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 2025年には病院や施設の数が足りなくなり、全国で約43万人もの高齢者が必要な介護を受けられない「介護難民」になるともいわれている昨今。

 『第1回ホリプロ・タレントスカウトキャラバン』審査員特別賞を受賞しデビュー。現在は、自身の介護体験をもとに講演会などを行うタレントの荒木由美子さんの実体験を聞いた。

「私は結婚2週間後に、病に倒れた義母の介護が始まり、それが約20年間続きました。当時は介護保険はもちろん、情報もありませんでしたから、最初の数年は毎日が死にものぐるいでした」

 荒木さんは介護の経験から、介護する側も、される側も病院慣れしておくことが大事だと語る。

「決して1人で介護と向き合おうとしないこと。同じ境遇の人同士で愚痴を言い合う、手助けし合うという環境を作ることが大事。いい意味で“周りを巻き込む”気持ちでいてください。私は13年間の在宅介護の後、養護施設にお願いしたのですが、スタッフさんや同じ境遇の家族と触れ合うことで救われ、ストレスを解消できるようになりました。多くの人と交流するからこそ、自分の中で介護以外のチャンネルができあがり、心の余裕が生まれてくると思います」