NHK hausing A
 長い歴史を持つ『紅白歌合戦』。番組全体のマンネリ化は避けられない課題だろう。’87 年には視聴率の低下をきっかけに出演者も今までと違うジャンルを増やした。

「改革のときに連続出場していた歌手がたくさん落選して、そのぶんオペラやシャンソン、ニューミュージックの歌手が出るようになったんです。その際、’65 年から22回連続出場、司会経験も4度あるうえ、紅組のトリを務めたことがある水前寺清子さんが落選したのは衝撃的でしたね」(芸能レポーターの石川敏夫さん)

 後年、水前寺から直接、さらに衝撃的な話を聞いたと石川さん。

「落選を伝えられた際に、NHKから“辞退したということで発表しては?”と打診があったそうなんです。でも彼女は“落選として発表してください”と言ったんだそうですよ。そういうまっすぐな生き方なんだよね、チータって(笑い)。ベテランで落選を正面切って受け入れたのはチータが最初だったんじゃないかな」

 ちなみに、同年は島倉千代子、三波春夫が辞退、千昌夫、研ナオコ、田原俊彦、河合奈保子、シブがき隊なども紅白を落選。日本中に衝撃を与えた。