いまの日本は、何かがちょっとずつおかしくなっている。

 日本のいたるところで豪雨、冠水、土砂崩れが起こっている。日本どころの問題ではない。世界中でもだ。

 異常気象、オゾン層の破壊。火山は噴火を懸念される。地震は東海地震ひとつとっても、その発生の切迫性が指摘されている。

 国土交通省のホームページによると、東海地震というのは、駿河湾から静岡県の内陸部を震源とするマグネチュード8クラスの巨大地震で、その界隈では100年から150年に1度岩盤がずれて巨大地震が繰り返されている。すでに150年以上岩盤がずれていないことがわかっており、いつこの地震が起きてもおかしくないと言われているのだ。

 首都直下型の巨大地震が起これば、東京も危ない。

 戦争の足音だって聞こえてくるかもしれないし、テロに巻き込まれる可能性も高い。ミサイルや核の脅威。伝染病。どこで生活していても安全とはいえない。とくに東京は災害リスクの高い都市ランキングのトップにある。

 そんななか、9月1日、防災の日に東京都が新しく『東京防災』という冊子を作成、都内各家庭へ順次、配布を始めた。

 いままでの防災の冊子とは一味も二味も違う。メモ欄を含め324ページのボリューム。内容があまりに真に迫っていて、本当に脅威が身近に迫っているのではないかと怖くなる。

 いままであった冊子が真剣につくっていなかったわけではないだろうが、今回のこれはマジだ。いざというときに役立つマニュアルになるに違いない。

「30年以内に70%の確率で発生すると予測されている、首都直下地震。あなたは、その準備ができていますか」で冊子は始まる。

 いますぐできる具体的アクションが数々あげられている。ネットで閲覧、ダウンロードできるから、これを読んでいる方々も日ごろの備えや災害時の対処方法を、ぜひこれで再確認してほしい。

 もちろん、都民でなくてもだ。

 冊子の内容は下記の通り。

 プロローグ

 01 大震災シミュレーション

 02 今やろう 防火アクション

 03 そのほかの災害と対策

 04 もしもマニュアル

 05 知っておきたい災害知識

 安全のしおり、インデックス

 漫画_TOKYO“X”DAY(かわぐちかいじ作)

 阪神淡路大震災や東日本大震災、新潟中越地震などたいへんな被害を受けている地域からの教訓の声も掲載されているし、そのほかの災害には集中豪雨から火山噴火、テロや武力攻撃なども網羅されている。

 いまだからこそこういう冊子を熟読する必要がある。冊子はイラストや写真を多用していて見やすい。現代に生き残るための備えを学び取ろう。

20p7o400

『東京防災』デジタル版は、「東京都防災ホームページ」から閲覧できる。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/book/index.html

章、項目ごとになるが、東京都ホームページからダウンロードできる。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/08/20p8l300.htm

英語版、中国語版(簡体字及び繁体字)、韓国語版も閲覧可能。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1002147/1002260/index.html

〈筆者プロフィール〉

神足裕司(こうたり・ゆうじ) ●1957年8月10日、広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代からライター活動を始め、1984年、渡辺和博との共著『金魂巻(キンコンカン)』がベストセラーに。コラムニストとして『恨ミシュラン』(週刊朝日)や『これは事件だ!』(週刊SPA!)などの人気連載を抱えながらテレビ、ラジオ、CM、映画など幅広い分野で活躍。2011年9月、重度くも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめる。現在、リハビリを続けながら執筆活動を再開。復帰後の著書に『一度、死んでみましたが』(集英社)、『父と息子の大闘病日記』(息子・祐太郎さんとの共著/扶桑社)、『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』(妻・明子さんとの共著/主婦の友社)がある。Twitterアカウントは@kohtari