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 8月に100円ショップの『ダイソー』から発売された『エスポルールネイル』に、化粧品への配合が禁止されている化学物質・ホルムアルデヒドが検出されたことが判明。該当商品を含む全商品が回収されることになった。

 実はこの物質、以前にもシックハウス症候群という健康被害が問題になったことがあり、毒性があるのは確かで発がん性物質にも認定されている。

「ホルムアルデヒドを含むガスを吸入すると、鼻腔内や口腔内の粘膜のがんや白血病が発生する可能性があるとされています。がんを発生させる量や期間はわかっていませんが、今回のネイルの例は使用量が少ないのでおそらく影響は少ないでしょう」(毒物治療に詳しい『大手町アビエスクリニック』院長の早田台史医師)

 がんを誘因するならば、なるべく触れたくはないが……。

「ホルムアルデヒドは、実はそこら中に存在しています。排気ガスやタバコの煙にも含まれていて、完全に規制するのは難しい状況です。人間の体内でも少量ながら生産されているのです」(早田医師)

 それでも、『国際がん研究機関』が、ホルムアルデヒドを《ヒトに対する発がん性が認められる》グループ1に認定しているのは気になる。

「グループ1には、ほかに喫煙、アスベスト、ヘリコバクターピロリ菌感染、B型/C型肝炎ウイルス感染など多くの物質や環境が挙げられています。ハム、ベーコン、ソーセージなどの加工肉も含まれますし、更年期以降のエストロゲン療法やアルコール飲料、紫外線を発する日焼けマシンなどもグループ1。だからといって、急にアルコールを飲まなくなったり、ベーコンを食べなくなったりしないですよね。冷静に対処してもらいたいです」(早田医師)

 だが、安心していいとは言えない。実は根深い問題があるのだ。『中国危険産物取り扱い読本』(ベストセラーズ)の著者・椎名玲さんはこう話す。

「高いブランドのものでも、中国製品には同じことが言えます。ホルムアルデヒドよりも怖いのが鉛。塗料に混ぜると乾く時間が早くなり、着色を安定させる効果があるんですね。だから、発色のいいものほど使われている可能性が高いでしょう。色鮮やかな食器や子どものおもちゃは、避けたほうがよく、化粧品もおすすめしません。特にマニキュア、口紅、アイシャドー、ファンデーションは避けたほうがいいかと。ファンデーションから水銀が検出されたこともありますよ」