【好評連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】1月20日午後、兵庫県加西市の市立中学校で起きた26歳男性教師による男子生徒(13)への体罰が問題になった。国語の授業中、授業態度の悪さを諭しても、態度を改めない生徒の髪の毛をライターの火で焦がしたという。これを受けて、フィフィが体罰を含めた教育のあり方について指摘する。

あまりにもストレスフルな教育現場の環境

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 今回の中学校教師による生徒への体罰。たしかに、教育的な指導という意味ではその方法は間違っていましたね。

 いま、学校の先生たちは昔のように生徒に手をあげることがなくなりました。子どもたちは、自分が体罰を受けないことを知っていたりするから、教師のことを平気でコケにするわけ。

 そんな状況下、媚びてまで生徒との距離を近づけようとする教師も増えているそうです。でも、そうすることで子どもたちは先生と自分が同じ立ち位置にいると思って、余計に調子に乗ってしまうんですね。

 学校での生徒の態度というのは教師だけではなくて、親の責任でもあるんです。

 子どもたちは、家庭での保護者の言動に大きく影響されます。私は息子の前で、先生のことを悪く言いません。そうしてしまうと、子どもが先生をナメてしまうからね。

 しかし、最近では高齢出産の増加で、先生の年齢が保護者よりも低いパターンが増えてきました。そのうえ、レストランに文句を言うくらいの認識で“自分は客だから”という態度をとる保護者も多いです。学校教育をサービス業と履き違えているモンスターペアレンツですね。

 こういった親の態度は、うしろで見ている子どもたちに悪影響を及ぼす可能性もあります。

 そう考えると、教員にとっていまの教育現場はとてもやりづらいものなんじゃないかな。勤務時間もとても長く、常に過剰労働の実態があります。さらに、自分より年齢の高い保護者から見下されることもあれば、“モンペア”の存在だってある。

 一方で、学校の運営サイドも、苦情件数を増やさないように現場の教員には体罰の禁止を求めます。子どもからナメられてしまう要因はとても多いんです。

あらためて「怒る」と「叱る」の違いについて考える

 私が体罰について必ずしも否定的でないのは、「怒る」ことと「叱る」ことは違うと考えているからです。「叱る」という意味での体罰は、教育的な意義も含まれているから、どこか冷静でいられたりします。今回の教師の場合は、ストレスに耐えられずに感情的な怒りが治まらなかったのでしょう。自分のことを客観視できないのです。

 子どものころ、私の家族や近所の人たちは本気で叱ってくれました。親が子どもに手をあげるときって、すごく悲しい顔をしているんですよ。

 “ここまでやらなければいけなかったんだ”という気持ちも強くて、殴ったほうも辛いんです。親に叱られたときに、自分がいけなかった意味を子どもはちゃんと理解しています。そして、そういうところに信頼関係も生まれてくるんです。

 最近では共働き家庭も増えて、親が子どもたちと過ごす時間は少なくなりました。そもそも子どものことを知らないし、本気で叱る機会が減ってしまっているのかもしれません。

 あなたは最近、子どもをちゃんと叱っていますか? 教育の現場の前に、まずは家庭での子どもとの向き合い方を正していく必要があると私は思うよ。