する意識はきちんと持ててるのかな。

“バカッター”“リベンジポルノ”などSNSにはリスクだらけ

 マイナンバー制度がはじまったことで、個人情報が漏洩すると心配する声も多々聞かれますが、ネットを使って買い物をしたり、何かしらの会員になったりしている時点で、すでに個人情報が洩れてる恐れはあるよね。

 あるいは、SNSに写真を載せることもそう。自分の子どもの写真を載せる親御さんも多いけど、それは子どもたちを間接的に危険にさらすことに繋がりかねないんだよ。

 “バカッター”と言われるように、軽い冗談のつもりが人生を棒に振ってしまった大学生たち。中高生たちも、ミックスチャンネルなんかを利用したリベンジポルノによってリスクを負っているよね。小学生でさえ、ゲームでの通信などによって見知らぬ人と簡単に繋がってしまう危険性があるんです。

 つまりどの世代であっても、一部の人たちを除けば、個人情報・ネットのリスクに対する意識が欠けていますよね。特に若い世代でスマホ中心のユーザーなんかは“デジタルネイティブ”なんて言われますけど、ネット環境が「当たり前」だからこそ危険性を認識しきれてないのかもね。

 私は、大学のとき情報科学部というところで学んでいて、Windowsが出る以前からネットには触れていました。ウェブサービスが徐々に便利になっていく一方で、ネットならではの胡散臭さやヤバい部分も一通りは見てきたわけ。それこそ『2ちゃんねる』の黎明期なんかは、なんでもアリだったよ(笑い)。

 これから益々ネット社会になっていくことは確実です。この流れは止められないし、制限をかけるべきものでもないよね。かつて普及したてのテレビが「見るとバカになる」と言われたように、広がりつつあるウェブを“悪者”にするのは早計です。いかに使うか、利用するかの方がよっぽど大切だからね。そういう意味でも、早急にネットリテラシーの向上を主眼とする教育カリキュラムを組んだほうが良いと思うよ。

《構成・文/岸沙織》